対象:ペットの医療・健康
過剰な食欲
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さて、食欲過剰というと、考え方としては次の3つの可能性を考えます。
1. 何らかの病気で、食べているがうまく栄養が取れていない
2. 栄養は採れているが、ホルモンの病気などで過剰な食欲がある。
3. 病気ではなく純粋にほしがっている(わがまま)
1の場合可能性としてよくあるのは、寄生虫(食べても食べても寄生虫に栄養を持っていかれる)、異物(胃の中に異物があり、食べたものを効率よく消化吸収できない)、IBD(ちょっと語弊がありますがアレルギーのようなもの)などが若い子でも起こりうる病気でしょうか。
寄生虫に関しては、かなり回数を繰り返さないと見つけられないことも多いので、繰り返し検査すべきかと思いますが、この原因の場合は、普通食べている割には痩せている(あるいはすごい量を食べているのに適正体重である)などの、食べているカロリーと体の大きさが不一致な場合が多いです(要は痩せ気味ということになります)。
2に関しては食欲の異常なので、実際太っているのに異常に食欲があるということになります。
手術のときに行う血液検査では、通常ホルモンの検査を行うことはないでしょうから、おそらくまだホルモンの検査はされてないのだと思います。
最後の3は要は消去法で、検査の結果1も2もないというときに残った可能性として考えるものです。
やはりまずは便検査を繰り返し、一日に与えているフード量を計り(あるいは病院で計ってもらい)、今与えているフードの袋(カロリーなどが書いてある袋を持って動物病院にいき、主治医の先生にカロリー計算をしてもらって、食べている量が適切か、そしてそれに見合った体重になっているか見てもらう。
そしてそれによって、1,2の検査をすべきかどうかの判断をしてもらう。
1,2の検査の可能性がないということになったら(病気ではないという結論に達したら)、年齢的にはちょっと早い気がするのですが、たとえば医療食の中でも満腹感サポートというような量のわりにカロリーが低く、満腹感を味わえる食事などをチャレンジしてみるのもひとつの手かもしれません。
ただこれはあくまで病気ではないという診断がついてからのものと思いますので、まずは1,2の可能性の有無を主治医の先生に相談するところから始めてみてはいかがでしょう。
補足
補足についてわかる範囲で。
まずホルモン異常ですが、基本的にはこれくらいの若い子で出るのはごくごく稀です。
まだ、寄生虫などが隠れているなどの可能性のほうが、現実的ですが、あくまで可能性の一つとして、というところだと思います。
アレルギー性のものというと、例えば魚肉に対するアレルギーを持っていて、これが成分に入っているフードを食べていると、うまく栄養吸収ができなかったりというものですが、これも基本的には6カ月程度のネコさんではめったにお目にかかるものではありません。
寄生虫に関しては回虫以外にもいろいろな寄生虫があります。
一人のネコさんでいくつかの寄生虫に同時感染していることも多く、回虫の薬で駆虫できない別の寄生虫の可能性なども考える必要があると思います。
先日当院に来ていた子も便検査を8回繰り返してようやく寄生虫が見つかったこともあり、飼い主様が思っているよりも、意外と便検査というのは精度が高くないのです。
たとえ2,3度の検査で異常が見つからなくとも、何らかの症状がある限りは、何度でも便検査は繰り返す必要があると思います。
またフードの量ですが、異常な食欲のこともありますので、一度主治医の先生に相談されたほうがよいのではないでしょうか。
今現在は3kgとしても、本来は何kgがベスト体重なのか、そしてそれを維持(あるいは目指すためには何kcal与えるのが適切なのか、具体的にはどんなフードが良く(カロリーだけではなく年齢に見合った成分かどうかなども)、実際何g与えるのがベストなのか。
便検査ももちろん必要とは思いますし、明らかに異常という話になったらアレルギー検査やホルモン検査、いない異物の検査なども必要かもしれませんが、まずは基本に立ち返って、適切な体重、フード、量の見直しをプロの目で診てもらうというところから始めてみてはいかがでしょう。
評価・お礼
tommy1026 さん
2010/11/26 18:28
非常にわかりやすく適切なアドバイスをありがとうございました。
近々、動物病院に行った際に、便検査、ホルモン検査をした上で、体重や適切なフードの量についてもう一度先生に伺いたいと思います。
ここで質問させていただき、アドバイスを伺ったおかげで安心致しました!
本当にありがとうございましたm(__)m
回答専門家
- 沖田 将人
- ( 富山県 / 獣医 )
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。
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この回答の相談
失礼します。
深刻に悩んでおりますので、もしアドバイス等々ございましたら、教えていただけると助かります。
うちの猫は生後約7ヶ月の雄猫(雑種)です。公園でニャーニャー鳴いてて(おそらく野… [続きを読む]
tommy1026さん (埼玉県/27歳/女性)
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