日経記事;"アマゾン「キンドル」、ヤマダなど販売見送り"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;"アマゾン「キンドル」、ヤマダなど販売見送り"考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 各種の新規事業・事業拡大
経営戦略 インターネットマーケティング

皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月17日付の日経新聞に、『アマゾン「キンドル」、ヤマダなど販売見送り 通販への顧客流出防ぐ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ヤマダ電機など家電量販大手3社は米アマゾン・ドット・コムの携帯端末「キンドル」シリーズの販売を見送る。

アマゾンは19日に日本で電子書籍端末の出荷を始め、12月には小型タブレット(多機能携帯端末)を発売するが、各社は家電販売でアマゾンと激しい価格競争を展開している。

キンドル普及を後押しすることは、アマゾンの通販サイトなどへの顧客流出につながると判断した。

キンドルを販売しないのはヤマダのほか、エディオンとヨドバシカメラ。消費者が店舗をショールームのように利用し、実際に家電などを購入する際はアマゾンをはじめネット通販で割安な商品を選ぶ「ショールーミング」と呼ばれる動きが広がることを警戒している。

ビックカメラやケーズホールディングス、上新電機はキンドルを売るが、アマゾンで購入する人が多いとみられる。

米国でも、小売り最大手のウォルマート・ストアーズがキンドルの販売を中止するなど、リアルの店舗とネット通販が対立する動きが出ている。

アマゾンの日本法人、アマゾンジャパン(東京・目黒)は電子書籍端末「キンドル・ペーパーホワイト」(7980円と1万2980円の2機種)に続き、12月中旬には小型タブレット「キンドル・ファイア」(1万2800円と1万5800円の2機種)も発売する。

取り扱わない3社は「店舗側の粗利率が10%以下で他の商品に比べて利益が出にくい」(大手幹部)ことも理由とする。一方、ビック、上新はアマゾンの通販サイトに出店しており「アマゾンの顧客に自社の通販を利用してもらえればメリットは大きい」(ビック)とみている。』


アマゾンや楽天などのインタネット通販事業は、家電製品分野でも伸びています。特に、昨年来一大ブームになっている感のあるスマホやタブレット型パソコンや端末機器などの高速普及がその動きを加速しています。

経済産業省が平成23年度(2011年)に株式会社リックに委託してまとめられた「平成23年度 我が国の情報化社会における基盤整備事業(家電流通実態に関する調査研究)報告書」が2012年2月に公表されました。

国内及び東南アジア地域での製品別及び販売チャネル別家電製品の売上状況について調査・分析しています。

この調査報告書から、家電流通の最新状況をみることができます。

この報告書によると、販売チャネル別状況は、以下のようになっています。

リック調査(2007年度より)によると、2010年度の家電(パソコンを含む)の通信販売市場規模は、メーカー・販社出荷ベースで6,584億円。家電市場全体の9.5%を占めています。

この通信販売には、家電量販やスーパーマーケットなどのネット通販、家電会社のネット通販、パソコン会社のネット通販、テレビショッピング、カタログによる通信販売、アマゾンや楽天などのネット通販専業事業者などのネット通販が含まれます。

通信販売の内訳に関して、本調査では、通信販売のチャネルを、家電量販店、カメラ量販店、通信販売専門店他の3分類としています。通信販売専門店他の「他」の部分は、ほとんどがネット通販専業事業者となります。

2010年度は、家電量販店が479億円、カメラ量販店が371億円、通信販売専門店他(通販専業事業者が主体)が5,734億円となっており、87.1%を通信販売専門店他が占めていることになります。

通院販売の中で大きく伸びているのは、アマゾンや楽天などのネット通販専業事業者です。

通信販売事業全体をみても、日本通信販売協会(JADMA)の調査によると、日本の通信販売市場は、2001年度の2兆4,900億円から2010年度の4兆6,700億円まで、10年間でほぼ倍増している。伸長著しいことは間違いありません。

通信販売事業拡大のけん引役は、ネット通販です。また、調査時点ではネット通販を行なう機器は、パソコンでがメインでしたが、調査時点から1年以上経過した今では、スマホやタブレット型機器もネット通販を行なう機器として存在度を急速に高めています。

上記しました様に、特にスマホやタブレット型機器の普及は急激ですので、家電製品を含む流通市場全体でネット通販の普及が加速されるのは確実です。

ここで、家電製品の流通におけるネット通販の状況をみますと以下の通りとなります。

2010年度 通信販ルートでの製品別シェアランキング・トップ20とシェアは以下の通り。

1.パソコン 40.6%
2.IHクッキングヒーター 39.4%
3.乾電池 39.3%
4.換気扇 31.1%
5.蛍光ランプ 23.0%
6.コンポーネント 22.8%
7.シェーバー 21.8%
8.トースター 20.8%
9.電気ストーブ 17.3%
10.扇風機 16.9%
11.ホットプレート 16.6%
12.除湿器 16.0%
13.加湿器 15.7%
14.コーヒーメーカー 15.2%
14.空気清浄機 15.1%
16.電気カーペット 14.0%
17.CDプレーヤー 12.9%
18.クリーナー 12.7%
18・ジャーポット 12.6%
20.薄型テレビ 12.1%


家電通信販売がこのように大きなボリュームを占めるようになった背景として主に5つの要因
が考えられています。

第一に、利用メディアが多様化したこと。テレビ・ラジオ、新聞・雑誌広告や折り込みチラシ、インターネット、モバイル(携帯電話)など多様なメディアが利用できる。

通信販売でしか買えない商品に限らず、これまでリアル店舗で購入していた商品を通信販売で購入するなど、利用の機会は増加している。

第二に、家電・PC商品のコモディティ化が進んだこと。通信販売で購入される商品の多くは、実物を見なくても購入できるほど認知・普及が広く進んでいる商品である。

例えばPCは、ある程度普及が進み、使用経験のある人が増加してからは、スペックを見てその商品の機能・性能を知り、複数の候補の中から自分で比較購買できる商品となったため、急速に通信販売利用も拡大した。

第三に、パーソナル家電の増加。例えば大画面テレビや冷蔵庫などの大型商品のように、個人使用ではなく家族全員が使用する商品は、購買にあたり家族の同意が必要であるため、全員でリアル店舗に出かけ、意見を出し合って購買商品を決定するというプロセスを踏むことが多い。

ポータブル型の音楽プレーヤーやゲーム機のような自分1人で楽しむためのパーソナル商品であれば、自分さえ納得すれば家族に相談する必要がない。

**第二及び第三の要因は、上記ベスト20の売上結果に反映されています。

第四に、価格競争の激化にともない、販売価格が低下したこと。ITインフラの浸透を背景にしたインターネット通信販売は、低いコストで参入できるため、中小企業や個人でも容易にインターネット通信販売に参入できるようになった。

家電製品は基本的にメーカーが限られ、リアル店舗でも通信販売でも同一の商品を販売するため、あっという間に安売り競争に発展し、リアル店舗よりも低価格で販売される状況が日常的となった。

消費者にとってはリアル店舗より安く購入できるので、当然利用は増大する。リアル店舗に商品を見に行ってインターネットで購入するというようなケースも増えている。

第五に、配送・設置サービスの充実。通信販売企業側が購入者のニーズに対応するセッティングサービスなどを有償・無償で提供し始め、通信販売ルートに乗らない商品はほとんどなくなった。ただし、このようなサービスを全国で実現できるのは一部の大手企業に限られる。

また、家電製品を購入する時の情報収集は、インターネットから行なう人が61.9%で第1位の情報入手先となっています。


上記調査結果の通り、顧客が家電製品を購入する時は、ネットを通して、情報収集し、比較検討したうえで最も安いところから買うのが普通になっています。

従って、家電量販店などがキンドルの販売を行なわなくてもネット通販の影響拡大を受けることは確実です。

アマゾンと楽天は、国内で物流拠点やデータセンターの強化・充実を行なっていますので、顧客にとってネット通販の利便性はますます高まります。

家電メーカーや家電やカメラなどの量販店は、専業事業者を含むネット通販の影響が更に高まることを見据えて、流通のやり方を抜本的に見直す時期に来ています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム

このコラムに類似したコラム