松野 絵里子
弁護士
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夫婦間の契約は取り消せるんですよね
質問者の方のように、夫になにかを改めてほしいと思うことはよくあり、そういうときに何か契約をつくりたいということもよくあるんですよね。
でも、夫婦で婚姻中に築いた財産については夫婦共有の財産とみなされるというのが民法の原則です。ですので、通常は夫婦間でのお金を返しますなどと約束しても、同じお財布の中でお金が移動するわけであまり意味がないのです。
さらに、あまり知られていないのですが、民法第754条という条項があり、夫婦間には契約取消権があるのです。夫婦間で契約をしたときは、その契約は、婚姻中、いつでも夫婦の一方からこれを取り消すことができるというもので、ただし、第三者の権利を害することはできないとされています。これは、夫婦というのは特別な経済共同体を作っていて、そこでは通常の経済活動とは異なる関係があるわけで、そこでは約束を軽率にしたりするわけですから(財産は全部くれてやる!などと軽率にどなると贈与成立だと困るわけですよね!)、特別の取消権がみとめられていて個人をまもっているのです。
というわけで、何かを約束しても取り消されるのであまり意味が無く公正証書にしてもお金をかけるだけの意味があまりありません。強制執行する前に取り消されてしまうことがあるからです。もっとも、すでに破綻していたらこの条項は適用できないと考えられているので別居して破綻している夫婦の間なら取り消せないでしょう。質問されてる方は、そういう状況でもなさそうですね。
そこで、夫婦間で確認する書面みたいなのを作っておいてはどうでしょう?
こういう暴力をふるったことを認めて謝罪するとかそういう事実の確認書でよいと思います。
後に、そういうことがあったかなかったかは、離婚訴訟で争いになりえますので、ここで過去の事実を確認しておくと、うまくいかなくて離婚する場合に、慰謝料請求の根拠の事実を争えなくなります。
協議離婚する場合で訴訟にはならなくても、そういうことが訴訟になったら証拠として出てくることがわかっているわけですので、有利に交渉しやすくなります。
補足
上記をまとめると、夫婦の問題は夫婦である場合には、自主的に解決するしかないことですので、契約というのはあまり意味がありませんということです。契約というのは履行しないときに国家が強制的に約束を守らせることに究極的意味があるからです(つまり国が払えといってくれるということです)。
しかし、離婚になれば夫婦は解体されるので、過去の事実が慰謝料請求のベースになりますので、事実の確認は意味があるのです。よって、事実を確認する書面は作成に意味があると思います。
養育費を払わないといっているという相談をよくうけますが、養育費はある個人が払うと決めて払うものではありません。
年収と子の数・年齢でほぼ決まってくる金額があり、審判という制度がありますので申したてれば、裁判所が一定の額を払うように別居している親に命じることができます。
それを自主的に払うかどうかは別のことではありますが、きちんとお給料をもらっている人なら給料を差押さえて強制的にはらわせることができます。差押さえは勉強すれば自分でもできるでしょうし、仕事があり忙しくて出来ない場合。当事務所でも比較的利用しやすい費用でお手伝いしています。
http://rikon-tj.jp/execution/をご参照下さい。
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この回答の相談
はじめまして
さっそく相談させていただこうと思います
夫は昔から暴力や暴言があり
去年はそれに加えて
身内のこと、お金のこと、女性関係のこと
子育てのこと、価値観などでもめ
離婚を考え、実… [続きを読む]
yuvr1さん (石川県/21歳/女性)
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