日経記事;"成長市場へ日本3社結集 スマホ向けに反転攻勢"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;"成長市場へ日本3社結集 スマホ向けに反転攻勢"考察

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皆様、
こんにちは。グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月29日付の日経新聞に、『成長市場へ日本3社結集 スマホ向けに反転攻勢』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『10月末、横浜市で開かれた薄型パネルの国際展示会。日立製作所、東芝、ソニーの3社が中小型パネル事業を統合して、4月に発足したジャパンディスプレイが初めて出展した。

ジャパンディスプレイは3社の技術を結集して「イノベーションビークル」を開発した。

注目を集めたのが「イノベーションビークル」と名付けた液晶パネル。高精細パネルをつくる東芝の技術、画面のコントラスト比を高める日立の技術、それにソニーのタッチパネル内蔵技術を結集した。

フルハイビジョンでパネルの厚さはわずか1ミリメートル。大塚周一社長が新会社の発足にあたり「3社統合の象徴として半年で開発を」と指示した。

統合前3社の世界シェア合計は2006年の34%から、11年には20%まで低下した。赤字続きで成長への投資が不十分だった。ジャパンディスプレイは官民ファンドの産業革新機構から2000億円の出資を受けており、資金力を生かして反転攻勢に出る。

生産体制では4月にパナソニックから取得したテレビ用液晶パネル製造の茂原工場(千葉県茂原市)を活用。13年6月までに1000億円程度を投じ、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)など中小型の液晶パネル工場に転換する。

テレビ用パネルで韓国企業に敗れた日本勢。中小型に勝機はあるのか。

中小型パネルで鮮明な画像を表示するには、1平方インチ当たりの画素をテレビより大幅に増やす必要がある。40~50インチのテレビでは100~150ピクセルだが、5インチのスマホでは300~400ピクセル。画素の集積度はほぼ3倍だ。

画素を増やすには、線幅が数マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルという微細な電子回路を、基板の決められた位置に正確に焼き付ける技術が必要になる。

鮮やかな映像を表現するには、光の透過率を高める配線にも工夫がいる。きめ細かな技術の積み重ねが、日本企業の強さの源泉だ。

日韓台のパネル大手が技術を競ってきた中小型パネル市場だが、勢力図が大きく変わる可能性もある。

「中国の工場を活用し、今後はスマホ向けパネルも手がけたい」。こう語るのは医療用ディスプレーなどを手がけるNLTテクノロジー(川崎市、大井進社長)の森山浩明執行役員だ。工場とは中国のパネルメーカー、天馬微電子(深セン市)の拠点を指す。

NEC子会社だったNLTは、11年に天馬を傘下に持つ中国航空技術国際グループから7割の出資を受けた。NLTと天馬はともに同グループの傘下企業だ。

天馬は上海や武漢などに工場を持つほか、13年にはアモイの中小型パネルの新工場で量産を始める。「5.5世代」(1.3メートル×1.5メートル)のガラス基板から低温ポリシリコンを使った高精細パネルを生産する。

 すでに4.5インチのフルハイビジョン液晶と3.2インチの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルの試作に成功した。NLTの技術が加われば、将来は日韓台のメーカーを脅かす存在になるかもしれない。

中国は中央や地方政府が支援して電子機器の関連産業に巨額の投資を続けている。13億人市場を強みに「工場を造れるだけ造っていく。需要は必ずある」(中国のパネルメーカー幹部)と果敢だ。鉄鋼や化学、紙などで供給過剰を生み出した構図とそっくりだ。

性能向上が足踏みすれば、テレビ用の大型パネル同様、中小型も一気に汎用品化が進み価格競争に突入する恐れがある。日本メーカーも先端技術の「賞味期限」を視野に入れた投資戦略が必要になる。』


本日の記事は、日立、東芝、ソニーの3社が中小型パネル事業を統合して、4月に発足したジャパンディスプレイが初めて新型のパネル、「イノベーションビークル」を発表したことについて書いています。

約半年前、3社統合の新会社ができたときに、半年後に新型パネルを発表すると、大塚周一新社長は宣言していました。

半年後、この開発プロジェクトは、成果を出しました。「イノベーションビークル」の発表です。
「イノベーションビークル」の発表の意義は大きいものがあります。

一つは、半年という短期間で、新型パネルを発表できたことです。しかも、「イノベーションビークル」は、フルハイビジョンでパネルの厚さは1ミリメートルを実現していることです。

記事にありますように、画素を増やすには、線幅が数マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルという微細な電子回路を、基板の決められた位置に正確に焼き付ける技術が必要になります。

新会社は、この技術を実用化レベルに近いところで持っていることを示しています。

もう一つは、3社の寄り合い所帯的な印象が強い会社でありながら、スピード感を持ってスケジュール通りに開発を進めることができたことです。

今回の「イノベーションビークル」発表は、半年前の共同作業の集大成であり、今後の事業発展に大きな期待を持てることを意味しています。

単なる寄り合い所帯ではなく、3社の強みを10倍にも、20倍にも拡大できる可能性をみせてくれました。

現在、ジャパンディスプレイのシェアは、2011年で20%です。大半はサムスンが確保しています。

中小型パネル市場は、スマホやタブレット型端末機器の急激な売上増加で、規模拡大が進んでいます。

ジャパンディスプレイが、市場開拓するのは今が絶好の機会です。サムスンは、中小型パネルの第三者への供給を完全に満たせていません。現在の生産能力が自社使用分を含むと、業界全体の要求数を満たせないからです。

ここにジャパンディスプレイの市場開拓の機会が生まれる余地があります。より高性能・高機能のパネル供給で、市場を取っていくやり方です。

市場シェアを多く取れれば、量産効果で最先端ディスプレイのコストも下げることができます。常に他社を凌駕・圧倒する技術・商品で、市場の最先端を行くことが非常に重要となります。

2番手になると、韓国、台湾勢に価格攻勢をかけられ、汎用化していく中で、液晶テレビと同じような図式になってしまうリスクがあります。

また、記事によると中国企業に買収された元NEC子会社のNLTは、スマホ向けパネルの供給を計画しているとのこと。

中国企業は、市場の大きさに関係なく、政府などが後押しして、大量生産による低価格を供給することが多くなっています。

ジャパンディスプレイは、低価格品クラスで行なわれるであろう、韓国、台湾、中国の企業間の価格競争に巻き込まれるないように、常に業界の最先端を走れるように、とんがった技術・商品で差別化・差異化を図ることが大事です。

「イノベーションビークル」の発表は良い成功事例となります。これをトリガーに実ビジネスで海外勢を圧倒し続けることを大いに期待します。

ジャパンディスプレイの今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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