対象:ペットの医療・健康
ネコさんの安楽死について
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アメリカの動物病院で安楽死を勧められたということなのでしょうが、正直あまりに早い段階での安楽死の勧めで驚いております。
文化の違いというものなのかもしれませんが、私の感覚では現時点での安楽死というのは考え難いお話です。
実際に猫さんの状況を見たわけではありませんので、安楽死すべきでないと、単純にお答えすべきではないとは思いますが、少なくとも自分で食事を食べている子に対しての安楽死の勧めというのは、日本ではあまりないのではと思います。
まだ6歳の猫さんで、左腹部に大きな腫瘍というお話ですが、これは明確な診断名が出ているのでしょうか。
もし、はっきりとした病名、腫瘍は良性なのか悪性なのか、症状に本当に関与しているのか、どれくらいの寿命が期待できるのか、治療の手段は全くないのか、苦痛を伴う病気なのかなど、まず今の病状をはっきりさせることが重要なのではないでしょうか。
もし明確な上記のインフォームドコンセント(特に病名)が受けられてないのなら、一度大学病院などの高度医療施設で(あるいは、それが無理なら近隣で評判の良い別の病院で)、きちんとした診断名を出してもらってはいかがでしょう。
でなければ、のちに、「あの時もっと何かしてあげられたのでは」と、ずっと苦しむことになってしまうのではないでしょうか。
どうしても安静に検査をさせてくれないネコさんの場合は、(麻酔をかけてでの検査というのも一つの手段かと思います。
日ごろ診療をしておりますと、やはり安楽死について相談されることはあります。
人により価値観も異なりますので、何が正解というのは難しいでしょうが、判断に悩む際は人間のご家族に置き換えて考えてみてはとアドバイスしております。
6歳のネコさんですから、人間で言うと40歳くらい(私と同じくらいの年齢)の人が、腹部に腫瘍ができ、食欲にむらがあっても、一応食事ができているとします。
食欲があるから、生きる意志があるという安直な話ではないでしょうが、そのような人が身近にいて、安楽死を進めるか、どうかと考えてみてはいかがでしょう。
ご家族みなさんのそれぞれの価値観もあるとは思いますが、何だかわからないけど助けるのは難しいというあいまいな診断ではなく、やはり明確な診断をしてもらい、考えるのはそこからなのでは、という気がします。
評価・お礼
nekonomammy さん
沖田先生、丁寧なご回答をありがとうございました。心より、感謝申し上げます。
先生の回答を拝読し、もう一度診察を受けてみようと考えています。この子の為に出来る事は限られていますが、最期の時を向かえるまでは、この子と一緒に家族も精一杯の事をして、よく頑張ったね、お疲れさま、ゆっくりお休み、との思いで旅立たせる事が出来るように、家族をなんとか説得したいと思います。
回答専門家
- 沖田 将人
- ( 富山県 / 獣医 )
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。
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この回答の相談
アメリカ在住、6歳メス猫です。タイトルの通りです。今現在は、食欲はあり、水も適宜飲みトイレも定期的に向かいますが、便秘気味。体重の減少で、クシャミをすると腰から下がふらつくようになりました。… [続きを読む]
nekonomammyさん (鹿児島県/39歳/女性)
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