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日経記事;『日本企業の海外M&A、円高で最多に』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月16日付の日経新聞に、『日本企業の海外M&A、円高で最多に 12年、500件に迫る』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)が一段と拡大している。2012年は前年比1割増の500件に迫る見通しで、バブル期の1990年(463件)を上回り、22年ぶりに過去最多を更新する。

強い円を背景に「買い手」として存在感を高めている。中国への集中リスクを分散するため東南アジア企業の買収も急増している。

M&A助言のレコフ(東京・千代田)によると12月14日時点の海外M&A件数は489件で既に11年実績を34件上回った。金額ベースでは昨年比8%増の6兆8895億円。

円高で円換算の金額は目減りするが、それでも過去3番目の高水準だ。米トムソン・ロイターによると国籍別の買い手として日本企業は米国に次いで2位となる。

背景には国内需要先細りへの危機感がある。電通は約4000億円を投じて英広告大手のイージスグループを買収。イオンは仏カルフールからマレーシア事業を買収しアジアシフトを加速する。

上場企業で約60兆円という豊富な手元資金に加えて、円高で円換算の買収額が少なくなることも企業の背中を押す。

ソフトバンクは「米国に打って出る好機」(孫正義社長)と判断、1兆5000億円を超す米携帯電話大手の買収を決断した。

戦略地域のアジアでは傾向が分かれた。中国向けは秋口に減速し、年間では昨年並み(44件)にとどまる。

一方、インドネシア企業の買収は19件と昨年の約2倍。タイ、マレーシア、ベトナムも各10件以上と高水準だ。

足元では円高修正が進むが、「中長期の視点から引き続き海外展開の意欲は強い」(メリルリンチ日本証券)という。』


本日の記事は、国内企業によるM&A件数が昨年比1割増になることについて書いています。昨年も対前年比でM&A案件数は伸びました。

大きな理由は、海外市場開拓です。国内市場は、人口減少により、消費金額自体が横ばい、もしくは縮小傾向にあるためです。

BtoCビジネスの場合、国内市場の状況をみるための指標の一つとして、私は、日本の小売市場の売上を注視しています。

国内の小売市場の売上は、1996年度の約148兆円をピークにして、漸減傾向が続き、ここ数年は横ばい傾向にあり、大体135兆円の規模になっています。

インターネット通販は伸びていますが、百貨店売上は縮小し続けており、今まで伸びてきたコンビニも成熟化する状況がみえています。

この国内市場の縮小傾向は、1996年以降続いており、リーマンショックなどの外的要因に関係ない、日本市場固有の理由によります。

その理由の一つは、人口の伸び悩みと減少です。特に、活発に消費する人たちの数が少なくなっていることが主要因になります。

国内での人口増加や、消費者市場を再活性化することは短期間に行なうことは難しく、政府が長期的な視点と施策を持って、国民の合意を得ながら行なう必要のある長期課題です。

各企業は、日々の事業活動を通じて、売上の維持拡大を図る必要があります。

縮小し続ける国内市場では、ネット通販を活用したり、潜在的な購買能力を持つ、60歳以上の人たちへのアプローチなどの活動を通じて、売上拡大を図っています。

これらの動きは、たびたび本ブログ・コラムで書いています。

一方、海外市場を積極的に開拓しようとする企業も多く存在します。海外市場・顧客開拓のために、海外に工場や販売拠点を持つことも必要になります。

この時に、短期間に工場や販売拠点を確保できる方法がM&Aです。

M&Aで買収する海外企業は、現地で生産や販売をしていますので、インフラやノウハウなど短期間では確保できない多くの財産を持っています。

国内企業が、M&Aを有効に使って、正しい相手先を見つけ、確保できればM&Aによる投資は、極めて有効な手段になります。

最近、中堅や大手企業だけでなく、中小企業の中にもM&Aを行なうところが出てきています。

M&Aを成功させるためには、幾つかの課題を解決し、実行する必要があります。私の経験も含めていいますと、最大の課題の一つが、買収後の組織の融合です。

この組織融合が上手くいかないと、買収に投資したお金がすべて無駄になる可能性があります。

確かに、ここ2~3年で、国内企業による海外企業買収は多くなっています。他社がM&Aを行なったから、自社でもすぐできると考えるのは早計です。

M&Aは、一つの気経営手段・手法です。M&Aを巧みに行なっている企業をよく観察して、どうのように事業拡大や経営力の向上に使っているか、方法と効果の検証を行なうことが重要です。

特に、中小企業の場合、M&Aを行なって買収した企業との組織融合に失敗した場合、命取りになるリスクもあります。

猪突猛進タイプの経営者の中に、目的や実行内容や手法の課題などをよく検討しないで、M&Aを行なってしまう人がいます。

以前、買収した中国企業との関係が上手くいかなくなり、関係解消のための支援を行なったことがあります。

何とか、少しのやけどですむ程度の打撃で関係解消しましたが、失敗の原因は、買収後の組織融合が全く上手くいっていなかったのが原因でした。

当該企業が買収した目的は、中国内の販路確保でしたが、まかせっきりで買収後の事業統合が全く機能してませんでした。

M&Aは、単純な販売促進策とは違う次元の複雑な経営手段ですので、実行するときには、明確な目的と綿密な計画を事前に作ることが重要です。

同じ目的を達成するために、まず他の経営手法・手段で考え、実施することが重要です。

私が中小企業からM&Aの相談や支援依頼があったときに、行なうことはM&A以外の方法での効果確認です。

M&Aが、最も有効な方法であることが確認できた後に、支援開始します。多くの失敗例をみてきたからこのスッテプをおいています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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