日経記事;"パナソニック,次世代電力計に参入 米大手と提携"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;"パナソニック,次世代電力計に参入 米大手と提携"考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月16日付の日経新聞に、『パナソニック、次世代電力計に参入 米大手と提携』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『 パナソニックは次世代電力計「スマートメーター」事業に参入する。世界2位の米アイトロン(ワシントン州)と提携して基幹部品を調達、完成品にして販売する。

家庭の節電や電力会社の経営効率化に役立つスマートメーターは日本国内だけで7000万台の需要が見込まれる。パナソニックはまず、東京電力が来年から実施する入札に応じる方針だ。

パナソニックは薄型テレビ事業などの不振から2013年3月期まで2期連続で7000億円を超す赤字を計上する。アジア勢との競争にさらされるデジタル家電への依存を弱め、環境エネルギー分野で成長を目指す。

両社は来週にも業務提携で合意する。パナソニックは消費電力量データを電力会社に送る通信装置を手掛け、アイトロンの計測装置と組み合わせて自社ブランドで販売。当初は年200億円程度の売り上げを目指す。

東電をはじめとする電力会社のメーター市場はこれまで大崎電気工業など4社の寡占状態。だが東電が一般競争入札による調達に切り替えたことで、新規事業者が参入する余地が生まれた。

パナソニックの参入により価格や性能を巡る競争が進み、家庭や企業の利益にもつながりそうだ。

アイトロンはスマートメーター事業を130カ国で展開し、世界で約2割のシェアを持つ。同社と組むことでパナソニックはアジアなど海外での展開も視野に入れる。』


パナソニックは、デジタル家電事業を縮小し、次の成長の柱として環境エネルギー分野を強化しようとしています。

パナソニックが三洋電機を買収したのは、電池事業と関連技術の取り込みが主目的の一つでした。
昨年来、パナソニックは電池事業を核の一つにして、家庭向け環境エネルギー事業を新規事業の柱にする方向性を出してきましたが、それほど明確なメッセージとしては、報道されていませんでした。

今回、スマートメーターの世界シェア、約20%を持つ米アイトロンと提携して、パナソニックがスマートメーター市場に参入することを決めたとのこと。

今回の提携は、パナソニックが環境エネルギー分野へ本格参入するための具体的な動きとみます。

パナソニックが提携を決定した要因の一つが、東京電力や他の電力会社がスマートメーター市場を開放し、独自仕様ではなく国際的な共通仕様で、公開入札され発注先を決める動きが見込まれることです。

今までの電力計は、各電力会社が独自の仕様を持ち、大崎電気工業、東光東芝メーターシステムズ、三菱電機、GE富士電機メーターの国内メーカー4社が市場を独占してきました。

スマートメーターは、光ファイバーや無線などのITインフラで双方向通信機能を持たせた電子式電力計です。国内ではまだほとんど普及していません。

オフィスや家庭などでの電力の消費状況を各機器ごとに把握できますので、消費者にとっては節電を含めて有効な方法で電気消費量を管理できるメリットがあります。

また、電力会社の検針業務が自動化できる利点もあります。今後国内でも本格普及が見込まれ、市場規模は7000万台で、7000億円を超えるとのこと。

昨年、東芝は、スマートメーター事業を含めた環境エネルギー事業を柱の一つにする方向を明確にすると共に、短期間で当該事業に参入するため、ランディス・ギア(スイス)を買収し子会社化しました、

ランディス・ギアは、最大の世界シェア25%を持っています。ランディス・ギアとアイトロンのシェアを合計すると、45%になります。

今回、パナソニックが環境エネルギー事業分野に本格参入しますと、東芝とは競合関係になります。

電力不足は、世界共通の課題であり、早急に解決を要するものです。スマートメーターは、IT環境があれば、どこでも双方向で電力使用量を管理できますので、効果的な節電方式を実行するには必需品となります。

東芝とパナソニックが、国内スマートメーター市場で切磋琢磨しながら競争し、より良い機器開発を行なえば、これらの機器を引っ提げて世界市場での事業展開を行なえます。

国内のスマートメーターに関する自由競争は、4社独占時代から戦国時代になりますので、競争力を持つ企業のみが勝ち残れる合理的な市場状況になります、

国内企業が世界で通用する環境エネルギー事業技術を強化するための絶好の機会になります。電力会社によって独占されてきた分野が公開されると、国内企業にとって世界市場で展開できる新規事業を立ち上げられる機会が生まれることを、スマートメーターは証明しています。

自由競争で電力会社は、スマートメーターの調達コストを下げられますので、他の分野でも自由競争による公開入札方式が定着すれば、電気使用料の値下げも期待できます。

東芝とパナソニックが、積極的な開発投資を行なってスマートメーターや他の環境エネルギー関連機器・ソフトウエアの競争力を高めて世界市場で事業展開することを望みます。

両社が国内市場で切磋琢磨して技術力を磨き、ノウハウ蓄積すれば、世界市場で勝ち組になることは確実です。

電力会社の電力計の調達方式の自由化は、政府が、不必要な規制を見直して緩和すれば、関連企業が新規事業を立ち上げる事例の一つになります。

政府の積極的な規制緩和も期待します。新規事業立ち上げのきっかけが生まれるからです。


環境エネルギー分野は、間違いなく国内企業が世界市場で展開し勝ち組になる必要のある事業ですし、そうなる可能性の高いものです。

特に、パナソニックには、国内電機メーカーの雄として環境エネルギー事業を強化して大きく成長させることを大いに期待します。この分野での成長資金ねん出のため、不採算事業から全面撤退する積極さも必要になる可能性があります。

パナソニックには、環境エネルギー分野で東芝と競争しながら、世界ナンバーワンになるための積極経営を望みます。今後の動きを引き続き注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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