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日経記事;『社説 労働人口減が問う中国の成長エンジン』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月20日付の日経新聞に、『社説 労働人口減が問う中国の成長エンジン』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『中国の国家統計局は、2012年の国内総生産(GDP)が物価の動きを考慮した実質で前年に比べ7.8%増えたと発表した。成長率が8%を割り込んだのは、アジア通貨危機の影響が色濃かった1999年以来、13年ぶりだ。

足元では景気が回復する兆しも見える。12年10~12月期の成長率は8四半期ぶりに、前の四半期に比べ上昇した。ただ、2ケタ成長が当たり前だった2000年から07年までのような勢いは、もはや期待できないようだ。

一つには、労働人口(15歳以上60歳未満)がついに減り始めたことがある。12年1年間で345万人減った。馬建堂・統計局長は2年ほど前、労働人口が13年までに減少に転じるとの見通しを示していた。想定の範囲内とはいえ、比較的早く転機が来たといえる。

中国経済の高成長を引っ張ってきた最大の原動力の一つは、豊富で比較的低賃金の労働力だった。馬局長によれば労働人口の減少は「少なくとも30年ごろまで」は続く見通し。いわば最強の成長エンジンが、当分の間は弱まり続けるとみなければならない。

高成長を引っ張ってきたもう一つの重要なエンジンである投資にしても、過度の期待はできない。過剰設備の問題が深刻なうえ、国民の反発が強い不動産バブルの再燃を招くおそれがあるからだ。

中国経済は新たな成長エンジンを必要としている。すでに共産党政権は技術革新や新産業の育成といった方針を打ち出し、なかでも個人消費の拡大を重視している。そして個人消費の振興には、成長の果実が低所得層にも行き渡るような改革が欠かせまい。

馬局長はGDPの発表にあわせて、中国の貧富の格差がかなり深刻なことを裏付けるデータも明らかにした。格差を是正して、高まる一方の社会的な緊張を和らげるためにも、低所得層の収入を増やす必要がある。

胡錦濤国家主席が率いていた前指導部はかねて、賃金制度や税制など包括的に所得分配のあり方を見直す改革案を検討してきた。遅くとも12年中には改革案を発表したい意向とも伝えられていた。

しかし、具体的な成果を出せないまま、前指導部は昨年11月の共産党大会で第一線を退き、新年を迎えた。習近平・共産党総書記が率いる新指導部は、前指導部から持ち越された「宿題」に断固として取り組まなければならない。』


中国の人口は、上記記事にありますように2013年ころから減り始めると言われてきました。本日の記事は、中国政府が公式に人口減少を認めたことを示しています。

本日の記事では、労働人口(15歳以上60歳未満)が2012年1年間で345万人減ったと具体的な数字で統計局長が述べています。

中国政府が発表した統計情報は、ときどき事実と異なるものがあるので、そのまま信じて良いかどうか検証することが必要な場合があります。

今回、発表された情報を信じるとすると、労働人口減少が2012年から年間345万人減少し始めたことになります。これは、中国政府が人口抑制のため行なってきた「一人っ子政策」によるものです。

この労働人口減少は、以下の二つの問題を引き起こします。

1.労働人口減少により、労働力が当然のごとく少なくなりますので、多数の労働力を必要とする製造業などの事業維持や展開が困難になります。

2.労働人口は、その国の中で、最も消費する層であり、その規模が国の消費者市場の大きさを決めます。従って、労働人口減少は消費者市場の縮小を意味します。

加えて、中国政府は、現在国民間の所得格差解消のため、法律によって毎年二桁の率で労働賃金を上げることを企業に義務付けています。

また、国内経済活性化のためにも、国民の所得向上は不可欠であり、労働賃金上昇の圧力は増え続きます。

さらに、中国の労働者の権利意識も高まっており、賃金だけでなく各種労働条件の待遇改善要求も増えています。

待遇改善要求が話し合いで行なわれれば良いのですが、ときどき大規模な労働争議になることがあります。

従って、何度か本ブログ・コラムで書きましたように、繊維産業のように多くの労働力を安い賃金で必要とする企業は、中国からベトナム、バングラデシュ、ミャンマーなどの東南アジアに生産拠点を移管し始めています。

反日教育や領土問題などで、労働争議は日本企業では他の海外企業に比べてより起こりやすい状況もあります。

繊維産業ほどでなくても、労働力の減少と、労働賃金の高騰は、世界の工場としての中国の位置づけを根本から変えることになります。

最近、中国への進出相談件数は減りましたが、ときどきあります。相談を受けたとき、進出目的を確認して回答しています。

中国の国内市場向けの事業の場合、当該企業が差別化・差異化可能な商品・サービスを持っており、市場にニーズがあるならば、販路開拓可能の条件を付けて前に進むやり方をアドバイスしています。

進出目的が中国で作った商品の他国への再輸出である場合、上記労働環境などを説明して判断してもらうようにしています。

安い労働賃金目的の中国進出は、避けることが賢明です。一旦、中国に進出すると撤退するときに大きな負担と時間を要します。

現時点で中国進出を考えている企業は、JETROなどへの相談も含めて十分な情報収集と、事前準備を進めて、しっかりとした事業計画を作ることをお勧めします。

中国国内市場向けの販売拠点づくり関しても、現地に実店舗を作る選択肢だけでなく、より身軽に販売できるネット通販の活用も推薦しています。

インターネットは、通販だけでなく自社商品・サービスの広告宣伝も、積極的なコンテンツ作成と更新で可能になります。

中国内でのネット使用者は、現在4億人近くになり、スマホやタブレット型端末機器の高速普及でさらに増加していきます。

中国市場を考えるとき、インターネット活用は必要となります。

さて、私は、海外進出や投資を行なうことが初めての中小企業から相談を受けるとき、進出目的、期待する成果、やり方、扱い商品・サービスの差別化・差異化可能性、対象顧客、競合他社・商品、数年後の見通しなどを勘案・検討してアドバイスしています。

進出を決める場合、最終的には、しっかりとした事業計画を作り、行動計画を明らかにします。なお、数年後の見通しで重要なことは、進出先の労働賃金や労働環境などに対する予測です。

進出目的が当初安い労働賃金であっても、数年後には賃金が上がり、労働集約型の事業継続が難しくなることがありますので、その場合の対処方法も事業計画に組み入れることが重要であり必要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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