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日経記事;"リクルートがネット通販 仮想商店街、楽天を追撃"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月20日付の日経新聞に、『リクルートがネット通販 仮想商店街、楽天を追撃 割引・出店料アピール 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『リクルートホールディングスは来年3月にも、インターネット通販事業に参入する。衣料や家電などの小売店が出店する仮想商店街の運営に乗り出す。

国内のネット通販市場は楽天、米アマゾン・ドット・コム、ヤフーの3強が主導している。リクルートは傘下のサイトで年間のべ1億人以上の利用者を抱える強みを生かす。ポイントを使った割引などサービス競争に拍車がかかり、消費者の利便性が高まりそうだ。

経済産業省によると、国内のネット通販市場(コンテンツ配信などを含む)は2011年に8兆5000億円と5年で2倍弱に増えた。扱う商品が書籍や音楽ソフトから家電や衣料、食料などにまで多様化。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の普及で顧客の裾野も広がっている。

一方、百貨店やスーパーなど従来の小売業の売上高は減少が続く。リクルートのネット通販参入で、リアル店舗からネットへと進む商品流通の構造変化が一段と進む。

リクルートの仮想商店街は「ポンパレモール」。リクルートライフスタイル(東京・千代田)が運営主体となる。衣料、家電、食品、日用品、家具など各分野から出店者を募り、当初約500店で営業を始める見通し。顧客はパソコンやスマホで注文できる。

顧客には購入額の3%を買い物に使えるポイントとして付与する。楽天など競合サイトより1~2ポイント高くし、他社追撃の武器とする。

年間のべ6000万人が利用する旅行予約サイト「じゃらん」、同4000万人の飲食情報・予約サイト「ホットペッパーグルメ」など傘下の7サイトとポイントを共通化。既存の顧客基盤を生かし市場開拓を急ぐ。

出店者から受け取るシステム利用料は仮想商店街での売り上げの2.5%に設定し、楽天の半分の水準に抑える。先行する競合会社に比べて出店者の負担を軽くし、効率的に店舗や品ぞろえを充実させたい考えだ。

商品の配送は出店者が個別に手がけ送料もそれぞれ決める。ネット通販各社は無料化や当日宅配など配送サービスでも競い合っている。アマゾンジャパン(東京・目黒)は全国10カ所の物流拠点を活用して自社で仕入れた商品の配送を無料化。

楽天も現在1カ所の物流拠点を14年までに3カ所に増やす。リクルートも物流投資などの対応を迫られる可能性がある。

リクルートは人材サービスや販促・広告事業が主力だが、業容の拡大をねらい来年以降、株式を上場する計画。これまで築いたネットサービスの顧客基盤を活用すれば、成長するネット通販市場で存在感を示せると判断、参入を決めた。

ギフト商品や地域の名産品に限った通販を手がけたことはあるが、幅広い商品を総合的に扱うのは初めて。

小売市場全体に占めるネット通販の比率は2.8%で、市場開拓の余地は大きい。ネット通販ではアマゾンのように自社で商品を仕入れ販売する方式と、楽天のように仮想商店街をつくり小売業者の出店を促す方式がある。

リクルートは楽天に近い事業モデルを採用する。楽天は年間でのべ約2億人が利用しているとされるが、リクルートも既存サイトの集客力をテコに追い上げる。』


11月17日に、日経記事;『アマゾン「キンドル」、ヤマダなど販売見送り』に関する考察 [インターネットマーケティング]のタイトルでブログ・コラムを書きました。

この時のポイントは、以下の通りでした。

・家電製品を購入する時の情報収集をインターネットから行なう人が61.9%で第1位の情報入手先となっている。ネットを通して、情報収集し、比較検討したうえで最も安いところから買うのが普通。

・家電量販店などがキンドルの販売を行なわなくてもネット通販の影響拡大を受けることは確実。

・家電メーカーや家電やカメラなどの量販店は、専業事業者を含むネット通販の影響が更に高まることを見据えて、流通のやり方を抜本的に見直す時期に来ている。

本日の記事は、ネット通販の事業拡大を更に後押しする動きについて書いています。リクルートがネット通販事業に新規参入します。

リクルートの事業モデルは、楽天と同じで衣料、小物雑貨、家電などの小売店が出店する仮想商店街となります。

当然のごとく、リクルートは楽天の既存顧客や出店小売店主を奪うやり方を使います。後発参入企業の常とう手段です。

リクルートの差別化のポイントは、システム利用料を仮想商店街での売り上げの2.5%に設定し、楽天と比較して半分にすることと、顧客には購入額の3%を買い物に使えるポイントとして付与し、楽天などの競合サイトより1~2ポイント高くするとのこと。

楽天は、リクルートに既存事業基盤への参入を阻止するために、対抗処置としてシステム使用料の値下げやポイントを高くするなどを実行します。

楽天、ヤフー、リクルートなどの競合は、より使いやすいネット通販の場を顧客と出店主に提供しますので、ますます、ネット通販の事業基盤が強化されます。

記事にありますように、小売市場全体に占めるネット通販の比率は2.8%で未だ黎明期です。スマホやタブレット型端末の急速普及により、今後、ネット通販も急速拡大が見込まれます。

ネット通販も将来、国内での普及率50%を超えるようになると、成長は止まる可能性があります。

この時に、ネット通販市場で勝ち組になって残存者利益を獲得できるのは、上位1位、2位の企業となります。

勝ち組になるためには、ネット通販事業のプラットフォームをどれだけ大きく出来ているかによります。具体的には、獲得顧客と出店数の大きさで決まります。

楽天、アマゾン、ヤフー、リクルート、その他専門化した通販業者の中で、どこが勝ち組になるのかこれから激しい競争が起こります。

大手事業者とは別に、食品などに特化した専門通販事業者は一定の顧客を獲得して勝ち残っていくとみます。

大手事業者間での競争は、使いやすい・見やすいWebサイトの強化と、物流体制の高効率化、料金の安さでの勝負になります。

アマゾンは、国内で米国と同じように、センター配送が中心した事業モデルです。このため、私自身の使った経験を含めて、商品毎に送料込みでの価格比較が容易、短期間での配送、注文金額に関係なく送料が無料、扱い商品のデザインが統一されているので見やすい、などの特長を持っています。

対して、楽天は、扱い商品数の豊富さとポイント付与の商品数が圧倒的に多いことが強みになります。

アマゾンは、既に全国10カ所の物流拠点を持っており、更に市場の拡大に伴って増やしていきます。この高効率な配送体制を強みの一つとしています。

配送に関しては、ネット通販の拡大に伴ってヤマトや佐川急便も物流拠点を増やしつつあります。最終的には、アマゾン並みか或いは、かそれ以上の宅配サービス提供が可能になります。


また、最近、個人、或いは、零細企業が手軽にネット通販を単独で立ち上げることができるサービスが増えてきました。

例えば、11月19日放送のWBS(ワールドビジネスサテライト)でも紹介されましたように、下記新規サービスが提供され始めました。

・Stores.jp;月額980円の料金で、ネット通販の開店から決済機能まで含めたプラットフォームの構築が可能。ネット通販の仕組みが全て整備済み。
URL; https://stores.jp/#

・株式会社アラタナ が構築したmicroSore.me;スマホで写真を撮り、物語を書いて簡単出品する仕組み。
URL; http://site.microstore.me/

上記二つの例は、未だ試験的に動きだした段階ですが、ネット通販が既存の流通の仕組みを簡素化・低コスト化していく動きを示しています。

ネット通販は、商品やサービスの供給者と顧客の距離を一気に短くする潜在力を持っています。
物流は、ヤマトや佐川急便の宅配サービスを使えば、誰でも商品やサービスの提供事業者になれます。

つまり、既存の販路や物流基盤を持っていない事業者が、ネットを使って商品やサービスの良さをアピールできれば顧客に売れるプラットフォームができつつあることを示しています。

顧客の買い筋商品やサービスをつかむには、POS(Point Of Sales)データを使うのが有力な方法です。このPOSデータも、ITやクラウド化の進展で低コストで入手できるようになってきています。

ネットによる宣伝広告やブランディング、ネット通販利用の巧みさが、メーカーの売上を左右する状況になっていることを理解する必要があります。

既存のリアル店舗は、差別化・差異化をどのように行って勝ち残るのか、小売店舗市場全体が縮小する中で、考え・実行していくことが大事になります。一つの参考事例が、たびたび紹介しています、「主婦の店さいち」です。

今後もネット通販の動きを注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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