地震予知は「防災の手段」ではなく「見直しのきっかけ」にする - 高荷 智也 - 専門家プロファイル

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。
高荷 智也 専門家

高荷 智也
備え・防災アドバイザー

3 good

地震予知は「防災の手段」ではなく「見直しのきっかけ」にする

2016/01/11 22:26

こんにちは、地震大国日本、本当に地震は恐ろしいですよね。

 さて、恐らくはご指摘のMEGA地震予測も含めて、「個人の命を守る」ことができる科学的な地震予知の仕組みは、現在の所この世の中には存在しません。一方、研究室のレベルでは「精度」や「的中率」を改善するための様々な研究が重ねられており、実際に成果が上がっている地震予知の方法もあるのかもしれません。

 しかし、私たち個人の命を守るために地震予知を行おうとしたら、「○月○日の○時」に「○○県」で「マグニチュード○」の地震が発生する、という精度で予知ができなければほとんど意味がありません。そう言った意味で、研究室レベルでは実用段階にあるかもしれない地震予知の仕組みも、「個人の命を守る」レベルにおいて実用レベルにあるものは存在しないと断言できます。

 そのため、精度100%の地震予知が実用化されるまでは、基本的に「地震への備え」を行うことが唯一の対策であるといえます。「頑丈な家に住む」「家具の固定をする」「避難の準備をする」これらをきちんと行っておけば、地震予知が成功しようと外れようと、自分と家族の命を守ることができるからです。

 メディアが「防災」よりも「地震予知」をあおるのは、その方が視聴率が取れるからです。その一方、地震予知の番組を見て、それが地震対策のきっかけになるのであれば、それは悪いことではありませんし、地震予知メルマガも、それだけを信じて行動するのではなく、「今週は地震の確立が高いから、念のために非常袋の点検をしておこう」と、普段行っている地震対策の点検のきっかけに使うのであれば役に立つでしょう。

 大災害に対して、政府とメディアは真実を語りません(または語る能力を持ちません)。これは東日本大震災の福島第一原発事故の対応と報道で証明されました。であれば、私たち一般市民が防災知識を身につけて、メディアの情報に振り回されずに行動するための準備をするしかありません。まずは万全な地震対策、そして地震予知の話題を見直しのきっかけに、という考え方はいかがでしょうか。

地震対策
福島第一原発
防災
災害
地震

回答専門家

高荷 智也
高荷 智也
( 静岡県 / 防災アドバイザー )
ソナエルワークス 代表

備え・防災は、日本のライフスタイル。

「自分と家族が死なないための防災対策」と「経営改善にもつながる緊急時に役立つBCP」のポイントを解説するフリーの専門家。自然災害から原発事故、企業の危機管理まで分かりやすく実践的なアドバイスに定評があり、テレビや各メディア媒体への出演多数。

(現在のポイント:-pt このQ&Aは、役に立った!

この回答の相談

地震学者について疑問です

人生・ライフスタイル 防災 2016/01/11 21:49

よく、メディアに出演されたりするような地震学者。
地震起きた後にさも、当てたかのように、当てたと言い張ります。

ミスターサンデーで度々取り上げられる某名誉教授
私的には怪しいなと。
とある地震学… [続きを読む]

さん (千葉県/19歳/女性)

このQ&Aに類似したQ&A

洗濯機の地震対策について だいふくうさぎさん  2016-10-19 12:58 回答1件
L字金具(下向き取り付けについて) だいふくうさぎさん  2016-08-18 23:42 回答2件
家具をL字金具で固定する場合 だいふくうさぎさん  2016-08-15 21:40 回答2件
クッションフロアにおける、家具転倒防止対策について だいふくうさぎさん  2016-08-13 23:32 回答2件
津波避難について ふきゅさん  2016-04-29 20:49 回答2件