日経記事;"アイリス、家電本格参入 「白物」売上高倍増へ "考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;"アイリス、家電本格参入 「白物」売上高倍増へ "考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月4日付の日経新聞に、『アイリス、家電本格参入 「白物」売上高倍増へ 大阪に開発拠点、大手退職者採用』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『アイリスオーヤマ(仙台市、大山健太郎社長)が白物家電事業を拡大する。2013年2月に大阪市内に研究開発拠点を新設、同地域に拠点を持つ電機大手などから技術者を積極的に採用する。

製品開発力を高めることで、数年以内に洗濯機など主要家電製品の投入を目指す。12年に約165億円だった売上高を13年に倍増の300億円まで伸ばす。

大阪市内の既存拠点を改造し研究開発拠点に

アイリスは09年に白物家電事業に参入、掃除機や扇風機、オーブンレンジなど130製品を販売している。サイクロン式掃除機や音声機能の付いたIHクッキングヒーターなど独自機能を備えた製品を次々と投入

。中国の遼寧省にある自社工場で生産することで価格を抑えている。製品の開発が速く価格競争力も高めやすい独自のビジネスモデルで攻勢をかける。

今後、電機大手の技術者を採用し品質面などを高め、数年以内に洗濯機や冷蔵庫、エアコンなどの大型家電製品の投入をねらう。アイリスが高品質で手ごろな値段の家電製品を投入することができれば、既存の国内大手メーカーに新たな脅威となる可能性がある。

新たな研究開発拠点では白物家電のほか、発光ダイオード(LED)照明も開発する。宮城県角田市内にある既存の研究開発拠点も存続する。13年には50人の技術者を中途採用する予定で、大阪では20人程度を見込んでいる。

同地域にはパナソニックやシャープなど大手電機メーカーが多数の拠点を持つ。ただ、業績悪化の影響で各社が希望退職者を募っており、アイリスは白物家電やLED照明の技術者を取り込めるとみている。

家電と同時期の09年に参入したLED照明は売上高を伸ばしている。アイリスはもともと収納家具やペット用品などが中心で、ホームセンターなどに販路を持っている。

LED照明事業では家庭用の電球や天井用照明のほか、業務用の直管型などを自社開発し販売している。LED照明事業の売上高は12年に前年比3.5倍の350億円、13年には1000億円まで拡大を目指す。

国内の家電市場は大手を中心に参入企業も限られており、市場全体の成長も鈍化している。ただ、掃除機市場でサイクロン式掃除機の英ダイソンや、ロボット掃除機「ルンバ」の米アイロボットが急速にシェアを伸ばした例もある。』


最近、何度か中小企業が新規事業を立ち上げるための事業環境が整いつつあることについて書いています。

特に顕著なのが、下記二つのことです。

一つは、中小企業の専門化です。開発、企画、製造、販売などの各事業分野ごとに特化して、徹底的に強みを最大化するやり方です。

もう一つは、長年多くの中小企業にとって最大の経営課題の一つである集客・販路開拓が、インターネットの普及により、広告宣伝も含めてネット通販の活用が可能になることで、その敷居が低くなっていることです。

中小企業の強みは、企業規模が小型であることから、小回りがきくとともに、意思決定・実行が迅速にできることと、大手企業に比べて固定費を低く抑えることが可能なことです。

私の支援先企業の中にも、上記のような中小企業の強みを生かして積極的に新規事業の立ち上げと新市場開拓を行なっているところが複数あります。

中小企業が新規事業を立ち上げる際に重要なのは、徹底的な差別化・差異化を出して、他社がついてこれないようにすることです。

対象商品・技術によっては、特許取得で守ることも重要になります。

本日の記事にありますアイリスオーヤマの場合、中小企業ではありませんが、中小企業的な発想と実行力で、新規事業である 白物家電分野を開拓しようとしています。

記事にありますように、アイリスオーヤマは、すでに白物家電事業に参入し、掃除機や扇風機、オーブンレンジ、ファンなど130製品を販売しています。

現時点での主な販路は、ホームセンターになります。生活雑貨や小物品などと共に販売しています。

アイリスオーヤマの商品企画は、顧客から一定の評価を得ており、パナソニックや東芝、日立、シャープなどの大手家電メーカーとは直接競合しないような商品構成や販売のやり方で事業してきました。

我が家にも何台かのアイリス商品があります。

2~3年前あたりから、成熟した市場である、白物家電分野に新風が起こっています。ダイソンやアイロボットなどから出された新型掃除機です。

これらの掃除機は、従来の商品イメージを覆すものであったため、成熟市場に新風を巻き起こし大いに売れました。

これらの商品企画は、既存大手メーカーでは発想していなかったものであったため、消費者を含めて虚を突かれた感じでした。

アイリスオーヤマは、決して中小企業ではありませんが、ベンチャー企業的な発想と強みで白物家電分野を開拓してきました。

差別化・差異化のポイントは、商品企画と低価格にあります。低価格は、記事にありますように、製造コストの安い中国内の自社工場で作ることで実現しています。

アイリスの商品企画は、派手さはありませんが、家庭内にしっくりと入り込む的な発想で立てられている印象を持っています。

アイリスは、そのようなやり方で大手家電メーカーとは直接競合しないようにしてきました。本日の記事は、アイリスが今までのやり方を変える意思表明とみています。

商品企画が斬新であれば、成熟した掃除機市場でも新規需要開拓ができることを、ダイソンやアイロボットが証明しました。

アイリスは、大阪に開発拠点を構えて、パナソニックやシャープなどを辞める技術者を雇用して技術力や企画力を高める方針です。

アイリスほど大きくなくても、中小企業が、大手メーカーが築いた成熟市場に参入することができるようになってきました。理由は、上記の通りです。

特に自前で工場を持たなくても、製造委託企業を活用することで商品製造が可能になる事業環境は、新規投資が必要なく、かつ、固定費負担も軽くなりますので、中小企業にとっては追い風になります。

ファブレス(自社工場なし)の典型例は、アップルです。商品企画とインターネットを使った自社固有のプラットフォームを作って、ソニーやパナソニックなどの家電メーカーに打ち勝っています。

アイリスも、アップル、ダイソン、アイロボットなどのように、商品企画と技術力で大手家電メーカーと競争することが可能です。販路もホームセンター以外のところを活用する可能性があります。

アイリスとアップルの違いは、アイリスが自社工場を持っていることです。

アイリスがアップルと同じように、消費者の嗜好を取り込んで製品を迅速に開発するスピードや、斬新なデザインや使い勝手の良さなどを実現すれば、勝機がうまれます。

ベンチャー・中小企業の中には、ユニークな商品企画で家電分野で事業を伸ばしている企業があります。

アイリスの動きは、これらのベンチャー・中小企業が新規事業を立ち上げる際の参考事例の一つになります。

今後のアイリスの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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