対象:新築工事・施工
高気密高断熱住宅の冬場の乾燥について
ブリックス設計の柳です。遅くなりましたが回答させて頂きます。
一般的に、高気密高断熱住宅では、室内の湿度が低くなりこれが失点だと言う意見も有るようですが、何故乾燥するのかといった原因をよく理解しないと、その判断を間違う事になってしまうと思います。
高気密高断熱住宅で乾燥がおきるのは、高気密高断熱が原因ではなく、換気と室温だと言われています。
冬の東京地方を例にあげると、外気の気温は2度から10度位・平均湿度は46%前後といったとこです。快適な室温が20度前後・湿度が40から65%ですから、冬の平均湿度が以外に高いように思うかもしれませんがこれは外気の温度によるものです。
この外気を換気により室内に取り入れて20度に上げると一気に25%程度まで下がってしまいます。これが乾燥の原因です。
従来の住宅で湿度が余り下がらなかったのは、日常生活で発生する水蒸気(1日に4人家族で人や炊事等により発生する水蒸気は10キログラム以上と言われています)を換気せず室内に溜め込んでいた為です。これは換気不足の為に、たまたま湿度が保たれていただけで、決して良好な室内環境が維持されていた訳ではないのです。
(最近の一般住宅の隙間による換気よりも高気密住宅で適切な換気を行った住宅の方が換気量は多いと言う事です)
ですから、高気密高断熱住宅での乾燥は良質な住環境を保つ為に仕方の無いことで、失点ではあるが決して一般住宅のほうが良い環境だとも言えない訳です。
補足
そこで、乾燥の為の対策ですが、
○室温をあまり上げ過ぎない。(同じ水分量でも室温が上がれば湿度は下がります)
○温風式の暖房機は乾燥感を強めるので温風を感じない輻射式の暖房機を使う
○加湿器を使うのが最も有効ですが、室内に観葉植物や水槽を置く事で、余計な機械を 使わず自然なかたちで加湿することが可能です。
また、加湿のし過ぎも注意が必要です。快適な湿度は40から65%ですが結露のことを考えると40%位に保つのがベストだと思います。
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この回答の相談
これからの季節、高気密・高断熱住宅は乾燥しやすいと良く耳にしますが、実際はどうなのでしょうか??
イッペイさん (千葉県/30歳/男性)
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