対象:住宅設計・構造
志田 茂
建築家
5
断熱材を有効に働かせる家
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志田茂建築設計事務所 志田です。
http://s-coco.net/
数字を挙げ、一般の住宅は、こんなにひどく、高気密高断熱の家は こんなにすごい という事を見せられると、誰だって数値のいいほうに行ってしまいます。ハウスメーカーは、そうゆう手法でお客を取り込みます。高気密高断熱に限らず、あらゆる「いい事」を使って。。
高気密高断熱を、あまりに数値的な事ばかりに注目して考える事には、疑問を持ってしまいます。
ただ、せっかく断熱材を入れても効果が高くない事にも、疑問がありました。
ある人から、「断熱材の効果を発揮させるには、断熱材の性能以前に すき間 をなくす事」という話を聞いて、くすぶっていた疑問が解けたように思いました。
すき間をなくす・・・という事は、、、 洋服にたとえると、ぶかぶかの洋服を着ていると空気が通ってスカスカしてしまうけれど、もうすこしぴったりした服ならそれがなくなり、温かくなります。手袋やマフラーをする事も、端部のすきまをなくす事でもあります。ダウンジャケットを着ると、より温かくなりますね。それが高気密高断熱という事です。
ダウンよりセーターが好きとか、綿が好き、といって、着るものを選ぶ事は自由です。それを断熱材と置き換えます。
何をえらんでもいいのですが、1枚、風(空気)を通しにくいもの着ると、温かさは格段に上ります。それが高気密です。
どんな服を着るか・・・
それを家で考えると、断熱と気密だけではなく、仕上げ材も含めての話です。
ハウスメーカーの仕上げ材は、基本的には工業製品です。ビニールクロスやしっかり塗装されたフロリングや、柄をプリントされたものを貼りつけられた建材など・・・。それらを使う事はコスト調整が容易だからです。ただ、それは高気密高断熱とは別の事。高気密という事関係なく、なんとなく密閉された感じを受けます。それらから発せられる臭いに苦しさを感じる人もいますし、心理的に落ち着かない人もいます。
shinpeiさんが「無機質?」と感じたのは、そうゆう事だと思います。ただ、それと高気密高断熱は別の話です。お住まいの地域を考えると、高気密高断熱 は必要な事だと思います。売るための道具としての高気密高断熱ではなく、人が快適に暮らすための高気密高断熱を考える設計者や会社はあります。そゆう人(会社)との出会いを求めてみてはいかがでしょ!
評価・お礼
shinpei さん
2011/03/13 22:42
ご意見ありがとうございます。
内装の仕上げ材でも随分変わるものなのですね。ほとんどの住宅メーカーさんで使用されている資材は、低ホルムアルデヒドのものばかりのようですが、それでも「何か」を感じ取って不快に感じてしまうことがあるのでしょうね。ただし、その感覚の部分をどう設計に反映させていくのかを考えると、相当な労力を要しそうです。
しかし、志田さんのアドバイスのとおり、それを叶えてくれる人(会社)と巡り会えるようにがんばりたいと思います。
この度は、断熱のわかりやすい説明を交え、有意義なアドバイスをいただき誠にありがとうございました。
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この回答の相談
こんにちは。
現在、住宅の新築を検討中の者です。北東北在住です。
先日、ある住宅メーカーの強い進めもあり、モデルハウスへの体験宿泊をしてきました。全国的にそこそこ名の売れている… [続きを読む]
shinpeiさん (秋田県/45歳/男性)
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