対象:リフォーム・増改築
酒井 哲
建築家
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直してでも住みたい!!かどうかがポイントです。
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リフォームか、建て替え(新築)か?
どちらにすればいいのか悩まれている方は多いようです。
リフォームの場合は工事の規模や部位、目指す性能によって予算が大きく変わります。新築との比較となると部分改修や設備(水廻りと換気冷暖房)の更新だけでなく、建物の性能(耐震性、断熱性等)も新築同等まで上げる全面リフォーム(スケルトンリフォーム)となることが予想されます。仕様や性能によってばらつきがありますが、今までの経験からすると全面リフォーム(スケルトンリフォーム)は新築の約90%はかかると思われます。特に昭和56年(1981年)以前の建物は耐震性能の大幅な見直しが必要となるケースが多く、工事箇所が増える傾向にあります。今回は築80年とのことなので、基礎の補強、屋根材の葺き替えも必要と思われます。
古くても建物状態が良く、既存の部分を残す範囲が多ければ工事費は下がります。
建物の状態が悪く、柱や梁の構造も含めて修繕する範囲が増え、工事費は上がります。
家を直したいという家族の思い入れがあったり
再現するのが難しい良質な設えのある建物など
家に対する住まい手の価値観による判断となります。
つまり、直してでもその家に住みたいかどうかが大きなポイントになると思います。
リフォームか新築かという二者択一的な極論ではなく、もう少し柔軟に考える事ができれば、選択肢も広がると思われます。例えば、耐震性能はしっかり上げるが、断熱改修は普段生活する範囲だけにして、リフォームしない部分をつくれば、改修の坪単価は自ずと下がります。弊所では全面リフォームを行わない場合は、リフォームの規模に分けて概算費用を考ます。
[大規模改修]:間取りの変更伴う工事。
耐震補強、断熱改修を確実に行うことができます。
[小規模改修]:間取りの変更は行わず、耐震補強は確実に行います。
断熱改修は可能な範囲で行います。
[模 様 替]:最小限の耐震補強とクロス等の張り替え。
基本的に断熱改修は難しいです。
[設備の更新]:キッチン、トイレ、エアコン等の設備工事。
設備の有無によって、坪単価が大幅に変わるので分けて考えています。
[外部の改修]:屋根、外壁、基礎の補強等
このように、工事区分によるゾーン分けを行うことで、家での住まい方を整理することができ、限られた予算で効果的にリフォームすることが可能になります。既存家屋の調査をすることで、補強や修繕が必須な箇所、ゾーン分けの範囲を見極めることができます。
以上です
参考になれば幸いです。
TownFactory一級建築士事務所 酒井哲
評価・お礼
yahho0392 さん
2014/05/24 22:06
回答ありがとうございます。
「耐震性能はしっかり上げるが、断熱改修は普段生活する範囲だけにして、リフォームしない部分をつくれば~」
この部分に関して、このような考えはありませんでした。確かにそういう対策も検討の余地がありますね。
それも含め、今後設計士の方に相談してみます。
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この回答の相談
戸建の建替かリフォームか迷ったら、どこに相談し判断してもらったら良いでしょうか。
戸建で築80年以上経っています。
風呂、トイレはこの数年内に新しくしましたが、築80年以上経っているので、… [続きを読む]
yahho0392さん (広島県/28歳/男性)
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