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超高層ビルの解体

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大手エネコンが超高層ビルの解体技術を加速させています。アメリカの様に派手に爆破解体せず、静かに解体する技術を競っています。A社が建設と逆の順序で解体する工法を発表すれば、B社は屋根だけ残してその下から解体する、天候に左右されない工法を発表し、C社は廃材搬出の最も楽な様にだるま落としの要領で、一階から解体すると云った、大技を発表しています。

各社も自社の技術力を誇示していますが、超高層ビルが日本に出来たのは1968年の霞ヶ関ビルが最初です。建物が完成してから、まだ45年しか経っていません。今解体されている赤坂プリンスホテルに至っては竣工後29年しか経っていません。
建物の寿命としては、異例の短さです。木造でも50〜60年は普通に持ちます。超高層ビルと云えば昭和56年以前の旧耐震構造ではあっても、建築基準法の枠を超えた大臣認定を取得しなければ建築出来ません。その当時の技術の粋を集めた建物であったはずです。

持ちのしの解体するに至ったコメントを見ていますと、「老朽化に伴い、メンテナンス経費の増大と、収益率の悪化予想が主な理由」だそうです。ゼネコンは解体技術を誇るよりも、こんな短期間で解体せざるを得なかった、責任を感じて欲しいと思うのは私だけでしょうか。
ニューヨークのエンパイアステートビルは竣工後80年を超えています。何故日本のゼネコンが造る建物はこうも寿命が短いのでしょうか。これは建物の寿命は、物理的耐用年数よりも、経済的耐用年数が優先することを物語っているのです。収益性が悪くなれば、建物自体どれだけ健全でも、解体される運命にあるのです。
とは云っても、これは建てる段階で当然予想出来たことで、当初のコンセプトが甘かったからに他なりません。これは住宅についても同じ事が言えます。幾ら耐震性能や断熱性能を誇示しても、直ぐに飽きられる家を建ててしまえば、建物の寿命は短いと云う事です。
耐震性・断熱性・省エネ性等、プロが切磋琢磨するのは当然の事です。しかし、本当の建物の良さはそれでは決まりません。寿命の長い何世代にも受け継がれる家が本当の資産価値のある家と言えるのではないでしょうか。

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