住宅ローンに付く生命保険

低金利の状況が続く住宅ローン。

この住宅ローンには団信、いわゆる団体信用生命保険なるものが付く。

この団信。

最近では、●大疾病保障付きの特約や

返済支援を付加した●大疾病保障付き特約もある。

なぜか、金融機関は通常の団信を進めない。

「万一のことがあれば、この保険で債務が完済される」と…

この疾病特約を勧める傾向。

勧める際には、やたらメリットばかり強調される。

また、もしものときと、保険販売の手法である「不安」をあおる。

確かに、３大疾病や８大疾病になったときに、

住宅ローンの債務が免除になるのはいい。

しかし、保険が下りるのには条件がある。

この条件。

ほぼ、通常の生保のハードルと同じだ。

年齢制限や何日以上、病気が継続していないと保険金は支払わない。

こうした条件をクリアーするには、今の日本の医療制度から難しい面がある。

例えば、入院日数。

がんの手術でさえ、２週間程度。

心筋こうそくや脳卒中では長期入院の場合が多いが、

６０日までは長く入院していない。

つまり、こうした疾病保障の特約を付加しても使えない場合が出てくる。

今後、医療費の抑制政策によってなおさらである。

で、この保障つきの保険料は金利に上乗せ。

０．３％前後の金利が乗せられる。

せっかくの低金利や優遇金利も、この特約保険料で消えてしまう。

融資額の０．３％を１０年間支払うとどうだろう。

融資額３０００万円、３５年返済、変動で０．８７５％の実行金利の場合、

保険料に当たる０．３％を足すと、１．１７５％。

１０年間この保障保険料を支払うと約５０万円。

２０年で１００万円の保険料になる。

こう考えると、結構な金額だ。

ただ、この保険はローンの残債にしか充当しない。

これでは、通常の生保に疾病特約を付加した方がいい場合もある。

銀行のいわれるがまま、こうした特約つき団信の加入には一考の余地がある。

生保も損保も保険加入は頭打ち。

そこにきて、住宅ローンはいまだにのびしろがある。

そのローンにセットして保険を販売する。

銀行も金利競争では行き詰まり、こうしたサービスでローンの差別化を計る。

当然、保険を売った銀行にも保険会社からの手数料が支払われる。

これは、保険会社と銀行双方ににメリットがある仕組みだ。

この点はよく理解しておく必要がある。

最終的には借りる側の判断。

通常の団信であれば、借入者の負担はないことを認識してほしい。

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