日経記事;"日立金属・電線、来年4月合併へ 金属材料で1兆円"考察 - 各種の事業再生と承継・M&A - 専門家プロファイル

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日経記事;"日立金属・電線、来年4月合併へ 金属材料で1兆円"考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月13日付の日経新聞に、『日立金属・電線、来年4月合併へ 金属材料で1兆円 グループ力結集』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日立製作所の子会社で、東証1部上場の日立金属と日立電線は来年4月に合併する方針を固めた。新会社は自動車・電子部品や社会インフラに欠かせない光ケーブルなどを手がける売上高1兆円規模の金属材料メーカーとなる。

日立グループは新興国で需要が拡大する社会インフラの構築を中核事業に据えている。米ゼネラル・エレクトリック(GE)などを追撃する体制を整える。
 
日立金属と日立電線の両社は13日、取締役会を開き合併を決める。存続会社は日立金属で、新会社の社名は「日立マテリアルズ」となる見通し。同日午後に発表する。

日立製作所は両社に5割強を出資している。2012年3月期の売上高は日立金属が5569億円、日立電線が4325億円で、単純合計で1兆円規模となる。

日立金属はハイブリッド車や電気自動車の駆動用モーターに使う高性能磁石で約4割の世界シェアを握る。産業インフラや自動車、電機向けの高級金属材料にも強い。

一方の日立電線は電力会社向けの電線が主力事業で、かつてはグループ発展の礎を築いた。だが、電線は国内需要が頭打ちとなっているのに加え、半導体向け電子材料の低迷などで業績が悪化。13年3月期は5期連続の最終赤字を見込む。

ただ、鉄道網や送電網など新興国で整備が進む社会インフラに不可欠な技術を多く持つ。海外に広く生産・販売拠点を展開している日立金属と合併することで、主要製品の売り上げを伸ばす。

日立製作所はグループ会社の独立性を重視してきた。国内では各領域で大手の一角を占めていても、国際的にみると規模が小さい事業が多い。

日立製作所は10年春までに日立プラントテクノロジーや日立マクセルなど上場子会社5社をTOB(株式公開買い付け)により完全子会社にした。

IT(情報技術)と社会インフラに経営資源を集中させることで業績を改善、12年3月期には純利益で過去最高となる3471億円を計上した。

米GEや独シーメンスの社会インフラ事業の売上高は日立の1.5~3倍と、まだ大きな開きがある。今後もグループ再編を通じて規模を拡大すると同時に、日立製作所との一体経営を強める。

社会インフラ事業を受注するには、街全体でエネルギー消費量を抑えるスマートシティ(環境配慮型都市)のように、日立製作所が持つITとグループ各社の強みを結集させることが重要になっている。』

日立は、東芝と並んで国内電機メーカーの中でいち早く、集中と選択を行ない、エネルギーや環境を含む社会インフラ事業を、今後の新規事業の足場として固めつつあります。当然世界市場が相手になります。

両社とも合理化の効果が出て、現在の経済・市場環境下で収益を上げる実績を出しています。

本日の記事は、日立グループの動きについて述べています、

日立金属と日立電線が合併するのは、日立グループの企業として日立本社の上記新事業方針に沿ったものです。

合併の目的は、世界市場での社会インフラ事業を統一した組織内で行うことでベクトルを合わせて技術・商品・サービスの能力を上げる、経営資源を集中して重なる管理部門の削減などでコスト低減を図る、量産効果で資材調達や製造コストを下げるなどにあります。

また、日立は記事にありますように2009年に赤字を出して以来、中央研究所などのグループ企業や関連組織体制の再編を進めてきました。

今回の動きもその一環で、日立グループの中で大きな企業体である両社を合併して、本社と一体に動く組織体を目指したものと言えます。

日立が目指すのは世界の社会インフラ事業で勝ち組になることです。このためには、米GEや独シーメンスとの競合に打ち勝つ必要があります。

アジアなどの発展途上国での社会インフラ事業で勝ち組になるには、当該地域でのどんな要求・仕様も満足できる総合力が必要です。

米GEや独シーメンスは、今までに多くの発展途上国で社会インフラ事業を行なってきており豊富な経験・ノウハウを持っています。

日立が勝ち組になるには、両社以上の経験・ノウハウを積み上げる必要があり、早期に世界市場に本格参入することが重要です。

日立グループの強みの一つとして、日立金属の素材や部品提供力にあります。日立電線は、光ケーブルに加えて、発電所に使う巻き線や自動車向けセンサー部品などで強みを持っています。

トータルな社会インフラを作るには、ハードウエアの底辺を支える優秀な素材や部品の確保が重要になります。日立本社は両社の強みを総合化して社会インフラのハードウエア底辺を支えるやり方です。

日立は、自社内にITを持っていますので、ITとハードウエアを組み合わせて総合的なシステム力で世界の社会インフラ市場を開拓することになります。

今後の課題は、総合力の強化になります。これは、社会インフラ事業を受注しながらその経験則はノウハウ蓄積でで強化することが可能です

東芝も同じような動き方をしています。

これからは、アジアを中心に大きな社会インフラ事業の需要が見込まれますので、日立と東芝が可能な限り早期に体制を確立しながら、事業展開することを期待します。

両社が大きな社会インフラ案件を連続して受注しますと、国内の中小を含む関連企業に新規開発や事業の機会が生まれます。

国内輸出を伸ばす観点から、日立や東芝などの総合電機メーカーの本格的な社会インフラ事業の受注獲得に期待し、今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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