対象:住宅設計・構造
葛原 千春
建築家
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窓に対し要求する機能を1つ1つ検証
道路側から見て縦に細長く、2階と3階にバルコニーを取り付ける外観では、道路から見上げた場合にバルコニーの腰壁が大半を占めてしまい、単調なデザインとなってしまいます。建物本体の造形にバルコニーや窓、雨樋いなどのパーツをただ単にくっつけただけのまとまりのないデザインは避けましょう。
「機能とデザインの両立」は多角的に考えていかないと満足できるものには成り得ないので注意が必要です。設計者の腕の見せ所でもあります。
具体的には下記項目を同時に満足していく様に努力しないといけません。
採光、眺め
局所的、全体的な換気機能
家具・エアコン等の配置を考慮した位置、大きさ
費用(比較的引き違いよりすべり出し系の窓の方が割高)
侵入や落下などの危機回避
北側・西側立面図の2面を同時に考えた美しい配置。
最後の「美しい配置」をさらに具体的に考えますと
各窓の上辺と下辺の位置、もしくは上下階の窓の位置を揃える
どうしても上記のような法則が当てはまらない場合はすべての窓の高さを統一(50cmか30cm)し幅を1.65mなど横に細長くした窓を配置する。そうすると西側の奥行きのある外壁に「方向性」みたいなものが出来きてきれいです。(眺める景色がある場合は少し無理がありますが)
それがダメならば、すべて正方形で大きさも配置もバラバラの「ランダム配置」が良いと思います。(バランスのセンスが必要)
費用削減も含め極力「とりあえずつけておけば役立つだろう」という小窓は無くしましょう。
余談ですが、外観デザインを綺麗にする手法としましては、芸術的な領域の話しもありますが、下記の様な項目に気をつけるだけで、かなり美しくなります。
エアコンの屋外機やその配管をなるべく出さない。
フェンスのデザインも良く考える。
雨樋の配置や配管部材を良く検討する。(特にバルコニーに取り付ける配管はくねくね曲がり、ごちゃごちゃした印象になる)
水周りの排水管は外観に出さない(ただし室内側に点検口などを設ける)
植栽をする。
何々風というフェイクなデザイン・素材は避ける。例えばタイル風のサイディングなど
各窓のカーテン選びをする場合、統一性や規則性をもたせる。
「機能性とデザイン性」(コストも)の両立を目指して美しいデザインの家になる様頑張ってください。楽しんでください。
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