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対象:事業再生と承継・M&A

小松 和弘 専門家

小松 和弘
経営コンサルタント

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事業承継は早めに計画的に取り組みましょう

2018/10/21 18:36

All About ProFileさん、こんにちは。

診療所を若い人に事業承継する場合、その大まかな流れと期間はどうかというご質問ですね。

1.事業承継の流れ
診療所の事業承継については、個人診療所の場合には
(1)親族への承継(2)第三者への譲渡、医療法人の場合には(1)親族への承継(2)第三者への譲渡(3)他の医療法人との合併が考えられます。

ご質問は「若い人に事業を譲りたい」とだけあり、どれに該当するか明確には分かりませんが、主な流れは次のとおりです。
(1)現状の把握(診療所の実情、資産・負債、関係者の理解)
(2)後継者・承継方法の確定(後継者の能力・資力、承継手段,手続検討)
(3)事業承継計画の策定と実行(交代等の時期、教育、資金、患者対応、納税対策)
という3つのステップを踏みます。
但し、具体的に検討すべき内容は、承継方法によって相違し、または個人や法人さらには譲渡(売却)・賃貸・贈与等移転方法により、それぞれ対応や手続が異なります。

ここでは、個人診療所と医療法人での対応ポイントや留意点を簡単にご説明します。

個人診療所の場合、開設者が代わるため新旧院長の開廃手続が必要です。手続面で保健所、社会保険事務所、税務署等にそれぞれ所定の届出をする必要があります。
また、全ての事業用財産が課税の対象になります。
特に親族に承継する際には、生前贈与や遺言がなければ、後継者以外の他の相続人に分割され事業が承継できないケースも考えられます。
土地・建物・医療器械等では、後継者に譲渡(売却)・贈与・賃貸を行いますが、売却金額や賃料等の公正な価格の算定に加え、保証や担保の変更等金融機関との調整が必要となる場合もあります。

法人医療の場合、所有と経営が分離しているため、医療法人に対する出資持分の譲渡(売却)・贈与による経営者の交代に沿って経営の承継が行われます。
そのため、出資持分の扱いや理事長への就任等が重要となります。
また、旧理事長所有の土地・建物では、法人に譲渡しておくか、賃貸関係を保持するのか、新旧理事長間で譲渡するかなどの検討も必要です。
加えて、手続面では保健所や法務局等へ理事長の変更届等の提出を行います。

なお、両者とも譲渡(売却)・贈与等に当たっては、課税対応(譲渡所得税、贈与税等)や後々の相続への事前の取組みに心掛けることが肝要です。
さらに第三者への譲渡では、株式会社と異なり医療法人には医療法の規制があり、また双方合意に至る売買金額を決めることがポイントとなります。

詳細については、事業承継に関する公的な専門機関(最寄りの商工会議所、中小企業基盤整備機構等)や銀行等に加え、診療所の承継に詳しい専門家(弁護士、税理士、中小企業診断士等)にお問い合わせください。

2.事業承継の期間
事業承継の諸作業の期間については、後継者の状況や企業規模等によってかなり相違します。
中小企業白書(2014年)によれば、経営者が70歳代で、承継予定期間1年以内が6%、1年超~3年が32%、3年超~5年が32%、5年超が30%となっています。
一般的には、事業承継には後継者の育成を考えると5~10年位かかり、早めの準備作業や計画的な取り組みが大切だと言われています。

税務署
中小企業診断士
経営者
事業承継
後継者

回答専門家

小松 和弘
小松 和弘
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03-6685-6749
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この回答の相談

事業継承の流れを知りたい

法人・ビジネス 事業再生と承継・M&A 2006/09/15 03:08

診療所を営んでいますが、私自身が高齢になってきたため、若い人に事業を譲りたいと考えています。事業継承の諸作業を専門家に依頼してから完了するまでの大まかな流れと、それにかかる期間を教えてください。

※この質問は、ユーザーの方から事前にいただいたものを、専門家プロファイル が編集して掲載しています。

All About ProFileさん

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