日経記事;"ホンダ,主力セダンを北米で開発「シビック」など"考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;"ホンダ,主力セダンを北米で開発「シビック」など"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月26日付の日経新聞に、『ホンダ、主力セダンを北米で開発 「シビック」など 現地化進め競争力 国内は次世代技術 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ホンダは2016年ごろに発売する主力セダン「シビック」「アコード」の次期型車から、設計開発業務を北米の拠点に移す。

両車種はホンダの世界販売の3分の1を占める主力乗用車。生産だけでなく開発面でも現地化を進め、連結営業利益の4割を稼ぐ北米事業をさらに強くする。

旗艦となる乗用車開発を日本以外で本格的に手がけるのはホンダが初めて。グローバル化に対応する自動車大手の取り組みが新たな段階に入った。

ホンダは日本を中心に進めてきた車づくりを大きく転換。新車の販売競争が激化する中、開発体制を世界的な分業体制に切り替える。

日本国内では9千人の技術者のうち移管で浮いた人員を、燃料電池車など環境対応車や次世代技術の開発に振り向け、国際競争を勝ち抜く体制を築く。

ホンダは米子会社「ホンダR&Dアメリカズ」のオハイオ州の設計開発拠点で次期型シビックの開発に着手した。車体や内装の設計から調達する部品の選定、量産の体制づくりまで米国人技術者を中心に行う。16年ごろに発売する見通しだ。

次期型アコードも同拠点で近く開発を始める。両車種の世界販売台数はそれぞれ年間50万~60万台程度で、約半分を北米が占める。主要市場の近くで取り組むことで、より現地の嗜好に合った車を迅速に開発する。

ホンダは従来、子会社の本田技術研究所の栃木県の開発拠点に権限を集め、約9千人の技術者で世界各国向けの新車開発を手がけてきた。

だが、ホンダの国内主力車は小型車「フィット」や軽自動車などに変わり、販売台数が年間数千台にとどまるシビックとアコードなどは国内で開発する意味が薄れていた。

一方、北米では技術者が約2千人(日本から赴任した約200人含む)に増え、北米専用車を開発した実績も増えてきたため現地化を進めることにした。

自動車業界では低燃費のガソリンエンジンやハイブリッド車(HV)、燃料電池車など次世代技術の開発競争が激化している。ホンダの研究開発費は年約5千億円。

今後は本田技術研究所から海外向けの車の開発業務を徐々に切り出し、先進技術を各地に提供する役割を強化する。

地域や車種をまたがる基幹部品や次世代技術の研究開発を強化。ガソリンエンジンやHVなど基幹部品の改良を進めるほか、15年にも発売予定の燃料電池車の開発を加速し、世界の環境技術をリードしていく考え。

海外に開発機能を持たせる動きはトヨタ自動車や日産自動車にもあるが、特定地域で販売している車種が中心だった。

トヨタは米国で中型車「アバロン」の開発、生産を実施。日産も今年発売した中型セダン「アルティマ」を米国主体で開発した。両社は新興国向け車両も順次、現地開発に移管する計画だ。』


本日の記事は、ホンダがシビックとアコードの開発拠点を丸ごと国内から、米国に移すという、今までの自動車産業では考えられなかった仕組みを取り入れることについて書いています。

ホンダの力の源泉は、開発力です。この開発力を維持強化するために、従来は、全ての開発機能を栃木県の拠点に集約していました。

最近、徐々に国内の開発部隊を工場に分散化させ、開発部隊と製造部門を一体化させて、開発・製造効率を上げるやり方への切り替えを進めてきました。

今回、この国内の動きを米国に広げて、シビックとアコードの開発・製造効率を上げるやり方を採用します。

シビックとアコードの主要市場は、米国です。ホンダにとってシビックとアコードは、最も付加価値の高い車種です。

これらの両車種の主要市場である、米国に開発拠点を構える仕組みです。いかにもホンダらしいやり方と決め方です。

国内自動車メーカーにとって、米国市場は国内に次いで重要な位置を占めています。米国市場で勝ち組みになれなければ、世界市場でトップクラスのメーカーになれないからです。

今後、米国では環境対応車がより一層重要な位置を占めるようになります。GMなども電気自動車(EV)の開発を強化しています。

ホンダが、トヨタ、日産、GMなどと競争して環境対応車で勝っていくには、シビックとアコードの重要車種で、これらの競合他社に負けることはできません。

シビックとアコードは、米国市場で最も売れていますので、その市場に近いところで、当該市場・顧客の要求仕様などを確認しながら、事業するやり方は、当然のことと言えます。

最近、新興国市場向けの製品は、その市場・顧客の要求に合ったものとして供給する必要があるため、市場に近いところで開発・製造するやり方が広がっています。

ホンダは、その手法を米国市場に適用すると決めたのだと理解しています。

もしホンダが米国市場で負ければ、相当深刻なダメージを受けることになります。ホンダの売上高は。上記競合他社に比べて大きくないので、シビックとアコードの不振はホンダにとって死活問題になります。

将来、日本と米国は何らかの形でTPPを結ぶことになるとみています。TPPが結ばれると、基本的に両市場は、為替を除けば同じ事業環境になりますので、米国市場を考えた場合、開発や製造拠点をどちらの国に持っても違いは少なくなります。

今回のホンダの決定が、TPPを含めて考えたかどうか不明ですが、今後の両国の経済関係を想定すると、合理的と言えます。

また、EVや次世代環境対応車の開発は、米国内でも活発に行なわれていますので、ホンダにとって現地で最新の開発動向を肌で感じながら自社開発を行なえるメリットもあります。

トヨタや日産がホンダの動きにどう対応するかも含めて、今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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