国府谷 明彦
厚生労働省認定 産業カウンセラー
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すべての責任があなたにある訳ではないことに気づきましょう
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こんにちは。カウンセリングセンター聴心館 国府谷です。精神医学や脳神経科学をベースに認知行動療法を中心とするカウンセリングをしています(診断・治療行為は致しません)。
pironさん,親しくしていた友人に対して,無意識のうちにご自分の言葉でダメージを与えてしまった。予想外の結果に戸惑っているし,悪いことをしてしまったという罪悪感もある。取り返しのつかないことになったという思いが,自分にこびりついている。そんな感じのお気持ちなのですね。深刻な思い,お察しします。気持ちが伝わってきます。
最初に,前提となる話をしましょう。伝言ゲームという遊びがありますね。間に何人か人を挟むと違ったメッセージが伝わってしまう。言葉というのは不完全な物なのです。こちらがAのつもりで言っても相手がBと理解してしまう。こちらの表現が悪いとかいう問題ではなく,相手がはなからBと思い込んでしまえば,こちらが後からCと言おうがDと言おうが,相手はBと理解してしまう。そんなものなのです。言葉のそんな性格を意識しておいて下さい。
さて,pironさんは,自分以外の人の心や感情を変えることができると思いますか? 悲しんでいる人を慰めたり,怒っている人をなだめたりしますが,実際には,人の心を変えることはできない。ということは,pironさんの悪口と思える言葉も,友人に感情のきっかけは与えているけれども,実際に友人の心にダメージを与えている訳ではないのです。友人が自分でダメージと思い込んでいるんです。ようするに,友人がダメージだと思い込んだから,ダメージ状態があると言うこと。友人がそう思わなければ,ダメージにならなかったと言うことなんです。だから,友人が自分でダメージでないと思えるようになるまで,本人が手放さない限りはこの状態が続くんですね。
つまりは,すべての責任がpironさんにあると言うことではないといえます。きっかけを作ったという意味での責任がありますが,ダメージの受け方は本人の感じ方次第です。そこまで気にすることはないですね。
さらに,もうひとつのお話があります。文字数が足りなくなってきましたので,補足の方で展開しますね。
補足
もうひとつの意味,それは,人生的な意味です。無意識にダメージを与えてしまったと思い込んでいるpironさんと,ダメージを負わされてしまったと思い込んでいる友人は,必然性があって,この形のマッチングになっていると言うことです。
pironさんは,今回のことから自分の心や性格の中に何かを気づかなければならない。一方の友人も,今回のことから自分の考え方や気持ちについて,何かに気づかなければならない。お互いに,人生的な意味で何かに気づかなければならない。そのために,今回のマッチングができて事件が起こったと考えるのです。
物事は幸不幸に関係なく起きています。空中でボールを手放すと地面に落ちます。それ自体に幸福も不幸もない。雨に降られるのも事故に遭うのも表彰されるのも,それ自体は何の意味もなく必然的に起きています。それに意味を与えるのが人間です。その与える意味が気づきにつながるのです。
pironさんは今回の出来事を,不幸な出来事,自分がダメージを与えた人,相手の出方を待つ人,そんな位置づけで終わらせますか? 人生的な意味で,どんな気づきをこの出来事から学びますか? 今回のことについて,積極的に意味を考えてみましょう。
相手の気持ちは,友人自身が自分の価値観に新たな気づきの1ページを加えるまで待てば良い。植物を育てるときには,大きく育つのを待ちますね。無理矢理引っ張ったりしない。その待つ間に,pironさん自身の価値観の新たな1ページを作りながら待ちましょう。どんな意味が出てくるかは,pironさん,あなたの気づき次第です。
良い未来が来ることを祈ります。困ったときはいつでもご相談下さい。
聴心館WEBサイト http://www.choushinkan.com
評価・お礼
piron さん
2012/05/22 10:47
ご丁寧な回答をありがとうございました。
先生のお言葉で、心がすっと軽くなりました。
自分を責め続けてきたため、自分自身でも相当のダメージを受けていました。
それを少し肯定的なとらえ方でお話してくれたのが、とてもうれしかったです。
伝言ゲームの例え、人間の思い込みによるダメージの作られ方、あてはまる要素がおおいにありました。
今後は今回の件に関し、気づき、を考えるとともに、一歩前へ踏み出そうと思います。
本当に素晴らしい回答をありがとうございました。
国府谷 明彦
2012/05/22 12:02
pironさん,メッセージありがとうございます。pironさん自身も,自分で自分にダメージを作り出していたことに気づかれたんですね。よかったです。
自分のダメージは自分で作り出している。そして自分でしか取り除けない。そんなことを覚えておいて下さい。でも,他の人のダメージのきっかけを作ってしまうことはありますから,そこは気をつけましょうね。
pironさんがどんな気づきを得られたのか,また別の機会にでも教えていただけたら幸いです。頑張って生きましょう。
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この回答の相談
はじめまして。
約1年ほど前からの話です。
小学校から同じで、しばらく離れてはいたものの、お互い子供を得て
また20台後半から仲良くなった友人がいます。
なんでも相… [続きを読む]
pironさん (東京都/38歳/女性)
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