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日経記事;『企業の35%が情報漏洩・疑い 防衛策「法的措置」4割 本社調査』に関する考察

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情報・知識 事業者側からみた機密保持契約(NDA)の扱い

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月13日付の日経新聞に、『企業の35%が情報漏洩・疑い 防衛策「法的措置」4割 本社調査』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『主要企業の35%が技術情報など営業秘密の漏洩もしくはその疑いがあることが、日本経済新聞社が12日まとめた企業法務調査で分かった。

今後の知的財産の防衛策として「訴訟など法的措置」が43%を占めた。新日鉄住金が鋼板技術を盗まれたとして韓国ポスコを訴えるなど、アジア勢との競争激化を受けて知財を巡る攻防が激しくなりそうだ。

調査は10月、主要326社を対象に実施。148社の回答を集計した。

技術ノウハウや顧客情報といった営業秘密について「漏洩した経験がある」(20%)と「漏洩したと感じた経験がある」(15%)を合わせると35%に達した。製造業(87社)では39%だった。

漏洩を経験した会社に流出ルートを複数回答で尋ねたところ、「国内退職者」が44%に上った。「海外退職者」(15%)や「合弁や事業提携などでの情報共有」(6%)などが続いた。

漏洩対策(複数回答)は「社員教育」が69%と最も多く、「入退出・コンピューターアクセス制限」「社員との秘密保持契約」も5割を超えた。

昨年、サイバー攻撃を受けた三菱電機は「ファイアウオールや従業員教育などの安全対策をさらに強めた」としている。今年4月、ポスコを提訴した新日鉄住金は「訴訟も結果として対策になる」(総務部)という。

これまで重視してきた知財防衛策と今後の対応を複数回答で聞いたところ、「訴訟など法的措置」が36%から43%に上昇した。日本企業は紛争回避へ特許の相互利用契約を進めてきたが、知財紛争が激しくなるなか、危機感も高まりつつある。』


機密保持や保護は、中堅・大手企業だけでなく ベンチャーや中小企業にとっても重要なことになっています。

高度技術やノウハウを持っている企業には、国内だけでなく、海外企業からも連携・アライアンスの話がくることが多くなっています。

このときに重要なことが、当事者である中小企業が、自社のノウハウや技術の流出をどう守るかの視点と重要性を持つことです。

まだ多くの中小企業経営者の中には、性善説を前提に取引先や海外企業とビジネスの話しをする方が多くおられます。

ノウハウや技術が流出したり、第三者に勝手に使われていることが明確になった後に、「裏切られた」と相談してくる経営者もいました。

しかし、一旦流出した機密情報を取り返すことや、相手に対して訴訟を起こすことは、中小企業にとっては容易ではないのが実情です。

従って、中小企業経営者には、ノウハウや技術情報の流出を事前にどう防ぐかの視点で対応方法をアドバイスしています。

基本的な考え方は、相手を「性悪説」でとらえて、どう対峙していくかになります。私が支援企業にアドバイスする概要は以下のようになります。

各企業は、ビジネスをしていますので、全てのノウハウや技術を最初からがんじがらめにして、何も開示しないでは相手と何の話もできなくなります。

同時に、相手先も機密情報を持っていることが多いので、双方のバランスや相手先との会話やビジネスの進展度合いなどを図りながら、対応していくことが多いです。 

最初から、秘密保持契約を結んで会話やビジネスをするやり方もあります。

しかし、一般的には深い話や情報交換に入るまでは、この契約を結ばずに、さわりの情報を出したり、資料のコピーを渡さずにチラ見せするような対応で、双方とも秘密情報の開示なしで会話するやり方を勧めています。

秘密保持契約を結んだ後も、開示する情報の内容や出し方などを慎重に確認して、開示情報の内容や開示先などを記録して残します。

また、相手先から受領した秘密情報の管理も体系化して行ないます。

このやり方は、相手先が国内企業、海外企業を問わず同じようにします。「性悪説」が前提の対応となります。

本日の記事は、大手企業を辞めた人たちがきちんと、退職後も秘密保持していない実態について書いています。

私は、企業退職時に勤務先企業と「秘密保持契約」を結び、きちんと守っています。

大手企業の場合、多くの退職者は当該企業と「秘密保持契約」を結んでいます。しかし、守られていない実態があります。

過去の大幅なリストラで、大手家電メーカーを退職した技術者が、韓国、台湾、中国などの海外企業に雇われた際に、多くのノウハウや技術が流出したことは明白のようです。

私が知り合った技術者のうち、何人かは元勤務先のノウハウ開示を強要されて、海外企業を退職した人もいました。

企業も、「秘密保持契約」を結んだ退職者が秘密情報を漏らすことを前提に対策を講じる必要があります。

一つのやり方が、社内で情報やノウハウなどの重要度に応じて、その情報にさわれる、あるいは、知ることができる範囲やレベルを決めておく方法です。

このやり方は、中小企業でも有効です。

大手企業の場合、自社の経営に深刻なダメージを与える秘密情報の漏えいについて、相手先を訴訟することは有効です。

しかし、中小企業の場合、訴訟は多額のコスト、長期の時間や高負担などを要しますので、現実的な方法ではありません。

中小企業は、相手先とビジネスしながら、いかにして自社と相手の秘密情報を実際的に管理していくか、考え・実行することが重要です。

私が中小企業から秘密情報の保持について相談や支援を受ける場合、そのように対応しています。

政府も、中小企業の秘密情報保護を重要視しており、何回か「営業秘密管理指針」を改訂しながら公表し、中小企業に対する啓蒙活動を行なっています。

最新版の「営業秘密管理指針」は、2011年12月1日に改訂されました、「営業秘密管理指針」が経済産業省から公表されました。詳細は、下記Webサイトからご覧ください。
URL;http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/111216hontai.pdf

私の支援内容も、ほぼ本「営業秘密管理指針」に準じて実際的なやり方にしています。

何度か秘密情報管理や秘密保持契約などについてご質問をいただいています。このときに、お勧めしているのは、私が本ブログで、「NDAの扱い」のカテゴリーに書いてあります記事をお読みになることです。

私は、2006年7月16日から8回にわたって「NDA(機密情報保持契約)の扱い」のタイトルでブログ記事を書きました。この記事も「NDAの扱い」に含まれます。
URL; http://bzsupport.blog.so-net.ne.jp/archive/c357062-1

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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