対象:住宅設計・構造
福田 啓次
建築家
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身体に負荷の少ない室内環境づくりが大切です
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yueさん ご家族を思いやるお気持ちよく分かります、大変ですね。
私はアレルギーの子どもさんを持つお母さん方などに医衣食住の専門家が支援のために参加しているNPOの理事もしています。そのNPOでもよく相談を受けますが、その時に気づくのは「良くしたい、何とかしたい」との想いにかられ溢れんばかりの情報を集め、その情報に振り回され混乱して疲れ果てしまっている姿です。yueさんのご質問もいくつもの要素がありますね、少し整理をされたらいかがでしょうか。
▽アレルギー体質の子どもさんのために、使用する建材は自然素材にしたい。
▽高齢者のために、ヒートショックの予防のために高気密高断熱の家にしたい
▽ランニングコストを押さえたい。 ですね。
「自然素材」「高気密高断熱」この2つのキーワードをクリヤーすれば「高齢者・病人に優しい家」に本当になるのか、情報に振り回されていないか、もう一度冷静に考え直されても良いかとおもいます。
私は現在の住宅がもつ最大の問題は「住み手が我が家のつくられ方によるリスクを知らない、知らされていない」ことだと思います。
住まいに「高性能・高機能」を持たせればその分リスクも多くなることを理解してください。
ご自身が回答者への返信コメントで書かれている様に「古い日本家屋」には問題が少なく安心感を実感されていますね、この感覚を大切にして下さい。
ただ冬の寒さだけは「何とかした」のでしょうね。
ご質問を要約すると必要なのは「日本家屋のつくりかた」に加えて「冬対策」のみのように思われます。
これを換気ダクトなどのリスクを持つ「高気密高断熱」で解決するのか、床・壁・天井の放射熱をうまく利用した、室温変化の穏やかな室内環境にして身体への負荷を少なくするのか、この選択になるのではないでしょうか。
いづれにしてもご自身の「感覚」を大切にされた「ものさし」を持ち、この「ものさし」と同じような
「ものさし」を持つ専門家と相談されることが大切です。
補足
冬対策のポイントとして「体感温度」の算定方法を参考にして下さい。
「体感温度=室温+表面温度÷2」つまり人間が温かく(涼しく)感じるのは室温のみでなく、床・壁・天井の室内表面温度を暖かく(涼しく)する必要があることです。日本家屋に用いられている「土」や「木」は暖房熱源により熱を蓄え(蓄熱)その後緩やかに放熱して表面温度を保っていきます。こんな自然の力を利用したいですね。あとは蓄熱機能を充分に発揮させる「熱源=暖房機」を何にするかです。
評価・お礼
yue さん
ご回答ありがとうございました。体感温度についての補足、大変興味深く、ためになりました。暖かい家作りについて、改めて考えるよいきっかけになりました。
福田 啓次
お読み頂きありがとうございました。
家づくりは専門性をもつ多くの検討事項があります。
気持ちよく相談できる良きパートナーを選ぶことがとても大切な事ですね。
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この回答の相談
高齢者3名とアレルギー体質で身体の弱い子供1名が快適に住める家を建てたいと考えています。無垢材の仕様は勿論ですが、壁紙も害のないものをと思っています。しかしながら計7名で住む家はそれなりのサイズに… [続きを読む]
yueさん (茨城県/40歳/女性)
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