対象:住宅・不動産トラブル
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ワンルームマンション投資の出口戦略について
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アネシスプランニングの寺岡と申します。宜しくお願いします。
さて、ご質問の件ですが、当方では現在、大阪市内の投資マンションの売却案件が相当数あり、市況も含めていくつかお伝えしたいと思います。
まず、大阪圏の投資マンションはエスリードを筆頭にプレサンス、日商エステムらが数多くの物件を販売しており、売買及び賃貸のマーケットは双方ともほぼ飽和状態です。
つまり、売り物は相当数あり、賃貸の方も空室が目立つという状況です。
例えば、不動産サイトでとあるマンション名を検索すると、入居募集広告は100件を超えるものもあります。
実際には、総戸数100戸で11戸の部屋が空室、または空室予定で入居者の募集をしているというのが現実で、賃貸マーケットは需要よりも供給の方が多いという点は認識しておく必要があります。
したがって、大阪圏の投資マンションは東京圏ほど賃料が取れないので、売買金額もそれなりに低い金額で取引されるのが現実です。
そんなマーケットで、市況よりも高い売買金額で物件を購入してしまうと、購入当初からローンが完済するまではずっと赤字になります。
こうした背景をもとに、以下のお問い合わせについて順を追ってお答えしたいと思います。
■1:順番に売却していく場合、購入から何年以内の売却完了が望ましいでしょうか。
物件の所在地が不明なため、何とも言えませんが、AとBをまずは売るべきかと思います。
特に、Bはローン返済期間が45年で長期のため、元金の減りが遅く、今後20年ぐらいまでは利息払いの方が多いのが現実です。
したがって、ローン残債額と市況の売値の乖離は長期的に広がったままになります。
例えば、10年後の市況が1,000万円程度とすれば、500万円程度はローン残債額の方が上回ることになりますので、市況が高値の時に損切りしてでも売却する方が得策かと思われます。
■2:現在の大阪の不動産事情はどのような状況なのでしょうか。
市場価格の推移を把握するには具体的にどのようなものを参考にすれば良いのでしょうか。
先ほどもご紹介しましたが、不動産投資の収入源である賃貸物件の市況は供給過多の状況です。
今後、空室を埋めるために賃料を下げたりしていかないと空室は埋まらない状況になりますし、入居募集をさせる不動産業者に対して、広告費などのインセンティブを付けて入居募集を斡旋させないと空室が埋まらない可能性もあります。
この現象は東京圏も同様ですが、大阪圏の方がより厳しいというのが現実です。
そうなると、賃料収入がままならないという想定もできます。
また、大阪圏の投資マンションの売買については、地元の方が買うということは非常に少ないものです。
購入者は東京圏とか地方のサラリーマン、勤務医のドクター、看護師、公務員が主流です。
しかも、エンド客が直接、物件購入をするケースはなく、どこぞの不動産投資専門の業者から斡旋されて買っています。
これは、物件自体のローン付けが個人では難しく、業者経由でのローン付けがないと売れないし、買えないということになります。
次に、市況を把握するには、スーモやホームズ、不動産投資専門の楽待などの不動産サイトで確認することになります。
■3:売却時の差額以外に必要となる諸経費はどの程度でしょうか。
売却時の仲介手数料、抵当権抹消の費用、ローンの返済時の違約金などがあります。
これは個別事案で計算することになります。
例えば、1,600万円で売れた場合、仲介手数料は約60万円、抵当権抹消費用が約3万円程度、ローン違約金がかかって20万円程度かと思われます。
加えて、サブリース契約の場合にはその解約金も必要になる場合がありますので、ご注意ください。
■4:婚約者のみで今回の問題解決は可能でしょうか。あるとすればどの様な方法でしょうか。
仮に、比較的高値で売却ができたとしても、ローン残債額を補てんする必要があり、ご本人に手元資金がないのであれば、親御さんに相談するなどされて補てんする金銭の援助が必要でしょう。
そうしないとなかなか解決はできません。
最悪は自己破産なども考えられますが、自己破産にも条件がありますので簡単に自己破産できない場合もあります。
以上が概ねの回答になりますので、ご参考になれば幸いです。
なお、ご自身が計算されました持ち出し金には固定資産税が加味されておりませんので、戸当たり年間で6万円程度、総額で年18万円ぐらいはかかっているかと思います。
そうなると、年間でトータル約26.5万円、月当たり22,000円の持ち出し金となっているようです。
おそらく所得税還付で15万円程度の還付金が見込めたとしても、持ち出し金の全額回収は難しい状況で、マンション保有の意味はあまりありません。
築年数の経過とともにマンションの修繕の費用負担や賃料下落などのリスクは回避できませんので、タイミングを見て早期に売却をする方が得策かと思われます。
最終的には、保有物件の調査や賃貸借契約の内容確認などの作業を行い、売却時期や売値、その他出口の方向性を検討してみないと何とも言えません旨、ご承知おきくださいませ。
尚、個別のご相談や詳しい説明をご希望でしたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
宜しくお願い致します。
■投資マンションの契約・解約などのお悩みを個別に解決します!
詳しくはこちら ⇒ http://profile.ne.jp/pf/t-teraoka/s/s-6757/
■アネシスプランニング(株)寺岡 孝
http://www.anesisplan.co.jp/
電話:03-6202-7622
メール:info@anesisplan.co.jp
評価・お礼
dolce さん
2021/01/22 22:32
寺岡様
詳細な情報をいただき、婚約者と自分が置かれた状況についてより具体的にイメージ出来るようになりました。
大阪の物件事情はこんなにシビアなのですね……正直、築浅なので何とかなるのではないかと甘く考えていた部分もあり、早い段階でこの情報をお聞きできて良かったです。
持ち出し金や大阪の市況が自分の想定以上に厳しそうな現状を知り、不安も大きいですが、なんとか解決に向けて動いていきたいと思っております。
ご丁寧な回答、大変参考になりました。ありがとうございました。
寺岡 孝
2021/01/23 12:43
この度は回答に評価をいただき、まことにありがとうございます。
お伝えしました内容が現実的なものなのですが、ある意味、シビアな点はお許しくださいませ。
当方では不動産投資物件の売却サポートを行っておりますが、そのサポート内容は中立的な視点により投資用所有不動産を客観的な指標で調査し、現状継続するか、サブリースの改善策のご提案による維持継続、もしくは適宜売却かを総合的に判断しております。
加えて、将来の収益が確保可能か、もしくはその損失を最小限にすることを目的としています。
例えば、ご自身でご依頼された物件の査定金額が適切なものなのか、当方でも物件を現地調査などをして売値の査定金額をお出ししており、その後、売値を決めた後に提携不動産会社などによる物件の販売、契約手続きや最終的な物件の引渡までをご依頼者に代わってお手伝いしております。
また、ご相談方法につきましては、一度、有償によるご相談をお受けなられてはと思います。
ご相談方法は90分での面談によるご相談、もしくはZOOMなどのWebによるご相談をお受けしておりますのでご検討くだされば幸いです。
なお、詳しいご説明等が必要でしたら、お電話、メールでお気軽にお問い合わせくださいませ。
それでは、何とぞ宜しくお願い申し上げます。
以上、取り急ぎ回答の評価の御礼まで。
アネシスプランニング(株)
寺岡 孝
電話:03-6202-7622
メール:info@anesisplan.co.jp
回答専門家
- 寺岡 孝
- ( 東京都 / 建築プロデューサー )
- アネシスプランニング株式会社 代表取締役
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この回答の相談
婚約者がワンルームマンション投資を行っているということが判明しました。
数年前に大阪の新築物件を3部屋購入、収支は合計で約7000円/月の赤字です。
将来的な持ち出し金の増加など… [続きを読む]
dolceさん (香川県/31歳/女性)
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