対象:新築工事・施工
岸上 昌史
建築家
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原因の特定と説明義務
ブレッツァ・アーキテクツの岸上と申します。
さぞご不便のこととお察しします。
まず確認ですが、雨水排水は四隅の浸透桝だけでしょうか。ちょっと考え難いのですが、そうであれば浸透量が降雨量を上回ってなければなりません。これは土質や屋根面積、舗装面積から計算で求めることが出来ますが、注意しなければならないのは時間差があるということです。単位時間当たりの雨量は処理できる能力を備えていても、瞬間的な豪雨には処理が追いつきません。また延々と続く長雨も不利です。
これらのケースで常に、しかも完全に浸透させることは現実的には不可能ですし、そもそも経年の目詰まりにより浸透能力も落ちてくることから、恐らくオーバーフロー時の排水経路が別に設けられているはずです。
また、条例によりこの配管の径が制限されていることがありますが、その場合は逆算して浸透能力を決定します。
土地固有の問題ということから推測すると、放流先の下水道本管が細くて処理しきれずに敷地内に逆流することも考えられます。この場合は周囲も同じ状況ですので、注意して見てください。
お見込みの通りこのような「土地固有の問題」をふまえて設計するわけですから、どのような計算をして浸透桝の大きさや数を決定したのか、排水経路はどうなっているのか、その管径など、まずは排水計画についてきちんと説明を受けてください。
不具合には原因が必ずあります。この原因を特定せず、あるいはきちんと説明しないまま不可抗力というのは早計ではないでしょうか。
以上、参考になれば幸いです。
ブレッツァ・アーキテクツ 岸上
www.brezza-a.jp
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この回答の相談
昨年11月に注文住宅で新築し、約5ヶ月になります。
平地で地盤は砂堆、ほぼ矩形の土地および建物で、四隅に雨水浸透ますが設置されています。
土地の周りは一辺を除き、周囲より10~30cm程立ち上… [続きを読む]
All_Aboutさん (神奈川県/43歳/男性)
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