日経記事;『正念場の中小製造業(下)新興国の勢い取り込む 「個の限界」突破へ連携』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『正念場の中小製造業(下)新興国の勢い取り込む 「個の限界」突破へ連携』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月19日付の日経新聞に、『正念場の中小製造業(下)新興国の勢い取り込む 「個の限界」突破へ連携』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『 スマートフォン(スマホ)などに使う精巧な部品を効率的に削り出すには、工作機械の刃先の位置決めがカギになる。そのセンサーを製造するメトロール(東京都立川市)の2013年1月期の売上高は過去最高の15億円(前期比1割増)になる見込みだ。

EMSと直取引

「日本で生き残れている中小企業なら一芸を持っている。情報発信すればチャンスはある」(松橋卓司社長)。同社の場合、中国語のホームページという新市場開拓に向けた小さな一歩が、飛躍の契機になった。

08年に開設し、検索サイトで上位になるよう工夫。工作機械会社から引き合いが増え、2年前には大手EMS(電子機器の受託製造サービス)との直取引が始まった。スマホのモデルチェンジ時に1個2万~3万円のセンサーが数千個単位で売れたこともある。売り上げの半分は海外で稼ぐ。

日本政策金融公庫が海外進出を進める中小企業に融資する「海外展開資金」の11年度の利用額は396億円と10年度の3倍以上に増えた。中小企業の動向に詳しい山口義行・立教大学教授は「新興国の購買力が高まり、活躍の余地が広がっている」と指摘する。

特殊油圧シリンダーを製造する南武(東京・大田)は昨年5月、タイの工場を移転・拡張し、将来は生産能力を年間約8千本に倍増する。日本国内と同じように顧客の細かい注文に応じた製品を供給できるようにし、日系自動車メーカーの部品の現地調達比率引き上げの動きをとらえた。

タイや中国の現地法人からの配当などで12年9月期は単体で前期比1割の増収。国内の雇用維持や研究開発費の確保など「海外進出が国内も生かす、好循環を生みだしている」(野村和史会長)。新興国の成長力を取り込むことは国内のものづくりを守る糧にもなる。

12社で1工場

得意技術はあっても資金力の乏しさや事業領域の狭さが成長の壁になっている中小企業が連携して「個の限界」を破ろうとする例も増えてきた。

富士プレス(愛知県大府市)など自動車部品加工12社が共同出資で08年に中国・江蘇省に設立した衆智達汽車部件。プレス加工、めっき処理、切削などを1カ所でこなす。

従来は複数の工場を回って仕上げられていた部品を完成品として提供できる。顧客は個々に発注する手間が省け、コストも削減できる。

産業革新機構の出資も受け、2月に近隣にめっき処理の新工場を稼働させる。現在9割超がデンソー向けの仕事だが、中国に進出する欧米の部品会社などの開拓も本格化する。年内にもメキシコに進出する計画もある。

ゼネラルプロダクション(京都府精華町)は中小企業の受注の「元請け」役を果たす。同社が営業して機械部品などを受注し、実際の製造は近畿圏などの約150社から鋳造、熱処理など必要な技術を持つ企業をそれぞれ選んで委託する。

現在、米国企業から受注した海水淡水化装置用の小型ポンプとモーターを試作中で、6月にも量産にこぎ着けられる見通しだ。

中小企業庁が発注元企業に下請け企業への期待を聞いた調査(11年度)では、72.5%が「コスト削減への対応力」をあげたが00年度時点より8.1ポイント下がった。一方「提案力」は15.9%と逆に8.1ポイント上昇した。

取引先に従順なだけでなく、自ら考え動く企業が商機をつかめる。技術力では世界で定評がある日本の中小製造業。プラスアルファの努力が求められている。』


昨日のブログ・コラムで書きましたように、年末からの円安状況下で、中小製造業の足元にも多少の明るさが見えるようになりました。

通常、製造業の景気回復は、大手⇒中堅⇒中小と下りてきますので、中小製造業が円安の恩恵を得るまでには時間を要します。

これは、多くの中小製造業が中堅や大手の下請けになっていることによります。大手や中堅が顧客から受注し、在庫がなくなった後に、中小に発注することで時間差が生まれるためです。

本日の記事は、中小製造業が直接最終顧客に売ることについて書いています。

私は、過去数年間の中小製造業の経営支援を通じて、中小は中堅や大手からの発注へ過度に依存すると、突然に発注が止まった時に、事業継続が困難になる状況を見てきました。

また、中小から経営支援の依頼を受けた理由の多くが、既存取引先からの発注停止で売上確保ができなくなったことでした。

従いまして、支援依頼内容は、販路開拓や新規事業立ち上げが中心になります。

販路開拓や新規事業立ち上げの検討前に、必ず行なうことがあります。それは、支援先企業の事業内容の棚卸しです。

どの企業もここまで事業継続ができてきたのは、何らかの強みを持っていることによります。往々にして、私に支援依頼する企業は、自社の強みを見失っていることが多くあります。

そこで、一度立ち止まって自社の状況や事業内容を見直して、強み・弱みを見つけ出します。ここで重要なことは、強みを最大化することです。

当面の逆境下の状況を打破するには、強みを最大化することが有効な方法となります。徹底的に他社と差別化・差異化するものを明確化すると、商品・サービスの展開方法が見えてきます。

その後に、その差別化・差異化可能な商品・サービスを売る市場・顧客の有無を調べます。この両者がマッチングした領域が、その企業が本格的に事業展開するところになります。

海外市場への販路については、中小は現在、さまざまな選択肢があります。専門商社、輸入代理店、現地の特約店(ディーラー)などの既存流通業者や、インターネット通販があります。

これらの販路の中で、重要視しているのがインターネットの活用です。ネット通販を使えば、既存流通業者を通さずに、顧客に直販できるため、利益の確保・拡大が図れます。最終顧客の需要や動向を直販肌で感じることができるメリットがあります。

既存流通業者と提携しながら事業しつつ、並行してネット通販を活用していく積極策が重要です。

また、中小にとって、もう一つ重要なものがあります。自社や扱い商品・サービスの知名度アップやブランド構築です。

海外市場では、多くの中小は知られていません。お金をかけずに、自社や扱い商品・サービスの知名度アップやブランド構築を図るのに最適なツールが、インターネットの活用です。

ネット上では、潜在顧客が多くの関心や興味を持って、情報収集と検索行為を行なっています。自社商品・サービスを、ネット上で見つけてもらえれば、購入につながる可能性が高くなります。

記事にありますように、メトロールは、自社のWebサイトを中国語で発信するようにし、検索行為で上位表示になるように工夫して、中国顧客からの発注を増やしている事例があります。

私の支援先の中には、もう一歩進んでネット通販を自前で行なって東南アジアの国ぐに売っている企業もあります。

この企業は、英語版のWebサイトを作って、コンテンツを適時更新し、見やすくなるように改善を常に行なっています。

顧客からの英語による問い合わせに対しても、電子メールや電話で適切に対応できるようにしています。

このことが、顧客から信頼され、東南アジア向け事業を拡大しています。

ネット通販を行なわなくても、メトロールのようにネットを使った情報発信は重要です。自社のWebサイト上で英語もしくは、現地語で見やすい構成と的確なコンテンツの発信を続けることが成功のカギになります。


もう一つ、中小が海外市場開拓で有効な方法があります。記事の事例のように他社との連携で動くことです。

他社との連携で顧客からのさまざまな要望に応じられるようになり、要望解決が受注拡大につながります。

この連携成功のポイントの一つは、継続性です。連携する企業数が多くなると、利害対立が起こりやすくなり、継続することが難しくなるケースがあります。

事業が拡大している時期は良いのですが、壁にぶつかった時に、利害対立が発生しやすくなります。

この問題を防ぐには、連携の核となる企業の役割が重要です。私が連携支援をする時には、まず中核企業の役割やリーダーシップ能力をみるようにしています。

中核企業がしっかりしていれば、多少の壁があっても連携は継続できます。

いずれにせよ、多くの中小企業は、東南アジアを中心とした海外市場に目を向けて、ネットを最大限有効しながら、知名度アップやブランド構築をしながら新規市場開拓や販路開拓を行なうことが重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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