地震の大きさを表す単位は色々あります。この複数ある単位のために地震像が返って見え難くなっている様にも思えます。例えば震度階で地震を表現するのが最も直感的でわかり易いのですが、建物の被害と震度階の関係は明確ではありません。
阪神大震災は震度7でした。東日本大震災も震度7です。しかし同じ震度7でも阪神大震災は、建物の構造を問わず、多くの建物が被害を受けました。東日本大震災でも被害を受けましたがその殆どが津波被害で、地震の揺れによる被害はあまり目立ちませんでした。阪神大震災の震度階は、多くの家が倒壊したので震度7にしようと、人が決めていたのですが、阪神大震災以降機械に依存して震度階を発表しています。その人の感覚と機械が示す数値との間が乖離してしまったのです。津波も地震の影響と考えれば、震度7は正しいですが、地震の揺れだけを考えると、被害の状況が違いすぎるので違和感を覚えます。
同じ震度7でも、被害に違いがあったのは、阪神大震災以降建物の強度が向上したわけでなく、雪の重さに耐えられる様に頑丈に造られていた訳でもなく、単に震度階の発表の仕方の変化だと考えています。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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