日経記事;『(東南アジアの力)財政健全化、急速に進む 海外マネーの呼び水に』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『(東南アジアの力)財政健全化、急速に進む 海外マネーの呼び水に』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月17日付の日経新聞に、『(東南アジアの力)財政健全化、急速に進む 海外マネーの呼び水に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東南アジア諸国で、財政健全化が進んでいる。急速な経済成長で税収が増えていることに加え、各国政府がアジア通貨危機を教訓に対外債務を減らしているためだ。

国際通貨基金(IMF)によると、インドネシアの国内総生産(GDP)に対する政府債務の比率は2002年に68%だったが、11年には24%まで改善した。GDPが急拡大したことが主因で、17年には18%まで低下する見通しだ。

政治の混迷や経済の停滞が続き、一時は「アジアの病人」と呼ばれたフィリピンも、徴税強化などに伴い財務体質は改善傾向にある。同比率は02年の63%から11年には42%まで低下した。タイも同期間に55%から42%まで減った。

こうした財政健全化を背景に、格付け会社は相次いで国債の格付けを引き上げている。米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは昨年1月、インドネシアの格付けをアジア通貨危機以来初めて投資適格に引き上げた。マレーシアやタイは既にイタリアやスペインよりも高い。フィリピンは昨年、投資適格の一歩手前まで上がった。

財政の安定は海外の投資マネーの呼び水になっている。日本から東南アジア諸国連合(ASEAN)への直接投資額は、11年が1.5兆円と前年の2.4倍。直接投資の増加で税収がさらに増え、財政健全化につながる好循環が生まれている。』


上記記事にあります米ムーディーズ・インベスターズ・サービスの格付けは、以下のようになります。

A:マレーシア
Baa;タイ
   イタリア
     インドネシア・スペイン
Ba;フィリピン
B;ベトナム

Baa以上が投資適格とされます。

現在の東南アジアで優等生の国は、マレーシアとタイです。両国とも、すでに多くの国内企業が投資し、産業集積が電機製品や自動車製品などを中心に進んでいます。

両国以外に注目されるのは、インドネシアとフィリピンです。インドネシアは、もともと人口も多く国力を持っていた国でしたが、政情不安がたびたび起こったした結果、国内企業を含む海外からの投資が滞った状況がしばらく続きました。

2004年4月に、インドネシア初の直接選挙で選ばれた第6代ユドヨノ大統領が政権を取って以降、政情が安定化しており、経済成長が続いてきています。

インドネシアでは、最近、労働賃金や労働環境改善の要求が強まっていますが、今後とも海外からの投資は続くとみます。

2億3千万人以上の人口を持ち、若年層を中心に人口増加が続いていることから、消費者市場としての魅力もあります。

但し、インドネシアは、アパレルのような労働集約型の産業進出は難しくなりつつあり、ベトナム、バングラデシュ、ミャンマーなどの低労働賃金国が当該産業進出先の中心になります。

フィリピンは、記事にありますように、長期的経済発展から取り残された国でありました。この国の若者は、国内で仕事がないため、中近東や他の東南アジアの国、米国などに出稼ぎに出る必要がありました。

最近統計情報によると、フィリピンの国家統計調整委員会(NSCB)は、2012年第3四半期の実質GDP成長率を前年同期比7.1%と発表しました。2012年の9カ月間(1~9月)のGDP成長率は6.5%(前年同期比2.6ポイント増)となり、経済成長期に入っています。

フィリピンもインドネシアと同じように、現アキノ大統領就任後、政情が安定したことが経済成長の要因の一つになっています。

フィリピンは、まだ、タイやインドネシアのように投資適格の格付けになっていませんが、多くの企業が東南アジアでの事業展開を強化しているため、域内貿易や経済が活性化することで、更なる発展が期待できます。

現時点で、上記にリストアップされた国の中で、最も低いベトナムも同じことが言えます。

現在の政府は、東南アジア重視を打ち出して、活発な外交や経済支援策を実行しようとしています。

国内市場の短期的な拡大が期待できない状況では、東南アジアの経済成長を取り込んで、共に「Win/Win」で成長していく姿勢で事業拡大することが重要です。

東南アジアの優等生は、タイです。タイがここまで発展してきたのは、日本との友好的な関係をベースに、国内企業が長い年月をかけて投資し、事業展開してきたためです。

タイは、多少の政治不安の時期はありましたが、基本的には安定した政権が続いてきたことが国内企業の継続投資につながりました。

1月17日付の日経新聞に、『タイ、先端産業誘致狙う 高度化進展へ戦略転換 税制優遇絞り込み 地域別区分を廃止』のタイトルで記事が掲載されました。

記事によると、タイが投資誘致戦略を転換します。持続的な経済成長に必要な業種を絞り込み、税制恩典を与える対象を現在の243業種から約130業種に減らすとのこと。産業高度化を進めることで、賃金上昇で国際競争力を失うリスクを避けるためです。

重要な分野として自動車や電機、社会インフラ、医療、環境、代替エネルギーなど10グループを示したとされます。

今後、国内企業が新規投資を行なう場合、この重要分野以外では、税制優遇を受けられない可能性もあります。

国内企業の対タイ投資方針は影響を受けますが、現状では、失業率が0.4%で、労働賃金が高騰しており、タイ政府の方針は合理的とみます。

国内企業は、タイがここまで産業集積が進み、今後、新成長分野で共に発展できる段階にきたと理解すべきです。

他の東南アジアの国ぐには、タイの発展と国内企業の継続的な貢献をみています。国内企業は、この事業環境を最大限有効活用して、自社の現状や今後の見通しで進出・投資先を選ぶことが重要です。

各国には、未整備な法体系、社会インフラ、電力不足などの課題もありますので、冷静に事前準備・調査を行なって、事業計画を作成してから決断・実行するやり方がポイントになります。

少なくとも、私の支援企業はこのやり方で東南アジア進出を可能にしました。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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