部屋の趣向性と暖炉

2014/09/30 07:25

: (; 5.0; )

scarlet69様
初めまして。
ご意見をさせて頂く井上と申します。
いままで国内外で薪、ガス、電気とあらゆる方法の暖炉をいくつも設計し、イタリア版のエルデコなど多くの雑誌に掲載されてきましたが、機能は性能に依るものとして、設えをどのようにするかで部屋の雰囲気が大きく変わります。
暖房機能を重視しないとのことですが、3メートルの天井高であればボリューム感として小さなタイプの方が適当かと思います。
おそらくお住まいの地域の気候から、使わない期間が多くを占めると思いますので部屋の雰囲気に合わせて、普段から楽しめる仕様にすべきかと思います。
一般的なクラシック暖炉を3.8メートルの壁面に配置する場合の単純計算ですが、壁左右に1/5〜1/4程の余白を残しスタンド照明または植栽、中央に3/5〜2/4程度の装飾を含めた暖炉で背面に石貼り余白と両脇コロンナ（恐らくヨーロッパ調空間と仮定して）を配置すると暖炉トップの飾り棚で1.6〜1.2メートル程、コロンナを引くと、導き出される暖炉幅は0.8〜0.4メートル程でしょうか。
また、欧州でよく依頼を頂くのは間仕切り壁を地面から浮かせて開口し、幅広の暖炉を部屋の両方で使える仕様ですが、この場合は少しモダンな雰囲気で、この壁に対しては両面開口タイプで最低でも幅0.9〜1.2メートルは欲しいところです。
これを日本で施工する場合、熱源自体は特殊形状のものを使用しますし、ほぼすべてワンオフとなりそうです。
また、電気にしても相当の熱容量ですので、設置する床壁天井には充分な耐火耐熱仕様と熱量に応じた給排気が必要ですし、使用前には必ずメンテナンスが必須です。
どんな趣向性にするかをこれから楽しく悩んでみてください。
乱文お許し下さい。

飾り棚

熱

装飾

部屋

暖炉

評価・お礼

scarlet69 さん

2014/10/01 14:36

さっそくご回答いただきありがとうございました。
壁の余白が左右1/5～1/4、ということは、マントルピースを含めた暖炉の横幅は194センチ、高さが床から飾り棚までで1.2メートルから1.6メートルと言うことになるのですね。今購入を検討している暖炉（マントルピースを含みます、以下同様）は幅190センチ、高さ145センチのものと、幅160センチ高さ117センチのものがあり、前者は実際に壁に合わせてみると、なんだか大きすぎるような気がしました。ですが、アドバイスに従えば前者の暖炉の方が部屋には合う、と言うことになりますか。イメージ的には、暖炉の前に立って、肩の高さに飾り棚が来るぐらいが適当な高さかな、と思っていましたので。
ところで、コロンナというのはマントルピースの両脇の柱のような部分だと考えてよろしいのでしょうか。

井上桂

2014/10/02 05:28

scarlet69様

評価を頂きまして有難うございました。
飾り棚は天井高の半分くらい、仰る通りちょうど肩の高さが良いと思います。
周囲及び上部残りの空間には耐火で下地、仕上げをした上でアート等を飾るのも良いと思います。
コロンナとは装飾柱の事ですが、元来、構造と延焼防止を兼ね備え、
その周囲はメンテナンス道具（薪やスコップ、トング、調理道具、革のグローブ）などを置くスペースとして活用されます。
これらは実際に近くで必要なものですし、見た目にも雰囲気が出ますので、
海外旅行などされたときに良い物を見付けてくると良いと思います。

蛇足ですが、
薪方式も改めて検討されてはいかがでしょうか？
ホームパーティーなどでロースト調理の主役級に活躍するのは事実ですし、
本当に美味しく、火のはぜる音や木の臭いなど、本当に楽しめるのは薪だと思います。
薪は火起こしも掃除も大変ですが、それ以上に得られるものが大きく、
イタリアなどで親しい友人のお宅へ遊びに行くと、
主人が自ら火を起こして、丸焼き肉の調理を振る舞う事は嗜みのひとつであり、
ゲストも記憶に残る究極のもてなしを享受することになります。
勿論電気でも充分に楽しむ事はできますが、
scarlet69様がいずれ究極を求める事がある様な気がしまして、
しからば初めからと書かせて頂きました。

電気でも、給排気計画をきちんと施工すれば調理がかなり楽しめますので、
ライフスタイルから暖炉の大きさや方式、設えを構築するのが良いかと思います。

参考になりましたら良いのですが、
むしろ、悩ませていまいましたら申し訳ありません。

井上