相談者:よもぎ さん 年齢33歳
質問内容:
先日、4回目のIVFも分割停止で中止になりました。なかなか成熟卵が採れず、誘発しても1個採れるか採れないかで、いつも様子を見て、とか、培養してなんとか成熟卵になったところで顕微授精しています。1度だけ、移植までいけましたが後の3回は分割停止や受精せずで終了しています。
身体を整えて次に挑戦しようと、鍼灸・漢方を考えています。
漢方は、婦宝当帰膠を半年ほど飲んでいますが正直なところ、効果が実感できていません。
周期療法を勧めていただいたのですが、踏み切れずに今まできてしまいました。
職場の近くに不妊に強い鍼灸院を見つけたで通ってみようかと思うのですが、
どれくらいのペースで通うものでしょうか?
鍼・漢方以外でも何かこうしたほうがよいというアドバイスがありましたらお願いします。」
回答:
よもぎさん、ご質問ありがとうございます。アキュラ鍼灸院、鍼灸師、小林と申します。「どうすれば良い卵が採れるか?」というテーマは、多くの人が悩む問題です。外からの力で、誘発をして顕微受精させても、肝心の受精卵の質が良くなくては、せっかくの機会も台無しになってしまいます。卵の質というのは、それを育てる期間の母体そのものの健康状態が重要になります。そのためには、よもぎさんがお考えのように、身体をしっかり整えていく必要があります。
卵胞内の卵母細胞そのものは、母体の出生のときにすでに細胞分裂をしていて、その数は決まっています。けれども、卵胞は排卵のときが来るまでは、分裂の途中で休眠状態となっており、排卵前からおよそ375日かけて目を覚まし、成長を始めます。とくに二次卵胞という段階まで成長すると、顆粒膜細胞という卵胞を取り巻く細胞が明確になり出し、毛細血管のネットワークが形成され卵胞への血液循環が活発になりはじめます。その時期が排卵前のおよそ85日前くらいと言われています。その後、胞状卵胞という段階になると、ホルモンの影響を受けて急激に成長していきます。
つまり、卵の質を良くするためには、卵が豊富な血液循環を受け始める3ヶ月くらいの期間しっかりと身体つくりをしていく必要があることになります。アキュラ鍼灸院でも、患者様のお身体の状態によっても変わりますが、3ヶ月くらいの治療期間を目安として通院いただいております。頻度としては、生理周期による体調の変化の過程を見ていくために、週一回程度の来院をお勧めしております。
婦宝当帰膠は、血液を補い、血液の流れを良くして、冷えを取っていく働きがあるので、婦人科疾患、不妊治療ではよく使われる、打って付けのものになりますが、人それぞれ抱えている体質は様々ですので、その人にあった体調管理法が重要になります。鍼灸や漢方を選ぶ基準としても、体質、ライフスタイルなど、体調全般において、きちんとした問診をしてくれて、お身体の状態をよく診てもらえ、体調管理のアドバイスしてくれるところをお勧めします。
鍼灸、漢方以外では、先ほども述べたように人それぞれ有効なものは違いますが、適切な食事、質の高い睡眠、適度な運動、規則正しい生活というのは、細胞一つ一つを活性化させて、ホルモンのバランスを整えるのに一番の間違いない方法です。
体調管理は卵の成長に合わせ、3ヶ月を目安として、腰を据えて行っていってみてはいかがでしょうか?また、「受精卵」の質ということでは、精子の質も同様に体調の影響を受けます。ご主人様の体調管理も含めて、ご夫婦でお身体つくりに取り組んでください。
ご質問の内容にお答えできていたでしょうか?ご不明な点などあれば、またお気軽にご質問ください。
アキュラ鍼灸院 鍼灸師 小林哲也
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