日経記事;『GMといすゞが再提携 小型商用車、世界で一体運営』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『GMといすゞが再提携 小型商用車、世界で一体運営』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月10日付の日経新聞に、『GMといすゞが再提携 小型商用車、世界で一体運営』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『米ゼネラル・モーターズ(GM)といすゞ自動車は商用車分野で提携する。新興国などで需要が拡大しているピックアップトラックと呼ばれる小型商用車の事業を一体的に運営する計画で、この分野では世界市場の25%を占める巨大連合が誕生する。

新車開発での効率向上と生産面での低コスト化を急ぎ、新興国市場の開拓を有利に進める考えだ。

提携はいすゞの細井行社長が今月下旬に訪米しGMのダン・アカーソン会長と合意する予定。両社の提携が新たな再編を生む可能性もある。

ピックアップトラックは排気量が2千~5千ccの小型トラックで、主に米国や東南アジアで人気がある。

米調査会社IHSオートモーティブによると、ピックアップの世界市場は2015年に540万台と11年比で2割近く伸び、小型乗用車と並んで世界の自動車市場をけん引する見通し。

GMは現在も世界最大手(シェアは19%)だが同社がタイなど東南アジアに強いいすゞと組めばシェアでほぼ並ぶ米フォード・モーターを引き離し、生産拠点の相互活用などで協力できる。

具体的には次期モデルの共同開発のほか、ディーゼルエンジンの共通化を進める。GMは現在、ピックアップ向けのエンジン約10万基を欧州のメーカーから調達しているが、次期モデルからはいすゞ製に切り替える。今後の有望市場であるアフリカや中近東などにも共同で販路を拡大する。

GMといすゞは06年に資本提携を解消、いすゞによる欧州でのディーゼルエンジン供給も打ち切った。だがGMは再建過程でエンジン開発を凍結しており、いすゞに関係の再構築を打診していた。GMからいすゞへの再出資については継続協議する。

いすゞは同社に5.9%を出資しているトヨタ自動車との提携関係も維持する。トヨタ傘下の日野自動車との共同開発も引き続き模索する。』


記事にありますように、米GMは経営が悪化した2006年にいすゞとの提携を解消しました。昨年来、何度かGMがいすゞに再提携の提案と打診を行ない、両社で検討していることが報じられました。

GMやフォード、クライスラーの米国自動車メーカーは、昨年まで経営再建に注力していましたが、昨年で一連の再建稼働に終止符をうち、攻勢に出ていました。

GMの主戦場は、米国と中国です。中国については、独フォルクスワーゲンと共に、早期から現地進出や市場開拓を行ない、国内自動車メーカーに先行してきました。

GMは、記事にありますように、ピックアップトラックで強みを出しており、世界シェアは19%と最大手です。

中国の自動車市場は、昨年から縮小傾向に入っており、しばらくの間、事業拡大を見込めない可能性があります。

そこで、GMは新興国市場の中で当面大きな伸びが期待できる東南アジアに焦点を合わせて、事業拡大を図るやり方を決めました。

東南アジアは、国内自動車メーカーが大きな存在感を持っています。ピックアップトラック分野では、いすゞが最大手です。

GMは、いすゞと組むことで東南アジア市場開拓を行なう考えです。

どの自動車メーカーも考えることは同じであり、当面成長市場である東南アジア中心に事業拡大を行なうことは間違いありません。2013年度の世界市場で成長が期待できるのは、米国と東南アジアになるからです。

GMの視点でみますと、米国のピックアップトラック市場での競合相手はフォードです。東南アジアや中国では、フォルクスワーゲンになります。

GMにとって、フォードとフォルクスワーゲンへの対抗策の一つとなる、いすゞとの提携は重要なものになります。

いすゞは、環境対応型ディーゼルエンジン技術やノウハウを持っています。GMは、経営再建のために、当該エンジンの自社開発をストップしており、現在欧州自動車メーカーから購入しているとのこと。

GMは、エンジンの調達先をいすゞに切り替えます。また、いすゞとの共同開発で、高額投資を避けながら次世代環境対応エンジンの入手が可能になります。

いすゞにとっても、GMとの提携で巨額になる環境対応技術の投資負担を軽減できるメリットがあります。

いすゞは、昨年フォルクスワーゲンから提案された提携を断りました。また、同日付の別記事によると、いすゞは、同社の5.9%を取得したトヨタ自動車やその子会社、日野自動車との提携を模索してきたとのこと。

いすゞは、GMとの提携に加えて、トヨタや日野自動車との提携についても引き続き、継続検討していくとされます。

環境対応技術の継続投資は、巨額になりますので、どの自動車メーカーにとっても、大きな負担になります。

巨額投資を軽減しながら、最先端の環境対応技術やノウハウを自社製品に取り入れた自動車メーカーが勝ち組みになります。

自動車業界ほど、提携や連携;アライアンスを巧みにかつ、柔軟に行っているところはありません。

ピックアップトラックでみますと、今回の提携で、GM・いすゞ連合、トヨタ・日野自動車、フォルクスワーゲン、ダイムラーベンツ、フォードの5つのグループやメーカーに分けられます。

今後、欧州勢やフォードの巻き返しや、トヨタが新規の動きを行なう可能性があります。

提携や連携;アライアンスを最大限有効活用しながら、各自動車メーカーはしたたかに事業していきます。

いすゞは、自社の強みである環境対応エンジンを最大限有効活用して、GMや他社との提携や連携;アライアンスで世界市場で勝ち組みになることが重要です。

2013年度の自動車市場は、米国と東南アジアが最重要となります。この両市場で、国内自動車メーカーがどうのような事業展開で勝ち組みになっていくか、注目していきます。

何度か本ブログ・コラムで書いていますように、自動車メーカーの提携や連携;アライアンスのやり方は、中小企業にとって大いに参考になります。

自社の強みを最大化しながら、提携や連携;アライアンスを最大限有効活用することが、中小企業にとって重要であり、必要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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