対象:企業法務
松野 絵里子
弁護士
2
業務委託なのかどうかもわからない契約ですね
- (
- 5.0
- )
契約は、合意で決まります。
契約書は必要ありません。
貴殿の社長との契約は、業務委託というより、雇用に近かったように思われます。
雇用であったかどうかは、こまごまとした仕事の仕方、指揮命令系統の事情を、お聞きしないとわかりませんが。
業務委託であったとして、契約の期間の定めがなかったようですね。
たとえば1年の契約でまだ半年なのに理由なく解除というのは、損害賠償ということはあるでしょうが、期間の定めはなかったのでしょう。
委任契約では、委任者と受任者は、高度な信頼関係の上に立つとされています。
何かをやってくれと頼むので信頼しないと出来ませんよね。
この信頼関係が損なわれる場合があるので、民法では各当事者はいつでも委任契約を解除することができることとしています(651条1項)。これは、任意解除権といい、通常の解除と異なり遡及効がない「告知」といわれるものです。
通常は契約で有償の定めをしたり解除のルールを作ったりしておきますが、今回はそれがないようなのでこの651条がそのまま適用になるでしょう。
ただいつでも解除されると相手は困るので、当事者の一方にとって不利な時期に委任契約を解除した場合で、そのことにやむを得ない事情があるわけではない場合には損害賠償義務が生じるとされています(651条2項)。
ですから、貴方の解除にきちんと理由があれば、解除してもよいし、損害賠償の責任も無いでしょう。
後継の人がいるのであれば、損害はないといえるかとおもいます。
補足
雇用であった場合には、職業選択の自由があるので、労働法規制・就労規則に従い、貴殿はやめる自由があります。
評価・お礼
limoncello さん
2011/03/10 11:41
本当に色々とありがとうございます。
雇用かどうかの判断は、現時点では難しい、というわけですね。
判断基準などは、どのあたりになるのでしょうか?
任意解除権で解除をすることができる、ということですが、
■貴方の解除にきちんと理由があれば…損害賠償の責任も無い
・理由に体調不良などは含まれるのでしょうか?
・体調不良では「損害を受けたことに対して…」と言われたのですが、
こちらから解除して問題はないのでしょうか?
■後継の人がいるのであれば、損害はないといえるかと…
そのような社長ですので、人が入っても、すぐに逃げてしまいます。
後継の人がいつになるか、分からない可能性が高いです。
(現在のポイント:1pt)
この回答の相談
私(A)はフリー(個人事業主)として、仕事をしています。
仕事上の知人を通じて、社長Bさんを紹介していただき、
私のパートナーとともに、業務委託という形で、仕事を… [続きを読む]
limoncelloさん (北海道/81歳/男性)
このQ&Aの回答
このQ&Aに類似したQ&A