「ソフトバンクグループ、個人宅に負担0円でソーラーパネル設置」を検証する - 企業ブランド戦略 - 専門家プロファイル

中村 光亮
株式会社GMC 代表取締役
東京都
ブランドコンサルタント

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澤田 且成
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閲覧数順 2016年12月06日更新

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「ソフトバンクグループ、個人宅に負担0円でソーラーパネル設置」を検証する

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ソフトバンクグループ、個人宅に負担0円でソーラーパネル設置http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20121212_578447.html


昨日12/12(水)の夕方、ソフトバンクからのプレス発表をご覧になられた方も多かったと思います。
屋根を貸して太陽光発電システムを設置し、賃借料と一部の売電収入を得るというビジネスモデルは、産業用において中小企業の工場や社屋等で普及が始まったばかりであり、東京都や各自治体でも仲介や斡旋を行っております。


「おうち発電プロジェクト」概要
・契約期間 20年 (10年以内解約 違約金発生(契約解除料) 6kW未満98,000円、6kW以上198,000円)
・初期投資費用 住宅所有者負担0円 4kW程度を想定
・「発電スポット利用料」 売電金額の15%支払
 売電金額 14,000円前後/月 発電スポット利用料 2,000円/月前後を想定
・アフターサポートとして、器具の不具合や、雨漏り、災害による故障、屋根や梁の損壊などは、一定期間補償される


報道内容を見て直ぐに、これはエンドユーザーのメリットは正直ほぼゼロに近いなとの印象を受けました。


簡単にシミュレーションをしてみましょう。

実際に契約、設置した場合 (SHARP製)
賃料収入(売電収入) 2,000円×12ヶ月×20年 = 480,000円

想定メンテナンス、維持管理費用(2012年12月現在の定価及び交換費用、消費税5%計上)
パワーコンディショナ 交換機器費用(10年交換) △268,380円(税込)
電力モニタ 交換機器費用(10年交換)          △89,460円(税込)
その他、上記機器交換工事費用
防水部材交換、コーキング打ち返し、
FP管交換、配線関係点検補修、
パネル面洗浄含むメンテナンス費用 一式      △300,000円前後(10年過ぎから発生)
                                    小計 △657,840円

実質収支 480,000円 - 657,840円 =      △177,840円 

上記はあくまでもシミュレーションではありますが、賃料収入15% 2,000円、アフター期間限定補償の「おうち発電プロジェクト」は、2012年12月現在の機器交換費用やメンテナンス費用を相殺しても、投資費用対効果はゼロどころか、マイナス計上となり、ペイ出来ません。


その他、決定されている想定リスクとして、以下の5点が挙げられます。

・消費税増税 10%(機器交換費用、工事代金等に全てに加算計上)
固定価格買取制度 現行42円/kWh の買取単価引下げによる契約内容変更、及び廃止リスク
・アフターサポート契約期間満了のリスク
(想定10年以降の維持管理費用自己負担リスク)
 自然災害補償制度等の保険料負担等
20年契約期間満了以降の太陽光発電パネルの廃棄費用、中途解約の違約金負担
理不尽な契約を選択する事により、オーナー自身で大切な我が家の維持管理が出来ない不自由


今回のビジネスモデルの結論を申し上げると、
20年間で、ソフトバンクに約2,880,000円もの売電利益(実質利益は下がります)を供与して、
数十万円以上の自己負担とリスクを背負わなくてはならないという事になります。


まるで、携帯電話の初期投資0円、2年契約の縛りがあって、その他のリスクは自己責任であるというビジネスモデルにそっくりです。私自身、クライアント企業様にコンサルティングご支援をし、間接的に太陽光発電システムの普及促進を担っている訳ですが、ユーザーメリットも全くないビジネスモデルを、お勧めする訳にはいきません。


「おうち発電プロジェクト」の初期投資0円、期間限定、対象地域31都府県、先着1,000棟にご興味、ご関心のある方は、自己責任とリスクを十分ご検討し、担当営業マンにしつこいぐらいご納得いくまで質問し、ふだん読まない約款を確認する事をお勧めします。



株式会社GMC
中村 光亮
http://gmc.jpn.com/

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