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対象:人材育成

中沢 努
中沢 努
(コンサルタント・研修講師・講演講師)

閲覧数順 2016年12月09日更新

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日経記事;"住友金属鉱山、鹿児島で生む「金の卵」"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月11日付の日経電子版に、『住友金属鉱山、鹿児島で生む「金の卵」』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『住友金属鉱山は今月中にも国内最大の菱刈金鉱山(鹿児島県伊佐市)の新鉱床の採掘に向けた工事を始める。埋蔵量は約30トンと時価1300億円相当。

掘削に必要な約32億円の40倍以上の投資対効果が得られる計算だ。文字通りの黄金の山だが、菱刈にはもう一つ大きな役割がある。グローバルに通用する鉱山技術者の育成だ。先兵となる「金の卵」を養成し、川上分野を強化するのが狙いだ。

鹿児島空港から北へ車で約40分の山間部にある菱刈金鉱山。霧島山系に近く、人里離れたこの鉱山には20代~30代前半までの約10人の鉱山技術者らが勤務し、新たな鉱床の発見などに向けて日々技術を磨いている。

「入社してからの3~4年は鹿児島の山の中でがっちり鍛える」と話すのは住友鉱山の資源事業本部副本部長、後根則文執行役員。大学の資源工学科などを卒業して入社する鉱山技術者候補生の多くが社会人生活のスタートを菱刈で迎える。

菱刈鉱山は1985年に採掘を開始し、国内に唯一残った商業鉱山だ。鉱石1トン当たりに含まれる金の量は平均40グラムと一般的な鉱山の8倍以上。初期開発を手がけた石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の担当者も「あんな金鉱山は世界を探してもほかにない」と太鼓判を押す。

一人前の鉱山技術者になるには何が必要か。鉱脈や鉱床を発見する探鉱、安全に鉱石を掘り進める掘削、そして鉱石中から少量しかない金や銅を抽出する選別と鉱山技術者には3つの大きな役割が求められる。特に探鉱や掘削は鉱山での実地研修が最も効果的で「育成できる場所も、国内には菱刈以外ない」(後根執行役員)。

菱刈では地中の磁場の変化を計測する機器で地下に眠る新たな鉱脈を探索していく技術や、より安全に坑道を掘り進めるために霧状のコンクリートを側面に吹き付けていく技術など「最新の鉱山技術を教え込んでいる」(住友鉱山)。また海外鉱山への派遣に備え、技術だけでなく、英語やスペイン語など語学教育にも力を入れる。

菱刈鉱山の採掘量は年間で約7.5トン。これまで埋蔵量は確認されているだけで約150トンとされ、今回の鉱床発見により30トンが加わる見通しだ。

だが、金の国際価格が高値で推移する今の状況にあっても、住友鉱山は菱刈での増産はしない方針だ。そこには足もとの利益追求よりも、将来的な鉱山人材の育成機能をより長期的に維持することを優先させたいとの狙いが見える。

住友鉱山などの非鉄大手の多くは鉱山経営を源流とする。だが国内鉱山の閉山により、その多くが鉱石中から銅などの金属成分を抽出する製錬業に事業の軸足を移してきた。だが近年、各社は再び海外を舞台に鉱山開発に力を入れはじめている。その背景にあるのは鉱山会社と製錬会社との地位の変化だ。

数年前まで両者は銅価格の上昇による利益を互いに分け合う「プライスシェアリング」と呼ばれる方式を採用していた。だが新興国での需要の高まりを受けて、銅鉱石の需給が逼迫。近年は鉱山会社の立場が強くなり、製錬側の享受できる利幅は小さくなっている。

。。。。。

JXホールディングスの大町章取締役常務執行役員は「足もとでは減速感もあるが、中長期的には中国やインドなど新興国の銅需要は拡大する」と見ており、鉱山優位の傾向は当分変わらないと指摘する。そこで住友鉱山など各社が進める戦略が鉱山権益の拡大だ。

。。。。

同社は目下、14年の稼働を目指したチリ・シエラゴルダ鉱山の開発に力を注ぐ。同社の出資比率は31.5%と、これまで手がけてきたペルーのセロ・ベルデ銅鉱山などのほぼ2倍。同社が得る銅権益の取得分はシエラゴルダが本格稼働し、他鉱山の増産体制が整う20年には年25万トンと現状の約2倍に増える予定だ。

。。。。

今後、海外鉱山での経営関与度をさらに上げていけば、それだけリスクも高まる。現地の技術者らと連携し、円滑に鉱山の運営を指導できる日本人の技術者への要求は高まる一方だ。

その人材を育てる役割を一手に担うのが菱刈。国内に最後に残った鉱山は、日本が培ってきた鉱山技術を世界に伝える役割も課せられている。』


本日の記事で関心を持った点は、非鉄大手が人材育成を強化していることです。住友金属鉱山が所有する菱刈金鉱山は、国内で残っている唯一の商業鉱山であり、世界でも有数の金鉱床が存在するとされます。

金の価値よりも、住友金属鉱山が国内に存在する商業鉱山を使って若手の技術者をOJT(On-the Job Training)方式で仕事を通じで育成していることです。

日経記事をみますと、他の非鉄大手も鉱山運営に備え人材育成を強化していることについて書いています。

例えば、JX日鉱日石金属は若手社員に3カ月の海外研修を義務付けます。来年は同社など日本企業が全権益を握るチリのカセロネス銅鉱山が操業を始めるので、技術者に加え管理部門の人員を派遣する必要もあり社員の語学力を底上げするとのこと。

住友金属鉱山も上記にありますように、技術者にスペイン語教育を施すなど各社とも海外で働ける人材確保を急ぎます。

国内鉱山は、菱刈金鉱山以外には商業鉱山がありませんので、住友金属鉱山以外の企業は海外鉱山を使って人材育成を行う必要があります。語学研修も行う必要がありますので、海外鉱山を利用すると一石二鳥になります。


最近、数社の中小企業から事業承継の相談を受けました。以前は、社長が高齢になって、息子や娘に継がせたい、或いは、後継者としての子供がいないなどの相談事項が多数を占めていました。

最近の相談事項の中に、ベテラン技術者や職人が退職する時期に来ているが、現時点ではベテランが持っている技術やノウハウを継承する若手がいない、或いは、育っていないので、このままでは会社経営の継続が出来なくなるとのケースが増えてきました。

これは、今まで工場の現場を支えてきてくれたベテラン社員が60歳を超えて、定年退職する人達が増えていることによります。

また、中小企業も収益悪化対策に人件費を圧縮するために、若手の雇用をおさえたり、リストラを若手から行ったりしてきたことも、ベテラン社員の後継者不足の要因になっています。

中小は、大手のような組織だった人材育成を行うことは難しいのが実情ですが、ベテラン社員がいるうちに、OJTで様々な技術やノウハウを伝承していくことを意識的に行う必要があります。

相談を受けた中小企業の場合、退職を決めたベテランと再契約して非常勤で来てもらいながら、若手の社員育成を製造現場で行ってもらったり、同業他社を辞めたベテランを雇用して技術とノウハウの伝承を行っているところもあります。

中小企業も今後は、海外市場に販売したり、海外に工場を持つなどの海外展開も必要になります。
人材育成も製造現場の技術やノウハウだけでなく、外国語、工場経営、現地人の管理など多様な分野で行う必要があります。

目先の短期的な経営課題の解決は、もちろん会社存続のために大事なことですが、5年先を見据えて人材育成と強化を日常業務の中でどう行っていくか考えて実行する姿勢も必要です。

お尻に火がついてからでは対応が取れない場合もあり得ます。社長やベテラン社員を中心に若手をOJTで育成する姿勢が必要であり重要です。

特に、マニュアルなどの紙に書けないアナログ的な技術やノウハウの伝承が当該企業の差別化・差異化につながるケースが多いので、経営者はOJTでしっかりとかつコツコツと行っていく仕組み作りを行なう必要があります。

中小企業の社長は、人材育成に時間がかかることを肝に銘じておく必要があります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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