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日経記事;『ヤマダ電機 針路を探る(上)ネット通販、店舗網活用 即日配送、アマゾンに対抗』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月22日付の日経新聞に、『ヤマダ電機 針路を探る(上)ネット通販、店舗網活用 即日配送、アマゾンに対抗』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『町の電器店から小売業3位の巨大企業に成長した家電量販最大手、ヤマダ電機が転機を迎えている。テレビ不況やインターネット通販専業の台頭などで業界が縮小するなか、住宅など新規事業に次々と参入。

今春には強みの店舗網を活用したネット通販の即日配送を始める。創業40周年、自身は70歳を迎える山田昇会長が描く成長戦略を追う。

「今年はネット企業にはまねできない新たな取り組みを始める」――。1月2日午前9時半。群馬県高崎市の本社と全国の店舗を結んだ年頭のテレビ会議。山田会長が全社員約1万4000人に宣言した。「まずは皆さんが自らネット通販の顧客と直接会い、会話をすることになる」

新サービスは全国約760の店舗をネット通販の拠点とし、従業員が即日、商品を顧客宅に送り届ける。実現に向け、昨年末から新システムの構築を進めている。消費者がネットで商品を注文すると、最寄りの店舗に売上伝票が立つ仕組みだ。

関東で来月から

アマゾンジャパン(東京・目黒)が大規模な物流拠点を活用した全国当日配送サービスを導入したのに対抗。デジタルカメラなど小物商品だけでなく、設置作業の必要な大型家電も手掛ける。

新サービスは2月から関東の一部地域で始め、全国の店舗に順次拡大。年間300億円前後で伸び悩むネット通販事業を1000億円まで伸ばす。

山田会長が強調するのは、配送時に他の家電の使用状況を聞き取り、次の購買につなげること。「現代のネット通販とヤマダの原点である『町の電器屋さん』の手法を融合させる」のが目標だ。

年頭の挨拶で自ら新事業について社員に話した狙いは何か。山田会長は「ネット通販の存在感が高まる中、若い社員の将来への不安を払拭したかった」と明かす。実際、2012年は家電量販業界とヤマダにとって大きな苦難の年だった。

09~11年の家電エコポイント制度と11年7月の地上デジタル放送移行。2つの政策特需による先食いの反動で、12年のテレビ販売台数は600万台前後と、通常の年の6割程度まで激減した。家電販売市場は初めて2年連続で縮小する見込みとなった。

ヤマダの業績も、10年3月期には2兆円を突破した売上高が今期は1兆7000億円となる見通しだ。08年3月期の水準にまで落ち込む。経常利益は639億円と11年3月期の半分になる。

長期的にも少子高齢化や人口減少など、家電量販店に逆風は吹き続ける。この中で販売最大手のヤマダはネット通販の新サービスに加え、さらなる販路拡大を進め、家電販売を上向かせようとしている。

昨年12月、公正取引委員会の認可を受けて開いたベスト電器との提携会見。山田会長は「私たちはシェアにこだわる。そうすることで他社より優位に立てる」と改めて強調した。ベスト買収で国内の店舗数は約200店増える。「シェアは3ポイント程度上昇し、3割に達する」(山田会長)

価格競争有利に

シェア拡大はヤマダの最大の武器の一つ、最安値販売の担保でもある。メーカーへの影響力を高めることで商品調達力を強め、プライベートブランド(PB=自主企画)商品の開発などの選択肢も増やす。

カカクコムなど価格比較サイトの普及で消費者の価格への要求がシビアになっており、直接メーカーと取引できる強みをさらに高める。

「全国チェーンで生き残れるのは上位3位までだ」と話す山田会長。昨年、ヤマダがベストを、ビックカメラがコジマを買収したことで、全国チェーンは5社程度まで集約された。山田会長は次の買収にも意欲を隠さない。再編劇は最終章を迎える。』


日本の小売市場については、何度か本ブログ・コラムで取り上げています。

日本の小売市場は1996年度の約148兆円をピークに緩やかな減少傾向が続いており、ここ数年は135兆円程度の横ばいで推移しています。

これは、リーマンショック後の不景気や少子高齢化、人口減少などの要因で市場規模が縮小傾向になっていることによります。

家電量販店の場合、記事にありますように、2009~2011年の家電エコポイント制度と2011年7月の地上デジタル放送移行という大きなイベントがありました。

それらのイベント終了後、需要の先食いとなった結果、大きな反動を受けて販売実績の低下に直面しています。

加えて、楽天やアマゾンを中心とするネット通販事業者の積極攻勢によって、顧客を奪われています。

小売市場全体の売上は、横ばいか縮小傾向にありますが、ネット通販売上は毎年二桁成長を続けています。

ネット通販は、価格の安さと利便性が支持されて売上を伸ばしています。この傾向は、しばらくの間続くとみます。

スマホやタブレット型端末機器の売上が急速に伸びています。特に、最近、アマゾン、楽天、グーグルなどから1万円強のタブレット型端末機器が販売され、販売数量が急増しています。

スマホやタブレット型端末機器は、ネット通販を行なうときの出口になります。販売数量の大幅な伸びは、当該出口の普及率増加を意味します。

多くの顧客がスマホやタブレット型端末機器を使ってネット通販を行なうようになると、その購買行動は、小売業者に大きな影響を与えます。

ネット通販を含めたネット活用の先進国である米国は、日本の数年先の姿を映し出しています。2012年度末のクリスマス商戦では、アマゾンなどのネット通販売上が実店舗の売上を上回りました。

米国の顧客は、実店舗よりネット通販から購入する行動パターンに移りつつあります。

日本でも、顧客によるネット通販活用頻度の増加がより一層顕著になっていくとみています。楽天やアマゾンなどのネット通販専業事業者は、商機とみて一層の積極策で事業展開しています。

ネット通販専業事業者が強化するのは、Webサイトの使いやすさと、高効率の物流体制です。両方とも、ネット通販専業事業者の強みを最大化するポイントになります。

さらに、ヤフーなど他のネット関連事業者もネット通販事業の強化・拡大を行ないつつあり、今後はネット通販専業事業者間での勝ち残り競争が激化します。

現在、国内市場では、楽天が1兆円を超す売上を確保していきます。業界第2位のアマゾンなどのネット通販は、約7,000億円で、楽天を激しく追い上げています。

ネット通販業界は、この2強を中心に動いていきます。

ヤマダ電機の山田会長は、最終競合相手をアマゾンと定めています。家電量販店の場合、ベスト3以内にいないと、勝ち残れないと認識しており、これがベスト電器を買収したり、取扱商品を住宅関連や自動車などに広げている理由になります。

ローソンの新浪剛史社長も同じように認識しており、「客層を広げるためには自社競合も恐れない。敵はずばりアマゾンだ」と言っています。

アマゾンは、自社のWebサイトの強化・充実と、高効率の物流体制構築への投資を惜しまない企業です。短期的な利益よりも、自社の経営インフラの強化を優先する企業であり、ネット通販市場を制覇する目標を持っています。

山田会長や新浪社長の対アマゾンライバル視は、極めて当然のことです。

ヤマダ電機だけでなく、ヨドバシカメラも今後ネット通販事業を強化していきまので、大手量販店同士の競争もより一層激化していきます。

残存者利益を確保するには、上記しましたように上位3以内にいることが最低条件になるためです。その先には、アマゾンや楽天などのネット通販専業事業者との競争もあります。

コンビニ業界も市場規模が横ばい状態になっており、同じ状況です。ローソンは、宅配事業者と組んでネット通販事業の強化に動いています。セブンイレブンも同じ動きをしています。


一方、メーカーや農水産品業者からみますと、ネット通販事業の拡大は、直販、顧客に販売できる仕組みが整うことを意味しています。

家電メーカーの場合、国内市場での価格決定権を量販店に取られて、収益を上げられない状況に陥りました。

自社のWebサイトやアマゾン、楽天などのネット通販専業事業者を経由して顧客に直販できれば、価格決定力を強化して、一定の収益も確保できるようになります。

従って、メーカーや農水産品業者は、ネット通販の有効活用が今後の事業拡大のポイントの一つになります。

当然、ブランド構築・強化を含めた宣伝広告もネット活用が中心になります。私の支援先企業の中には、ネットを有効活用して、国内市場だけでなく、海外市場開拓を行なっているところもあります。

小売業界の動きをみながら、ネット活用を考え、実行する姿勢がメーカーや農水産品業者にとってより重要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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