対象:心と体の不調
辻 良史
博士(体育科学)
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厳密には、「うつ病」と「うつ症状(傾向)」は異なります。
sian様
はじめまして、サイバー・ヨガ研究所の辻と申します。
まず、「うつ」には、状態に応じて、重度の「うつ病」と軽度の「うつ症状(傾向)」がございます。
うつ病の場合、人とのコミュニケーションもとれず、メールを打つ作業もほとんど行えない状態です。
伺った症状ですと「うつ症状」の可能性が推測されるかもしれません。
うつの診断を正確に行うには、
1)心理検査:抑うつ尺度SDSが、うつのスクリーニング検査として広く採用されております。
日本人の場合、SDSが50点以上になるとうつ傾向があると判断されます。
2)生理検査:最近では、近赤外分光法(NIRS)を脳(前頭)に照射して、血中の酸素化ヘモグロビン値の増加パターンを確認します。
実際には、「あ・い・う・え・お」発声時と「タ行」ではじまる思いつく言葉の発声時の脳血流変化パターンの違いをチェックします。
3)本人の語り:いただいたメール内容のように最近の身体的・心理的または、行動の変化について語っていただきます。
これら1)~3)を検証して多角的にうつの状態を判断していきます。
私の専門は、「運動と脳」ですので、うつ症状に対しお勧めさせていただくものとして有酸素運動がございます。
実は、ランニングをはじめとする有酸素運動にはうつを軽減させる効果がいくつもの論文で明らかになっております。
実際、1週間に1,000キロカロリー以上を有酸素運動に消費する男性は、うつの発生リスクが、あまり活動しない男性に比べ17パーセント低く、
1週間に2,500キロカロリー以上消費する男性はじつに、28パーセントも低かったことが明らかになっております。
有酸素運動といいますと、外でのランニングのイメージが強いですが、室内での踏み台昇降やステップマシーン、その場での足踏みでも十分同じような効果が期待できます。
わざわざ着替えたり、雨が降ったり、気温の寒暖差で止めてしまうケースが多いのが有酸素運動の特徴でもありますので、
まずは、室内でテレビや音楽を聴きながら、有酸素運動を試してみてください。運動強度は、少し息がはずむ程度です。
(その状態で歌が歌えない強度ですと無酸素運動の領域になりますのでご注意ください。)
また、やはり一度、専門家に御相談されることをお勧めいたします。
どうぞ宜しくお願い致します。 - サイバー・ヨガ研究所 辻 良史 -
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