対象:ペットの医療・健康
高齢犬の最期について
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あいなかさん、はじめまして。
この度はご愛犬を亡くされたとのこと、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
最期の時はなるべく穏やかに看取ってあげたいのが理想ですね。
オーナー様だけでなく私達獣医師も苦しまず、かつ家族の皆様と共に見送って頂きたいと願いながら常日頃より治療を行なっております。
しかしながらそれがどんな原因であったとしても苦しまずに寝ているようなままの姿で最期を迎える事もあれば、意識が朦朧として苦しかったり痛かったり気持ち悪く、もがくようにして天寿を全うする事もあります。
4月に膵炎を発症し5月頃から腎不全も併発したとのことで入院を勧められたけれど通院を選ばれた、とのことですがこの時点で静脈点滴をして頂いていたらもしかすると体調がある程度は改善されたかと思います。経過を見るとCREの値が上昇しています。膵炎も患っているため静脈から点滴をすることにより、体内に蓄積している様々な毒素を早くに体外へ排出することで体は楽になります。(皮下点滴よりも静脈点滴の方が効果は早いです)
しかし入院したところで体調が急変しないとも限りません。
静脈点滴をしたから必ずしも回復することは保証できませんが、体力が少しでもあるうちに処置を行なっていたら改善が見られたかとも考えられます。膵炎は脱水症状を起こしやすいため水分補給が必須であり、口からの栄養補給は膵臓に負担をかけてしまうため絶食も必要となり静脈点滴が望ましかったと思います。完全入院でなく通院でも静脈点滴は可能です。入院が心配な場合、私は朝一番に来院してもらい夕方までゆっくりと点滴をして日帰りでおうちに帰り、翌日も通院する方法をとる事もあります。(これは各病院の先生の治療方針も異なりますのでご理解ください)
あいなかさんがおっしゃる通り、夜間病院へ連れて行き入院させたとしてもそのまま帰れなかった可能性は高いと思います。おそらく多臓器不全の末期の状態で、痛みや気持ちが悪かったのかと考えられます。鎮痛剤や制吐剤などの投与で痛みや気持ちの悪さは少しは緩和されたかもしれませんが、病院に連れて行く途中で急変してしまったかもしれません。こればかりは憶測でしか言えません。
後悔が残るお気持ちは察するに余ります。
「あの時にこうしておけば良かったかもしれない」と考えてしまうと気持ちが落ち着かないですね。しかし大好きな飼い主様のそばに最期まで一緒にいられたことはペットにとっては嬉しかった事と思います。
これは私個人の見解ですのでご参考になればと思い記載しました。
ご愛犬と共に過ごした17年間。
どうぞ楽しかった事も辛かった事も忘れないであげてください。
ご看病、ご心労もあると思いますがどうぞご自愛なさって下さいませ。
評価・お礼
あいなか さん
2022/07/23 22:54とてもはっきりと詳しくありがとうございます。真実が知りたかったのではっきり言って頂けるのが助かります。ありがとうございました。
回答専門家
- しすい ことね
- ( 獣医 )
- Clione Heart Warming
気軽に話せる獣医師です
長年インフォームドコンセントを大切に心掛けています。会話により意思疎通が不可能なペットの気持ちを代弁し、何よりもオーナー様にわかりやすく状況をお伝えできるよう努力しています。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
4月に膵炎を発症し内服薬と食事で治りました。5月の血液検査で腎不全の数値が出現。Cre2・3。6月の血液検査でCreがかすかに下がる。アミラーゼは高いがリパーゼはかなり下がる。食欲も未だにあり元気。7月食… [続きを読む]
あいなかさん (東京都/35歳/女性)
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