あと数日で阪神大震災から18年になります。
昨日の様に思いだす惨禍ですが、もう世間の1/4の人には震災の記憶がありません。地震の怖さは語り継がないと次代へ継承出来ないことです。東日本大震災も阪神大震災以上に多くの人命を失いました。
この二つの地震を比較すると、同じ震度7の地震でも少し質が違うように思います。阪神大震災では倒壊家屋の下で圧死や焼死した人が9割を占めるのに対し、東日本大震災は殆どが津波による溺死でした。東日本大震災では、建物の倒壊件数は少なかったのです。それは、16年間の間に住宅の耐震化が進んだ訳ではなく、また、雪国の為建物が頑丈に出来ていた為でもなく、地震の質が違ったことにあります。
震源地が近く都心に近い場所で地震が発生すれば、今でも阪神大震災以上の建物が倒壊する地震が発生すると思っています。揺れ方の質の違いに対応した、建物の構造の判断基準の変更が待たれるところですが、今のところその動きはありません。
今、私たち自身で防衛出来る事は、法律で定める基準は最低限のことと認識して、それ以上に頑丈に家を造る事以外にありません。それも第三者から客観的に評価されて頑丈であると証明してもらう事が大事になるでしょう。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。
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