ファイナンシャルプランナーが天職!
BYSプランニングの釜口です。
今回のコラムは、疾病保障付き住宅ローン保険の落とし穴
についてお伝えいたします。
銀行で住宅ローンを借りる際、団体信用生命保険(以下、団信とする)
は強制加入です。
この保険に、3大疾病保障特約や、8大疾病保障特約を付帯して
契約される方が最近特に増えています。
3大疾病や8大疾病になった時には、住宅ローンの返済が免除になる
ため、銀行の担当者に「ご主人が病気で働けなくなった場合に、ローンの
支払いに困りますよね」と言われると、ご主人は、不安にかられる奥さん
に背中を押され、これらの特約が付帯された団信に加入してしまうという
寸法です。
しかし、
これらの特約付きの団体信用生命保険には落とし穴が3つあります。
1.住宅ローンの返済が免除になる条件が厳しい
3大疾病保障特約を例にあげますと、がん以外の急性心筋梗塞、
脳卒中の場合は返済免除の条件がかなり厳しい。
急性心筋梗塞の場合、働けない状態が60日以上、
脳卒中の場合、神経学的後遺症が60日以上続くことが条件です。
急性心筋梗塞に罹患した人は、2~3時間で死亡する人が約50%、
60日以内に社会復帰する人が約50%。
また、65歳までに脳血管疾患に罹患する人の平均入院日数は約58日。
脳血管疾患が60日以上継続するのは70歳以上の人が多いという
データがあります。
がんについても、上皮内がんや皮膚がんは対象外ですので、
悪性新生物に罹患したという診断がされない限り、返済免除には
なりません。
2.特約保険料分は住宅ローンの金利に上乗せされる
3大疾病保障特約を例にあげますと、住宅ローン金利に0.3%程度
上乗せされます。
35歳の人が35年ローンで金利2.5%、2500万円を借りるとすると、
特約保険料だけで、1,709,456円を支払うことになります。
3.金利に上乗せされるしくみだと、途中解約ができない
将来ローン残高が減り、貯蓄額が増え返済リスクが減少したと
しても、保険料は払い続けなければならないのです。
それでも、やはり病気による住宅ローン返済不能リスクを心配される
のであれば、「住宅ローン返済支援保険(=所得補償保険)」も選択肢
になります。
この保険は、働けなくなった時、毎月のローン返済相当額を最長1年
保険金でカバーします。
また金利に上乗せされる設計ではなく、保険料も
疾病保障付き住宅ローン保険に比べ割安。
更に途中解約することも自由。
住宅ローンに付帯する保険は、良く内容を吟味した上で
検討していただきたいと思います。
ご質問やご不明な点がありましたら、
お気軽にご連絡下さい。
メール:waku@bys-planning.com
Tel:06-4305-4425
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