生後1ヶ月半で子犬を迎えるということ。
千葉市で動物行動学を専門としている獣医師の千田です。
1ヶ月半で親兄弟から離すのは、動物福祉の観点から言っても問題です。それ以上に、親兄弟と生後8週令まで一緒に過ごさなかった子犬は噛みつきや吠えや不安障害の問題行動が出る可能性が高くなります。できれば、生後2、3ヶ月までは親元で兄弟を一緒に過ごさせてあげるべきでしょう。早期に親から離されることを「早期分離」と言って、問題行動を起こす犬の原因と一つとして考えられています。
もう親もとに戻すことができないというのであれば、飼い主さんが責任を持って、世話をし、問題行動はしつけ教室などに通って、専門家の指示を受けながら修正していく必要があると思います。
生後1ヶ月半の子犬であれば、2、3時間は留守をしても構いませんが、赤ちゃんを育てているのですから、それ以上の外出はしばらくの間控えてください。どうしても外出しなければならないのであれば、ペットシッターさんを頼むことも検討してください。
朝早くから吠える場合は、犬はケージやクレートの中に入れたまま、誰かその横で添い寝をしてあげてください。絶対に布団で一緒に寝たり、クレートから出すことはしないでください。柔らかいぬいぐるみなどを入れておくと安心するかもしれません。
ケージの中で排泄をさせたい時は、おしっこウ◯チをケージの中でするまで、絶対に出さないでください。子犬を家に入れてからは大体2週間はケージから出して遊んでしまうと、外で排泄することを覚えてしまい、ケージの中では排泄をしたがらなくなります。
ご飯を食べないというのは、病気かもしれないので、動物病院に一度相談するのが良いでしょう。健康で元気であれば、人がかまわないでいれば、少しずつ落ち着いてきてご飯を食べるようになるでしょう。
生後2ヶ月まで、きちんとしてブリーダーさんやペットショップで説明を聞いて育てても柴犬は噛みつきなどの問題が出てくる犬種です。なるべく早く行動学の専門家(獣医師、ペットドッグしつけインストラクターなど)の指導を受けた方が、将来噛みつきなどの問題を予防することができると思います。
子犬が家にきて可愛いからと遊びすぎると、1週間もすると病気になって入院などが必要になる場合もあります。それをニューオーナーズシンドローム(新しい飼い主症候群)という獣医さんもいます。子犬は疲れやすいので、とりあえず、静かにかまわないで、休ませてあげてください。
回答専門家
- 千田 純子
- ( 千葉県 / 獣医 )
- ペット行動コンサルタントSENDA
科学的な理論を基に人と動物が共生できる方法を提案します。
ペットの犬や猫の問題行動の予防や改善のためのコンサルテーションや個人トレーニング、グループトレーニングを行っています。当しつけ教室の卒業生には、老人福祉施設や病院、緩和ケア病棟でセラピー犬として活躍しているワンちゃん達もいます。
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