日経記事;『富士重、13年夏にも初のHV 国内シェア拡大狙う』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『富士重、13年夏にも初のHV 国内シェア拡大狙う』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月14日付の日経新聞に、『富士重、13年夏にも初のHV 国内シェア拡大狙う』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『 富士重工業は今夏にも、同社初のハイブリッド車(HV)を発売する。水平対向エンジンに独自のモーターシステムを組み合わせ燃費性能と走行性能を両立させる。現在ガソリン車に限られる国内での商品ラインアップを充実させ、HV人気が高い日本市場でのシェア拡大につなげる。将来は主力の北米市場でも発売する計画だ。

HVは主力車「インプレッサ」をベースとした排気量2000cc程度の四輪駆動車となる見通し。現在国内で主流のHVはトヨタ自動車の「プリウス」や「アクア」など2000ccを下回るクルマが中心。富士重は比較的排気量が大きく、走行性能の高い水平対向エンジンの強みを生かせる小型SUV(多目的スポーツ車)などを製品化して差異化を図る。

HVのモーターシステムは資本提携先のトヨタの技術も生かして独自開発する。価格はガソリン車タイプのインプレッサより割高になるとみられる。富士重は現在「レガシィ」やインプレッサなど、国内で販売する主力車はすべてガソリン車。HVはこれまで、モーターショーなどでのコンセプトカー出展にとどまっていた。』

本日の記事は、国内および米国市場で自動車の販売台数を伸ばしているる富士重工業が、国内市場で拡大が続いているHV対応車の販売を開始することについて書いています。

富士重の自動車を好むユーザーは、車にこだわりを持っている人たちが多いことが特徴になっています。昔の言葉で言いますと、走り屋です。

富士重は、一時期販売台数が落ち込み、経営が悪化したため、トヨタの支援を受けました。富士重は、大枠ではトヨタグループに属していますが、経営や開発技術は独自性を出しています。

今回の記事では、富士重のHVは排気量2000㏄程度の四駆とされています。この排気量は、トヨタのプリウスやアクアより大きく、小型SUVに搭載して商品化するとのことであり、新分野を開拓することになります。

プリウスやアクアとは、異なる車種になりますので、直接競合しません。

国内市場では、燃費性能の高さが受けて、HVの需要が伸びており、2012年度の新車販売台数では、HVが2割を占めました。

単独車種の販売では、プリウスがトップを占め、前年比25.8%増の31万7675台であり、2010年の31万5669台を上回り、過去最高となりました。

アクアも低販売価格HVの良さが認められており、毎月販売台数を伸ばしています。2013年度はプリウスを抜く可能性が高くなっています。

このほか、ホンダのHVも販売台数を伸ばしており、日産自動車もHVの車種を強化する計画を持っています。

そこに富士重のHVが加わりますので、2013年度のHV販売台数がさらに伸びて、販売比率も3割を超える可能性もあります。

国内自動車メーカーによるHVの車種の増加や販売数量の拡大は、HVのさらなる技術やノウハウの進化と、量産効果によるコストダウン効果を生みます。

HVに適したガソリンエンジン、モーター、蓄電池などの基幹部品の技術進化を加速します。

HVは、環境対応と高い燃費性能を実現できる現実的な車です。EVなどの普及にもよりますが、HVは当分の間、環境対応車の主流になります。今後、日本だけでなく、欧米や新興国市場での販売数量の拡大が期待できます。

海外市場の拡大の視点からは、米国市場でのHV需要拡大がポイントになります。現在の米国市場では、HVの新車販売比率は、3%であり、国内市場と比べると低い普及状況になります。

各種調査結果をみますと、HVの需要が伸びていない理由の一つに、販売価格の割高感があります。
国内自動車メーカーがHVの量産効果によるコストダウンで低価格化を実現できますと、米国市場での需要拡大が見込まれます。

例えば、フォードモーターは、2012年9月、C-MAXハイブリッドを米国市場へ投入しました。同車の初期受注が、米国市場でこれまで発売されたどのハイブリッド車よりも好調だったとのこと。

フォードによると、C-MAXハイブリッドの2012年10‐11月米国販売台数は、8030台。この台数は2006年5‐6月、米国市場でトヨタ『カムリハイブリッド』が打ち立てた7300台を上回り、米国歴代ハイブリッドで最高の立ち上がりだとされます。

また2000年、米国で最初のハイブリッド車として、初代ホンダ『インサイト』と初代トヨタ『プリウス』が発売された。フォードC-MAXハイブリッドの8030台は、当時のインサイトとプリウスの2か月の合計販売台数と比較して、3倍の売れ行きを示しているとのこと。

C-MAXハイブリッドは、2.0リットル直列4気筒ガソリンエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。二次電池は、リチウムイオンバッテリー。米国EPA(環境保護局)燃費が、市街地、高速ともに47マイル/ガロン(約20km/リットル)。

C-MAXハイブリッドの米国販売価格は、2万5995ドル(1ドル85円換算で約220万円)。コストパーフォーマンスの良さが評価されて売れているとのこと。

国内勢だけでなく、フォードなどの米国自動車メーカーがHVの積極的な新車投入を行なうことは、市場活性化の観点から好ましいことです。国内自動車メーカーの一人勝ちは、摩擦などの不毛な問題を起こすからです。

また、米国市場でのHV需要喚起のために、大きな需要があるSUVをラインナップに組み入れる必要があります。

この観点からみますと、富士重のHVはSUVであり、米国市場で一定のHV需要を発掘する可能性があります。

欧州や新興国市場開拓のためには、ラインナップの増加と低価格化を推し進める必要があります。国内市場で培ったHV技術を発展させて早期に当該市場を開拓することを期待します。

国内自動車メーカーのHVに関連する動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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