対象:子供の教育・受験
意識を変えさせる
子供に取って、大人が考える「良い就職口の為の良い学校」という理論は、まだ親がかりの年齢であり実際社会に出ていないだけに、頭で理屈は理解できたとしても、それを実感として感じさせる事は正直無理ではないかと私は思います。(※子供は親からぐちゃぐちゃ文句を言われる時間を避ける為に、「分かった振りをする」という事もあります)
それよりも生活の中で優先順位を儲けて、子供に目標を持たせ、社会に出ても通用する習慣を身に付けさせるという方法が編み出せたら良いのではないでしょうか?(※提出物を期限内に出すというのは、社会に出てからも必要なルールになりますし、それを怠ると会社(上司・先生含む)や他人や仲間に迷惑を掛けるという意識を育てる事も、息子さんの人格を育む為の教育として大事な訓練になります)
例えばこれは私自身の経験ですが、私は小学校の時に始めたバレエを凄く好きになり、中学生の時に自分から本格的な基礎を勉強したいと思い、親に頼んで東京に在る本格的なバレエ学校に通い始めました。
当時バレエの先生や先輩に「本格的にバレエを続けて行く為には、大学付属の私立中学校に行った方が良い」とアドバイスを受けていた事もあり、私は受験して私立中学校へ進学したのですが、当時勉強にさほど興味がなく、試験前になっても全然勉強というものをしなかった為に、当然段々成績が落ちて行き、親に「成績が良くならなければ、バレエ学校に通わせない」と言われてしまいました。
私は「自分の好きなバレエをお休みする事は絶対嫌だ!」と思い、その為に学校の勉強も頑張る様になり、結果いつもクラスで10番以内の成績に必ず入る様になり、試験の前でもバレエ学校を休む事無く両立させる事ができましたし、勉強する事にも楽しさを覚える様になりました。
そうした経験は、大人になった今でも自分の中では自信に繋がり、今振り返ってみても良い経験であったと親に感謝しています。
息子さんは部活が楽しいとの事ですが、生活の中で色々優先順位を付けて、先にやらねばならない事(※今回の場合は提出物を出す事を第一優先にさせる)をやらなかった時に、部活を休ませるなどのルールを家族で決めて、学校に協力を申し出るというのは可能でしょうか?
これを真剣に行うには、家庭と学校側の教育方針への相互の理解と、厳しさ含めた協力も必要となりますが、もしそのルールがあれば、息子さんは「好きな部活を続ける為に、提出物を出さなければ!」という目標が彼の中で生まれますので、当時の私の様に自発的に頑張る様になるかもしれません。
人間は自分の中で何か目標を持つと、強い意志力と行動力が発揮されるものなので、その様な導き方も一つの手という事です。
それと、人間というものは「これをしなければ大変な事になる」というネガティブ思考よりも、「これをした方が自分の為に良いのだな」と思えると、能動的に自分から「しなくては」と思う様になりますので、本人から本気でポジティブなやる気が出る様な方法を、周りの大人達が編み出してあげたら良いのではないかなと私は思います。
回答専門家
- 大園 エリカ
- ( 東京都 / ダンスインストラクター )
- 舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
natural & elegance
長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年
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