保護団体からの成犬の分離不安
ペット行動コンサルタントSENDAの千田純子です。
保護団体から譲渡されたわんちゃんの中には、最初は「まだ里親さんのところか。」と思っておとなしくしているのですが、ある程度生活をして、「ここで飼ってもらえるのだと。」とホッとすると、今度は「まだいつ捨てられるのだろう。」と不安になって深刻な分離不安を起こすケースがあります。まりゆきさん宅のわんちゃんもそのケースではないかと思います。
多くの保護団体では譲渡するときの条件として留守番の時間が短いということが条件になっているのもそういうことも一つの要因になっているのではないかと思います。
ケージトレーニングをきちんとすることが大切だと思います。まずは、飼い主さんが家にいる時にクレートの中でご飯をあげてください。最初は扉を開けた状態で始めた方が良いでしょう。飼い主さんが在宅の時に短時間でもケージの中に入れておく習慣をつけてください。夜は飼い主さんの近くでケージやクレートの中に入れて就寝してください。
飼い主さんのいる時に何の問題もなくクレートに入って、ご飯を食べられるようになったら、短時間の外出を試してみてください。私の方では精神的な問題に対応する自然療法のバッチフラワーレメディを使いながらお留守番のトレーニングを行っています。バッチフラワーを使わない場合は、動物病院で抗不安剤を使うこともできます。行動療法を実践している動物病院を探してみてはどうでしょうか?
保護団体から来たわんちゃんでも、家に迎えた時から分離不安になることを予想してクレートトレーニングをしっかりしておくとひどい問題になることは少ないのではないかと思います。保護団体から譲渡されたわんちゃんだからといって、過剰に接触を持ちすぎると捨てられ不安が出てきますので、ほどほどの距離感を持って生活することが大切です。
回答専門家
- 千田 純子
- ( 千葉県 / 獣医 )
- ペット行動コンサルタントSENDA
科学的な理論を基に人と動物が共生できる方法を提案します。
ペットの犬や猫の問題行動の予防や改善のためのコンサルテーションや個人トレーニング、グループトレーニングを行っています。当しつけ教室の卒業生には、老人福祉施設や病院、緩和ケア病棟でセラピー犬として活躍しているワンちゃん達もいます。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
初めまして。2歳の雑種♂、去勢済みの中型成犬を保護団体から引き取って1か月になります。トライアル中や正式譲渡直後は何事もなく平穏無事でしたが、少し前から様子が急変しました。私が… [続きを読む]
まりゆきさん (東京都/38歳/女性)
このQ&Aの回答
このQ&Aに類似したQ&A