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日経記事;『キヤノン、コスト削減700~800億円に拡大 13年12月期】に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月12日付の日経新聞に、『キヤノン、コスト削減700~800億円に拡大 13年12月期販売減速に対応、国内外で工場自動化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『キヤノンの2013年12月期のコスト削減額は今期見通し比約2割多い700億~800億円になりそうだ。今期は期初に約1000億円の削減を見込んでいたが、約600億円にとどまるもよう。

欧州や中国などの景気不透明感が強まる中、コスト削減策を見直し、工場の生産効率化や経費削減、在庫圧縮を強化する。連結営業利益の約5分の1のコストを減らし来期の営業増益を狙う。

コスト削減策を見直すのは、急激な円高や世界景気の減速など経営環境の激変で、販売数量が期初計画を下回っているためだ。

工場の稼働率を高めてコストを圧縮する計画だったが、思うように進んでいない。このため来期は合理化を一段と強化する。

その柱が国内外の工場での自動化だ。販売数量の多い事務機用トナーは、日本や米国などの工場で生産設備の省力化を徹底する。生産期間を短縮すると同時に、従業員による手作業を減らし固定費を減らす。

デジタルカメラではロボットと人の手を組み合わせた「マンマシンセル」と呼ばれる生産手法を活用する。固定費削減だけでなく品質を落とさずに生産速度も向上。長期間抱えたままだと費用が膨らむ仕掛かり品や原材料の在庫圧縮につなげる。

トナーカートリッジの生産拠点である米バージニア州のキヤノン工場では生産の自動化が進む。

開発面ではコンピューターによる設計などを駆使し製品の不具合検査を徹底する。不良品の発生比率を減らすほか、部品の共通化などで調達コストも抑える。

来期のカメラや事務機の販売数量は新製品効果などで今期見通しから増えるもようで、工場の稼働率上昇も収益を押し上げそうだ。

一連の合理化効果で、来期は今期見通しに比べ最大200億円程度の営業増益要因が発生するとみられる。レーザープリンターやコンパクトカメラは欧州や中国などで販売の減速懸念が出ているが、足元では円高も一服している。来期の営業利益(米国会計基準)は今期見通し(前期比6%減の3560億円)を上回る見通しだ。

同社は中期経営計画の最終年度である15年12月期に売上高営業利益率20%(今期見通しは10%強)の達成を目指している。

今後、欧州でも事務機用トナーの自動化工場を建設。レーザープリンターでは低コストなフィリピンに工場を造る。こうした効率化投資を急ぎ、14年12月期以降には年1000億円のコストを削減できる体制を目指す。』


キャノンは、ファナックなどと同じように国内に主要工場を持ち、自動化工場などの工夫・対応で、コスト圧縮を図り円高対策を含めて行なっていることについて、たびたび本ブログ・コラムで述べてきました。

本日の記事は、キャノンの国内あるいは、欧米にあります工場のコスト圧縮について書いています。

記事によると、キャノンは、期初に約1000億円の削減を見込んでいたが、約600億円にとどまるため、2013年12月期のコスト削減額は今期見通し比で2割増の700億~800億円にするとのこと。

コスト圧縮のため、工場の自動化をさらに進めて、仕掛在庫などの圧縮効果を出すとしています。

キャノンが、製造コスト圧縮を加速させるには、2つの要因があります。

1つは、主力商品であるデジタルカメラと複写機の販売状況の不透明さです。デジタルカメラ市場は、スマホに搭載されたカメラ機能の高性能化により、明らかに市場規模が縮小傾向にあります。

デジタルカメラは、キャノンとソニーなどの国内企業が高いシェアを持っていますが、市場自体が小さくなっていますので、残存者利益を享受するとしても、キャノンやソニーの売上金額によっては自体が急速に落ち込む可能性があります。

また、複写機は市場環境に影響されやすく、対象市場の経済状態により、売上が乱高下する傾向にあります。現在、欧州と中国市場が軟調であるため、複写機の当該市場向け売上は伸びていません。

2つ目は、地域的要因です。上記の欧州と中国市場の軟調さからくる全般的な売上低迷です。2013年度の見通しも、現時点では今年と同じであり、成長は見込めない状況です。

それらの視点から、キャノンは、自動化工場の推進で製造コスト圧縮を進めて、多少の売上減でも十分な利益確保ができる体質を作ることが目的とみます。

キャノンの状況は、パナソニックやソニーなどの家電メーカーとは置かれている経営状況と異なりますが、縮小傾向にあるデジタルカメラに代わる新事業の柱を確立する必要がある点では同じです。

同日付の日経によると、キャノンは、新事業分野の候補として医療機器を考えているとのこと。エックス線画像診断などの技術で事業を伸ばそうとしているようです。 

キャノンは、以前、オリンパスへの出資も名乗りをあげました。医療分野への進出に有効と考えてのことでした。

新事業は、キャノンの強みを最大化する観点では、医療分野は有望です。医療分野立ち上げの原資を確保する観点からも、既存工場の自動化を進めて、コスト削減を推し進めているとみています。

パナソニックやソニーも積極的にコスト削減を推し進めています。

同時に重要なことは、キャノンと同じように新規事業分野の早期立ち上げです。医療、エネルギー、環境などが候補になりますが、コア技術をもとに、徹底的な差別化・差異化を図って製品化することが重要となります。

パナソニックやソニーの状況は、キャノン以上に深刻なものです。そのキャノンがコスト圧縮と新規事業立ち上げで積極的に動いています。

キャノンだけでなく、パナソニックやソニーからも、早期に新事業の青写真が具体的に提示されることを期待しています。

新事業立ち上げの視点から、キャノン、パナソニック、ソニーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁 

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