対象:造園・ガーデニング
梅の木の剪定 ガーデナー建築家/勝田
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梅の木の剪定につきまして
ガーデナー建築家の勝田と申します。
梅の剪定は、理想的には年3回程度、春の実付きをよくする剪定、夏の徒長枝の整理剪定、冬の落葉後の枝整理剪定となりますが、ご質問を伺ったところご自身にて剪定をされるとの事ですので年1回である程度の樹形維持と良い花付きを鑑賞できる剪定方法をご説明致します。ご参考となれば幸いです。
1.剪定時期
年1回の剪定時期は9月の下旬頃です。(上へピョンピョンと延びる徒長枝が延びきったころ)
これより早いとせっかく剪定してもさらに徒長枝が延びてしまいます。また、花芽はこの頃より木が準備を始めますので晩秋になりますとせっかく出来始めた花芽を切ってしまうことになります。木の養分も無駄になります。
葉芽が出るのは、花が落ちた後から8月頃です。葉芽は細長く花芽は丸形です。葉芽と花芽が一緒に出ている時期はほぼありません。
2.剪定方法
花芽は2年目の新枝の周囲に脇枝が沢山出てそこに花芽が多く付きます。つまり昨年の徒長枝の付け根付近です。新しい徒長枝の伸びきった先端にも花芽は付きますが、花が付くからと徒長枝を放っておくと樹形が定まりません。
剪定は、枝の混み具合を見ながら行いますが、なかなか判りつらいと思いますので大枝から伸びる徒長枝の根元から15センチから20センチを残し柄付きの枝切り挟みでジョキジョキと古い枝も一緒に平らに切り落とします。(枝振りのイメージは考慮して下さいね)かなりスッキリ致します。思い切って切って戴いた方が枝振りがスッキリし且つ花が密に付きます。
その際、内側に入り込んでいる枝、明らかに変形している枝、葉付きの無い枯れた枝も切り落とします。太い幹から突出した徒長枝は樹形を壊しますから幹の根元で切り落とします。
この様に整理しておくと11月頃から小さな脇芽が沢山出てその周囲に小さな丸っこい花芽の素が多く付きます。
花も枝振り毎にまとまって密に咲きますので花鑑賞には良い樹形となります。
ご質問にて、上部の枝先には手が届かないとの事ですが徒長枝の根元当たりまで脚立を移動させながら柄付きの枝切りハサミでも届かないところはどなたか男性にお手伝いいただくか安全にお気を付けて作業をご検討下さい。
昔から「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」と申します。桜は下手に剪定しますと樹形を壊します。自然樹形にて鑑賞できますが、梅はハサミを入れるほど小枝が繁り花鑑賞に良い樹形となります。
3.裏技樹形の作り方。
枝先を形良くもう少し手前又は横へ伸ばしたいという場合、刈り込みだけではなかなか難しい処です。
盆栽の枝作りのように枝の形を作ることが出来ます。
枝先の徒長枝を2から3本残しておき、盆栽用の太めのアルミ針金を徒長枝の根元に螺旋状に20センチ程度粗く巻き付け折れてもかまいませんので伸ばしたい方向へ押し曲げます。2から3年掛かりますが、これで枝振りの形をある程度誘導することも出来ます。ご興味有ればやってみて下さい。
評価・お礼
みかん39 さん
2021/02/13 15:27
詳しく剪定方法を解説していただき、ありがとうございます。
やはり花が落ちた後剪定すべきで、葉芽と花芽が一緒にでることはないのでどちらか気にする必要はないということですね?
樹形を考えながらというのは素人にはなかなかむずかしそうです。
それで、満開の今、花がついていない枝は切ってしまってもいいのでしょうか?花がついていない枝には来年以降花は咲かないですか?それとも今は剪定自体やめたほうがいいのでしょうか。
今だったら花がついていない枝がとてもわかりやすいので、切りやすいのではと思い質問したのですが。できればこちらのご返答もお願いします。
回答専門家
- ガーデナー建築家/勝田無一
- ( 東京都 / 建築家 )
- (有)創設計 主宰
ガーデナー建築家の楽しい家
植物が好きで庭作りの大好きな建築家です。住宅を作る度に一生懸命庭まで作るうち「ガーデナー建築家」と呼ばれるようになりました。私の提案するテーマは「都会の中のリゾートハウス」です。街の中でのびのび出来る楽しい住まい作りをお手伝い致します。
(現在のポイント:-pt)
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