対象:心の病気・カウンセリング
国府谷 明彦
厚生労働省認定 産業カウンセラー
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状況を深刻に考えないこと,そこから始めましょう
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こんにちは。カウンセリングセンター聴心館 国府谷です。精神医学や脳神経科学をベースに認知行動療法を中心とするカウンセリングをしています(診断・治療行為は致しません)。
チルドレンさん,認知症のご両親と接していると,自分自身も暗くなりいたたまれなくなる。そんな毎日が続いているということなんですね。お気持ちお察しします。今までの日々をよく頑張ってこられたと思います。
どうでしょう,みなさんで近くの温泉に一泊旅行でもして見ませんか? 難しいようならば,チルドレンさん1人でもいい。どこか気晴らしに旅行をしてくるのが良いと思います。まずは,風を通しましょう。
お話ししたいことが2つあります。一つはご両親のこと。認知症ということでしたが,まずは認知症という病名を離れて考えましょう。「人間は年を取ると子どもに帰っていく」とよく言われています。チルドレンさんが子どもの頃に見ていた両親と比較すると,残念に思えると思いますが,人間は歳と共に衰えてくる。認知症でなくても,徐々に変化してくるのです。1人の人間として,衰えた両親を見据えることができるでしょうか? 気むずかしいお子さんがいるくらいの感じ方ができれば良いのですが,いかがでしょうか? もう一家の主はチルドレンさんの時代になっています。ご両親を支えているんだという感じにメンタルを切り替えていきましょう。すねても愚痴っても,チルドレンさんの感情的な意味で気になるだけ。それがチルドレンさんの現実的な足かせにはならないのですよ。
もう一点として,チルドレンさんの方に,何か別な心配事はありませんか? 文面からはわかりませんが,恐らく家業を継いでいらっしゃるのかもしれません。ご商売の心配や,私生活の中で結婚など何か心配事がおありではありませんか? そうした不安が基底にあって,その上でご両親を見ていると心配になってくるのではないでしょうか?
【字数の関係で,補足に続きます】
補足
ある意味,ご両親は普通に人生を重ねておられる。衰えは先に行って介護の必要につながるかもしれません。今の現状の向こうに不安な未来を重ねてみることはいくらでもできます。でもそれは,今を暗い色に塗りつぶすことでしかありません。今日を一歩ずつ,いかに明るく一生懸命に生きていけるかが大切なことです。
そのためには,一つ一つの出来事を深刻に考えないこと。「人は生まれたときから死に向かって歩んでいます」。そう考えれば悲しくなる。考え方次第です。衰えがある。認知症がある。でもそれだけのことです。チルドレンさんが,明るくいれば,徐々に明るい色に染まってきます。重い箱が10個ある。重い重いと言いながら運べばつらい思いを10回しなければならない。でも,一丁頑張るか!と思えば,さっさと片付いていきます。チルドレンさんは,どちらのやり方をしますか?
ちょっと風を入れ替えて,やってみましょう。お困りの時はいつでも相談に応じます。幸せが訪れることを祈っています。
聴心館WEBサイト http://www.choushinkan.com
評価・お礼
チルドレン さん
2012/09/24 17:34
スピーディなご回答に星5つです!
専門の先生からこんなに早くお返事が頂けるとは思ってもみませんでした。
先生の鋭い御指摘には脱帽です。
「お前自身に不安は無いか?」というご質問にです。
私自身、若年性パーキンソン病を患っておりまして、
進行の不安を常に抱えております。(親を看るか、看られるか判らない不安もです)
私が言葉足らずでしたのは、補足を用いると長文になり失礼なのではないか?
との懸念があったためです。
また、睡眠が上手くとれず、抗うつ薬の選択に精神科の医師も困っているのが現実です。
パーキンソンさえ無ければ、抗鬱剤の選択も睡眠持続も簡単なのですが。
(因みに現在はレスリンをつかっております。)
まとめとしては私の受け取り方やストレスコーピングが大切という理解でよろしいでしょうか?
とまれ、先生の序段の温かいご理解のお言葉。
「いつでも相談に乗る」との力強さに感服いたしました!
衷心より感謝を致します。有難うございました!
取り急ぎ御礼まで。
国府谷 明彦
2012/09/24 20:57
チルドレンさん,メッセージありがとうございました。
若年性パーキンソン病ということですね。いろいろな意味でご心配がおありですね。大変だろうなと思います。でも,それを当然のことと考えて,あまり心配せずに行きましょう。
パーキンソン病はその症状がドパミンの減少に由来するといわれており,その結果,うつ的な症状が出てくるともいわれます。まずは,睡眠障碍やうつ症状よりも,パーキンソン病の治療に専念すると,副次的な効果で,睡眠障碍やうつ症状がよくなってくるかもしれません。この辺は,かかりつけの医師とよく相談されてみると良いのではありませんか?
メンタル的な面からお話を付け加えておきます。人は誰でも,状況や環境に影響されて不安を感じ心配になります。こういう状況だから,不安になって当然という風に。これは,条件が整わないと安心できないということにつながります。
これを逆にするのです。「まずは何があっても自分が安心すること」を意識します。火事になろうが嵐が来ようが「生きている自分は幸せ」と感じてしまうのです。「不安のネタを探すのではなく,安心のネタを探す」のです。最初の内は,多少無理してでも構いません。そうしている内に,気持ちの落ち込みが減少し,眠れるようになってきます。
「受け取り方を変える」ということや「ストレスコーピング」と考えても間違いではないのですが,「何よりもまず安心してしまうのが先」そう考えてやってみて下さい。やり方がわからないときには,直接メールをいただければと思います。良い結果を祈っています。
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この回答の相談
私は30代後半の未婚の男です。
今、父と母と3人で暮らしています。(両親とも還暦を過ぎています)
父も母も認知症の前段階の感があります。(2人とも人格変化が顕著です)
問題は父です。65歳を少し過ぎま… [続きを読む]
チルドレンさん (福島県/37歳/男性)
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