日経記事;"日本製素材スマホ席巻、クラレや住友化学"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;"日本製素材スマホ席巻、クラレや住友化学"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月11日付の日経新聞に、『日本製素材スマホ席巻、日クラレや住友化学高機能材を増産 高いシェア・技術強み』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『国内素材大手がスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)などに使われる高機能材料を強化する。

クラレは鮮明な動画の表示に必要なフィルム材を量産。住友化学は高速の無線通信などに使う半導体材料の生産能力を25%増やす。世界で3兆円市場とされる電子部品向け高機能材料では国内素材大手が高いシェアを持つ。

米アップルをはじめスマホ端末では中国や韓国製が世界を席巻しているが、素材分野では技術力を持つ日本勢が国内で生産、輸出し世界で攻勢をかける。

米調査会社IDCによると、2016年のスマホの世界出荷台数は12億6千万台と11年の2.5倍に膨らむ見通し。タブレット(多機能携帯端末)も同3.7倍の2億6千万台に増える見込み。

ただスマホ端末では米アップルなどが中国で組み立て、世界で攻勢。日本市場でもアップルや韓国サムスン電子のほか、中国製の端末が急増しており、国内端末メーカーの苦戦が目立つ。

日本はコンデンサーなど電子部品で強みを持つが、汎用品では韓国や中国勢の追い上げを受けている。

対して素材分野は長年培った技術力を背景に世界で高いシェアを誇っており、アップルやサムスン電子などスマホやタブレットに広く採用されている。

最近では端末の高機能化や軽量化のため素材に求められる性能も高まっており、素材大手は成長市場開拓の好機とみて事業拡充を急ぐ。

クラレは液晶ディスプレー用の偏光板フィルムで8割の世界シェアを握る。今回はプリント基板用絶縁フィルムの量産を始める。動画を表示する大量のデータを回路でやり取りする際にデータの損失を2割削減。きれいな動画表示を実現する。

西条事業所(愛媛県西条市)の生産能力を15年春までに今の15倍の年300万平方メートルに高める。同分野はカネカが5割の世界シェアを握るが、クラレはまず1割を確保し、年100億円規模の売上高を目指す。

住友化学は高速の無線通信用に使う高機能半導体基板材料を増産する。千葉工場(千葉県袖ケ浦市)の生産能力を今秋に倍増したばかりだが、13年秋にさらに25%高める。累計投資は50億円。JX日鉱日石金属は折り曲げ可能なプリント基板の回路材料で世界最薄となる6マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル品の生産を開始。現在7割の世界シェアをさらに高める考え。

持ち運びやすさが特徴のタブレットでは軽量素材の開発も相次ぐ。タッチパネル用ガラスでは米コーニングと旭硝子が世界2強だが、セントラル硝子も本格参入する。通常表面保護と基板の用途で2枚使うが、1枚で対応可能にした。

素材分野は装置産業で設備投資がかさむうえ、特殊な性能を出すには長年のノウハウが必要で中韓勢も容易に追いつけない。特にスマホなど先端素材では日本勢の独壇場とされる。

各社が国内生産拠点を中心に事業拡充を進めれば次世代技術の蓄積につながる。先端素材輸出が拡大すれば、日本の貿易収支の悪化を抑える要因にもなりそうだ。』


現在、スマホやタブレット型パソコンなどの電子端末機器は、急速に普及しておりしばらくの間その傾向は変わらないとみられます。

先進国だけでなく新興国や新・新興国市場でも同じように普及が進んでいるためです。製品面では、現在アップルとサムスン製のものの市場占有率は高く、国内メーカー品は日本市場を含めても大きなシェアを取れていません。

ソニーやパナソニックが競争力のある商品を出さない限り、世界市場で国内メーカーの製品が売れる可能性は今後も低い状態が続きます。

製造面では、中国内の大型工場で作られたものがコスト競争力を持っています。今後、中国労働者の賃金は更に上昇することが見込まれますので、徐々にコスト競争力は落ちてくるとみています。

国内メーカーが、キャノンが国内で展開しているほぼ完全自動化の工場のような技術力で、スマホやタブレット型端末機器の自動生産を可能にして、コスト削減を図れれば、製造分野での復権が起こり得ます。

ただ、現時点ではこのような製造受託型の専業化を実行しようとする国内メーカーは見受けられません。

中国以外でのアジア地域若しくは日本国内で、国内メーカーがコスト競争力を持った自動化工場を建設し、製造受託事業を展開することを期待しています。

当該製品に使用される部品では、汎用品分野で中国や韓国勢の追い上げを受けていますが、高機能・高性能部品では国内勢は強く、国内部品抜きではスマホやタブレット型機器は構成できません。

この部品分野は、国内勢の強さが光ります。

更に、国内勢が強いのは、本日の記事にありますように素材分野です。素材の強さは、最新の量産設備と多くの製造ノウハウから来ています。

国内企業は、IT関連機器のようなデジタル製品の急速な動きに対応することに関して苦手なケーが多いですが、部品や素材のようにじっくりと作り込んでいく必要のある分野では、世界市場で圧倒的な力を持つところが多いと言えます。

国内に世界最強の部品や素材産業群を持っていますと、自動車、機械、電子機器、航空機などを作る企業が、軽量化、高機能化、高性能化などを実現しようとする時に、共に新部品や新素材などを開発・提供してくれる企業が存在することを意味しています。

これらの産業集積は、簡単にできるものではありませんので、国内企業は更に競争力を高めて、世界の機械製品構成のインフラを全ておさえることが重要であり、大事になります。

製品と部品・素材間で相互連携の強化がより一層図れれば、両分野で国内企業の世界シェアと売上拡大が図れます。

現在、日本の輸出力は伸び悩んでいます。部品・素材分野の強化により、輸出金額を増やせると共に、関連中小企業の事業拡大にもつながります。

クラレ、住友化学などの大手企業の積極的な事業運営に多いに期待しています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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