対象:住宅検査・測量
中舎 重之
建築家
-
欠陥基礎への対応
文面における、基礎のクラックがタテに10本、ヨコに1本、ジャンカ有りとは、驚きです。
当方の判断では、欠陥基礎と断定します。補修ではなく、補強の対象と判断します。
原因は、夏季のコンクリート打設後に適切な養生を怠って事でのクラックでしょう。
基礎は、建物の中で目立たない場所にいます。
ですが、その働きは建物において、一番重要な役割を担っています。
建物の重量を支えて鉛直力を地盤に伝えます。不同沈下を防ぐのも基礎の仕事です。
台風時には、建物が転倒しない様に重しの働きもします。
地震時には、建物の揺れを少なくして、上部の耐力壁が充分に働ける様に頑張ります。
此の土地が軟弱地盤で、地盤改良をしているのなら、
地震時の揺れは地盤の良い所より、建物が1.5倍の揺れになります。
従って、基礎の強さも通常の1.5倍の強度が要求されます。
ですから、基礎には補修ではなく、補強する必要があるのです。
今後の対応を記します。基礎の現状を全て写真を撮り、アルバムを作ります。
写真には番号を付けて下さい。北側を1として、さらに小番号を打ちます。例:1-1、1-2
東側2、南側3、西側4です。要は南北を軸にして時計回りです。小番号も同じです。
撮影には、A5版に番号を記載して一緒に撮ります。
平面図をA3版にコピーして、図面に先の番号を記入して下さい。
此のアルバムを持って、市役所の建築指導課に相談します。
同時に、県の相談窓口を聞いて、同じように相談して下さい。
要は、本件に対しての行政としての判断を仰ぐのです。
此の時、人には任せず、お客様が自ら行動する事が大事です。
お客様は、市と県の納税者である事が相談のポイントになります。
結果として、補強工事の方向で決まったのなら、
当方の技術を、お貸しします。
当方は、平成8年から、既存の木造住宅の耐震補強設計を仕事としており、
補強した建物は70軒に達しています。
昔の基礎は、無筋コンクリートが多く、補強の対象として扱って来ました。
以上です。 2014.12.8 中舎重之
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
新築工事中で、引渡し前です。
ベタ基礎のコンクリート打設から、約3ヶ月後に外側の基礎にクラックが10本入っているのを発見しました。
施工会社と共に床下点検口… [続きを読む]
pep25さん (大阪府/35歳/男性)
このQ&Aに類似したQ&A