対象:子供のお稽古
脳が外国語をどう学習するのかの科学的根拠で決まります
日本で英語を学ぶにあたり、日本人講師か英語のNative Speaker講師かがまず大切な要因ではありません。
個々の脳はすべて学び方が異なります。
ですから、単に「個人的な教授経験」での「日本人講師の成功例」や「外国人講師」の成功例を基に、どちらが良いと言い切ることは非科学的ですね。
人間の脳がどう学習するのか、またMonolingual (一か国語だけの言語能力)の脳が外国語をどう習得するのかを基にした教育を行う所かどうかを見極めて選んで下さい。
そのヒントについて、最新の言語・脳心理学の見地から回答させていただきます。
科学的証拠に基づいた「正しい外国語の学び方」の過程です。
1.脳に「外国語ーここでは英語」はまったく異なる言語であると教え込む。
これが理解できるのが大体10歳前後です。
これ以前の早期英語教育効果には科学的根拠はありません。
(大澤眞知子コラム「うちの子バイリンガルにしたいんですけど」をお読み下さい。)
方法は、正しい発声器官(舌、口の筋肉、のどの締め方などなど)を徹底的に訓練します。
それによって脳に英語領域ネットワークが出来ます。
今まで脳が出したことのない命令を発声器官に出し始めるからです。
この練習にはNative Speaker の正確な発音が必要です。
2.ただオウムのように発音だけをやっても脳の英語領域は育ちません。
次に、英語の文法の一番大切な部分。 (主語)+(動詞)の練習を徹底的に数年。
日本語はほぼ(主語なし)、(動詞)も普段はあまり使わない日本の子供の脳を変えるには、この練習は欠かせません。
英語とは、こう使うんだと脳に徹底的に押し込む時期です。
これも10歳前後にならないと脳が理解できません。
この段階では、英語文化を経験し、英語圏で高等教育を受けた日本人が最適です。
日本語脳と英語脳の違いが実体験から理解できるからです。
3.いよいよ英語の論理的思考を教えていきます。
英語の説明だけでは日本の子供はまだ理解できません。
日本語社会では存在しない、英語の考え方ですから。
従って、英語の論理的思考法、Critical Thinking 教育を英語圏で受けた日本語教師が絶対必要な時期です。
補足
(中国では英才教育としての英語Critical Thinking 教育の必要性を痛感し、アメリカ・カナダの大学で教育を受けた中国人を英語教師として呼び戻しているそうです。 日本が中国に追い抜かれた理由もこんなところにあるかも知れませんね。)
4.様々な情報を英語で読む。 そして、その情報を基として、英語のエッセイをCritical thinking の論理性を使い書く。
Readingには日本人が必要です。 Inferences(裏の意味)、implication(だからどういうことなのか)、などの理解力を助けていくにはある程度日本語の説明が必要です。
writingには文句なしで、Native Speaker の専門家が必要です。
もちろん discussion などにもNative Speaker 専門家の正しいリードが必要です。
まだまだ膨大な詳細はありますが、簡単に言うとこんなところです。
もし上記のような教育機関が見つからない場合は、どこで習っても効果はあまり期待出来ないと思います。
コラム「日本の英語教育のInsanity」でも書きましたが、日本人に習おうが、外国人に習おうが、何十年も同じ教え方をしている日本の英語教育では言語能力は育ちません。
もし、お子さんがまだ10才にもなっていないなら、英語教室など必要ありませんよ。
いっぱいの時間の中で脳に自由を経験させてあげてください。
その脳が将来の英語習得への大きな基盤となりますから。
回答専門家
- 大澤 眞知子
- ( 英語講師 )
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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この回答の相談
子供を英会話教室に通わせようと思っています。日本語でフォローしてくれる日本人の講師と、全て英語のネイティブの講師、どちらのほうがよいか迷っています。それぞれのメリット・デメ… [続きを読む]
All About ProFileさん
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