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日経記事;『会社研究;経営者が選んだ注目銘柄(6) トヨタ自動車 復活の焦点、資産効率へ』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月12日付の日経新聞に、『会社研究;経営者が選んだ注目銘柄(6) トヨタ自動車 復活の焦点、資産効率へ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『 「トヨタ自動車の『ReBORN』(再生)の象徴になる」。昨年末発売した新型「クラウン」に豊田章男社長が胸を張る。

フロントデザインを攻撃的なイメージに刷新。高級車では異例のピンク色もラインアップに加えた。小型化でハイブリッド車(HV)は2割値下げ。「いつかはクラウン」の殻を破り、顧客の年齢層を広げる。

1兆円回復の次

60年ものロングセラーを大胆に変えたトヨタ。呼応するように、同社を取り巻く経営環境は様変わりしつつある。

尖閣問題による昨秋からの中国販売の失速はタイでシェア4割、インドネシアで4割という、トヨタの東南アジアでの強さに光を当てた。インフラ整備などに時間がかかり、遅れ気味の電気自動車(EV)の普及は、先行したHVで引き続きエコカーの主導権を握ることにつながる。

そこに円安の追い風が吹く。国内生産比率が4割と高く円高に苦しんだトヨタは、円安になると逆にプラス効果が大きく出る。今の為替水準が続けば2014年3月期に単純計算で2千億円以上の増益要因。

韓国ウォンやユーロの水準訂正もあり、近年、円高対応で値上げを余儀なくされた主戦場の米国では価格競争力が高まる。

目標としてきた連結営業利益1兆円は今期、達成がほぼ確実。5年ぶりの単独営業黒字も射程に入った。

今年の課題はその「次」をどう描くかに移る。株式市場の予想(QUICKコンセンサス)では、来期の連結営業利益は1兆5千億円程度まで戻る。しかし、トヨタ自身には「復活」の意識はみじんもない。

カギは総資産利益率(ROA)にある。金融危機直前の08年3月期まで5%強で推移したROAはその後急低下し、前期は約1%。総資産を横ばいと仮定しても今期で2%台、来期もまだ3%台(利益は市場予想)だ。過去の拡大投資が尾を引き、資産と収益のバランスを回復できていない。

トヨタ社内には2兆円の利益を達成し“最強”と呼ばれた往時について「工場増設で量を追い、その後の金融危機に対応できなかった。もはや成功体験とは言えない」(幹部)という声がある。

目指すのは、環境が変化しても利益を確実に確保できる体質への転換。核になるのがクルマ作りの根本的な見直しだ。

原則として来期からの3年間、工場を新設せず、既存工場の増強投資を優先する方針を固めたのはその象徴。既存の資産を効率的に活用することで、固定費の増加を抑える。

「国内生産300万台死守」の方針を掲げ人件費を減らしにくい中、部品の共通化による原価低減にも踏み込む。

生産する約5割の車を3つの車台に集約し、マフラーやラジエーターなど部品の種類も大幅に減らす。部品の開発費や材料費のコストを3割程度下げる効果があるとみられる。

「カローラ」HV

販売面ではHVの強みを最大限生かす。重点課題は需要が減退する国内だ。今年は「カローラ」にも初めてHVを投入。「売れにくくなった伝統車が復活できるか。挑戦だ」と幹部は語気を強める。国内販売が維持できれば、新興国や米国などの販売の伸びで、売上高を上積みできる。

昨年の衆院解散以降、トヨタの株価は約3割上昇。1割強上げた独フォルクスワーゲン、ほぼ横ばいの韓国・現代自動車と比べ勢いが際立つ。だが今の株価は円安になれば上がり円高なら下がる為替次第の面が残る。

当面は、金融危機前とほぼ同じ現在の総資産規模(約30兆円)を膨らませず、持続的な利益成長に道筋をつけられるかが焦点になる。地力の進化が見えれば、株価が4年に及ぶ3千~4千円前後のボックス圏を抜け出る可能性も強まってくる。』


トヨタをはじめとする国内自動車メーカーの事業環境は、ここ数年間厳しいものがありました。

特に、2011年の大震災や原発事故などで、関連企業を含めた工場の稼働停止、或いは基幹工場があるタイでの大規模な洪水によるサプライチェーンの停止、2012年の中国との摩擦による日本商品の不買運動など、追い打ちをかけた状況になっていました。

さらに、異常な円高や原発不稼働による電気料金の値上げなど、国内の事業環境も悪化度合いが高まっていました。

この環境下で、各自動車メーカーは、コストダウンや東南アジア、米国での販売拡大を努力して行なってきました。

国内自動車メーカーにとって幸運だったのは、東南アジアでの自動車需要の拡大傾向があることと米国市場の復活でした。

国内自動車メーカーは、両市場で高いシェアを持っており、環境対応技術に対して消費者から信頼されています。

国内自動車メーカーは、この強みを生かして、確実に売上確保を行なえました。

衆議院選挙の前後から、円安になっており、現在対US$では、87円くらいであり、最も高かった75円と比べると、10円以上安くなっています。

為替レートの予想は、簡単に出来ませんが、90円弱くらいの水準で安定化してくれると、国内自動車メーカーの輸出採算は改善し、収益確保・拡大が可能になります。

本日の記事によると、トヨタは既存工場や設備の有効活用や生産効率の向上などで生産台数の拡大に対応する考えです。

工場や設備などの固定資産を単純に増やさずに、既存設備の改善・改良で生産台数の拡大を実現する施策を取るやり方になります。

また、記事によると、マフラーやラジエーターなどの部品の共通化による原価低減を進めるとのこと。

このやり方をいち早く取り入れた自動車メーカーの一つが、独フォルクスワーゲンです。フォルクスワーゲンは、中国などの新興国市場を開拓するために、現地仕様に合った機能・性能・価格の自動車を消費市場に近いところで生産するやり方を取り入れました。

さらに、部品を共通化して製造コストを下げて、廉価版の自動車から確実に収益確保・拡大が可能になるビジネスモデルを構築しました。

国内自動車メーカーは、新興国市場開拓の面でみますと、フォルクスワーゲンに後れを取りました。

トヨタや日産自動車などの国内勢は、フォルクスワーゲンとの競争に打ち勝つために、部品や自動車を作るプラットフォームを共通化して、製造コストを下げる努力をしています。

トヨタは、国内でもそのやり方を強化して行ない、販売台数が減少しても、収益を確保することで、雇用を守るとしています。

電子機器メーカーであるキャノンの場合は、量産品生産の自動化を進めて、徹底的な省人化を行なって、為替レートや作る地域・国に関係なく収益確保・拡大できるビジネスモデルを作っています。

自動車と電子部品・製品の違いから、それぞれやり方は異なりますが、製造コストを徹底的に削減する目的は同じです。

トヨタとキャノンに共通することは、共に差別化・差異化可能な商品群と技術を持っていることです。

トヨタの現時点での強みは、環境対応技術であり、具体的にはHVです。国内や米国市場では、HV対応車の需要が伸びており、トヨタは、今後国内でHV対応カローラ投入するとのこと。

トヨタの躍進は、日産自動車やホンダなどの他の国内自動車メーカーにも好影響を与えて、環境対応技術の優位性強化と製造コストの削減を行ないながら、東南アジアや米国市場で収益確保・拡大を、自動車業界全体で実現していくことにつながります。

国内自動車メーカーの動きは、国内の関連業界・業者に大きな影響を与えます。今後も注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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